アコースティック音楽嗜好 ‐48‐

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珠玉の小品、隠れた名曲 その24

Kula Shaker、2010年に発売された4枚目の(オリジナルスタジオ)アルバム『Pilgrims Progress』の1曲目、「Peter Pan R.I.P.」を取り上げます。

これはもう(私の中では)大名曲で、2010年代に聴いた曲(あんまり聴いてないけど)の中ではナンバー1。
アルバムも2010年代に買ったアルバム(あんまり買ってないけど)の中ではナンバー1。

1990年代以後のロックをちゃんと聴いている層にとっては、全然「隠れた」曲じゃないかも知れませんが、私達の年代の人はあまりちゃんと聴いていないのでは?
という事で取り上げてみました。
この機会にぜひぜひぜひ(3回言いました)聴いてみてください。

弦楽隊だけをバックに歌われる1番、この音作りにものすごく惹きこまれます。
2番ではドラムが加わり、サビからはアコースティックギターとコーラスも加わるというアレンジも完璧で、ぐいぐいと奥深い所まで完全に心を持っていかれてしまいます。

そして、クリスピアン・ミルズの歌がとても切なく心に響くのです。

幼児の頃、ディズニー絵本の『ピーターパン』を愛読していて、小学1年生の時に「大人になったら何になりたい?」という先生の質問に「ピーターパン」と答えた(要するに大人になりたくなかった)過去を持つ私にとっては、歌詞もまた、なんとも切なく胸がキューンとしてしまいます。

Kate Bushの「In Search of Peter Pan」と並ぶ、「個人的2大胸キュンピーターパンソング」なのです。

さて、ここから先は、ちょっとこの曲から離れて思い出話をひとつ。

Kula Shakerは、初期から大好きで、アルバムだけではなく、シングルCDやミニアルバムもほとんど買っていました。
(『Peasants, Pigs and Astronauts』はアナログ盤も買った!)
そのクーラが2006年のフジロックに出演。私も現地にいたのですが、その年、私にとっての1番のお目当てはレッチリで、なんとクーラと出演時間まるかぶり!泣く泣くクーラは諦めました。

が!!!!!

神様は私を見捨てなかった。

昼過ぎにひとりでブラリとフードコートを歩いていると、なにやら金髪のお兄ちゃんが小さなステージで弾き語りを始めたのです。
ん!?聴き覚えのある声によく知っている曲。ってクリスピアンじゃん!!
周りあまり分かっていないのか、ふつうにぼんやり聴いている人ばかり、人数にして20人程度か?
何曲か終わると雨が降ってきて、クリスピアンが「じゃあ、大好きな雨の曲やろうかな」的な事を(たぶん)言って、はじめたのがビートルズの「Rain」
アコースティックギター1本で。
これがまた最高!!ビートルズ大好きなんだね、この曲大好きなんだね、みたいな暖かくて優しい気持ちがこみ上げてきました。

今思い出すとあまり現実感がなくて、この時の事、誰かブログにでも書いてないかな、とネット検索をしても見つからず、なんだか夢の中の出来事のような気さえしてきてしまうのですが、クリスピアンの歌う「Rain」はしっかりと心の中に残っているのです。

Dorutan


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