アコースティック音楽嗜好 ‐6‐
『 クラシックへの入口(2) 』
前回、ロックからクラシックへの入口として、リック・ウェイクマン『アーサー王と円卓の騎士たち』を取り上げましたが、もうひとつ。
私が後にクラシックの交響曲や協奏曲を好きになっていく礎とでも言えるような作品があります。
それは、マイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』(Tubular Bells)をはじめとする初期3枚のアルバム。
私が特に好きなのは、2枚目の『ハージェスト・リッジ』(Hergest Ridge)ですが、ここでは、1980年代の前半にテレビ埼玉『サウンド・スーパー・シティー』で放送された『チューブラー・ベルズ』のスタジオ・ライヴ(Mike Oldfield ‘Tubular Bells’ Live at the BBC 1973)を取り上げます。
(添付動画はその放送と同じLIVEです)
これが放送された時には、既にマイク・オールドフィールドの初期3枚~その後の作品を愛聴していた事もあり超歓喜いたしました。
録画して何度も観ました。
レコードでは、色々な楽器をマイク・オールドフィールドがほとんどひとりで演奏し、何度もオーバーダビングを繰り返して完成させたものを、このスタジオ・ライヴ映像では、多くのミュージシャンが参加して各パートを演奏しています。
楽器はエレキギターやエレキベースがかなり大きくフィーチャーされているので、純粋なアコースティック音楽ではありませんが、アコースティックギターや、フルート等の管楽器、そしてなんと言っても印象的なチューブラー・ベルズ、そんなアコースティック系の楽器たちと見事に融合しています。
ひとつひとつの楽器を繊細に、時に大胆に紡ぎ、重ね合わせて作り出される音楽は、クラシックのオーケストラを聴いているような気持ちになります。
そんな中でもやはり、アコースティック系の楽器が活躍するパートが特に好きな私です。
余談ですが、このスタジオライヴに参加しているミュージシャンは、主に所謂カンタベリー系の人たちなのですが、そんな中にミック・テイラーが混ざっているのが、なかなかに興味深いですよね。
スティーヴ・ヒレッジとミック・テイラーが、ギターでハモるシーンは、実にそそられます。
(つづく)