静止画(漫画のコマ)が描く心

静止画(漫画のコマ)が描く心

最近まで放送されていたTVアニメ『さよなら私のクラマー』
これは、高校女子サッカーを描いた話で、原作マンガ(新川直司著)が大好きだった事もあり、毎週楽しみに見ていました。

しかし、正直なところ、アニメの表現が、マンガの表現に及ばなかったという思いがあります。
サッカーの動き、躍動感が、うまく表現できていないように感じると同時に、動画であるがゆえに、心の中に浮かぶ物が制限されてしまうように感じたのです。

それを強く感じたのがTVアニメの第11話「隣を走る人」での事。

このエピソードは、マンガでは第4巻に収められたエピソードで、この作品の中で、私が最も好きな場面があります。

ひとりでドリブル突破をはかっていた恩田希が倒されると、走ってきていた周防すみれが倒れた恩田を跳び越すようにして、こぼれたボールをつなぐ、そのシーン。
マンガでは、完全な無音(文字なし)かつ、効果線や背景なども一切なし、白地に、倒れた恩田(顔をあげてボールを目で追う)と飛び越す周防だけが描かれている、そのシーン。

もう、この一コマだけで、何度泣いた事か、読み返すたびに泣いているような有様。

突出しているがゆえに中学時代には、それぞれの場所で孤独を味わってきた、恩田と周防。
その心までもが、この一コマにギュっと描かれているように感じるのです。

そんな重要な場面が、アニメだと、普通に流れてしまって(しかも動きがぎこちない)、なんともほんわりとした残念な気持ちになったのでした。


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