アコースティック音楽嗜好 ‐53‐
アコースティックギターがかっこいいロック(8)
Frantz Ferdinand、2005年発売の2ndアルバム『You Could Have It So Much Better』から「Walk Away」を取り上げます。
Franz Ferdinandは、前年に出た1stアルバムと、この2ndアルバムを、この時期かなり聴き込んでいました。
ポップだけど少し翳りのある曲調やメロディー、タイトな演奏、そんな所に好感を持っていたのです。
さほどアコースティックギターが活躍する曲があるわけではないのですが、何曲か、素敵な小品的な曲が、この2ndアルバムには入っています。
それは、また別の機会に「珠玉の小品、隠れた名曲」カテゴリーで取り上げたいと思っているので、今日は、この曲「Walk Away」を「アコースティックギターがかっこいいロック」として取り上げます。
ドラムから入り、すぐに、どこかノスタルジックで少し物悲しい聴き憶えあるようなないような印象的なフレーズのイントロが始まる。そこに薄く入るアコースティックギターのカッティング。
歌が始まると、さらにアコースティックギターが活躍。簡単に聴こえるコードストロークだけのプレイだけど、アップ、ダウンのタイミングや速度で、曲の表情を作り出す。
中間部で、ドラムが消え、ギターとベースだけになる部分では、さらにそのアコースティックギターが効いてくる。
特に難しい事をしているわけではないけど、歌心のあるコードストロークが私のツボです。
曲としても大好き。
エレクトリックギター、ベース、ドラムというごく一般的な小編成ロックバンドスタイルの演奏に、アコースティックギターが良い感じで絡んでくる曲が、どういうわけか本当に好き。
そして、イギリスやアイルランドのバンドの曲に惹かれる傾向が強いのです、私。
簡単にはくくれないんだけど、大きなイメージとして、アメリカのカラっとしたカントリー的なロックよりも、イギリスの翳りと湿り気のあるどこか捩れたロックにより惹かれる傾向。
もちろん例外も多いし、こういうくくり方はよくないとは思うのだけど、どうしてもそういう傾向が強い私なのです。