日: 2022年7月6日

「ギター合奏曲 第1番」の事や映画音楽の事や死ぬまでにやりたい事の話

7月3日のどるしゃあGoodstock Tokyoワンマン公演では、既報(公演報告、どるたん編しゃあみん編)のとおり、2時間に渡って(主に)どるしゃあ結成後に作った曲を演奏、披露いたしました。

どるしゃあ楽曲は、ほぼ網羅したと言っても過言ではありませんが、実は、ライヴでは披露していない楽曲もまだまだあります。

例えば、映画「ツンデレ娘 奥手な初体験」のサウンドトラックとして作った楽曲たち。
(Soundcloudで聴取可能)
https://soundcloud.com/dorutan/sets/original-sound-track

この映画には、主演のあべみかこさんが、小学校の校歌を歌うシーンがあるのですが、その校歌も、どるたんが(急遽)作詞、作曲したもので、この校歌に関しては、過去に何度かライヴで演奏した事があります。
一度目は、脚本を書かれた井上淳一氏が来場された時、もう一度はこの映画にエキストラとして出演した方々が大勢来場してくれたどるしゃあ長野公演の時。
まあ、歌のキーもあわないし、特殊な曲なので、そういう特別な時だけの特別な演奏です。

そしてライヴで一度だけ披露した曲、というのもいくつかあって、その中でちょっと思い入れのある曲が、この「ギター合奏曲 第1番」(仮題)
(先ほどYouTubeにアップしたのでよろしければ聴いてください)

音合わせはリハの1回だけ、事前練習なしのぶっつけ本番なので、ミスもあるし、荒い演奏なのですが、この曲に対する思い入れは演奏云々の話ではなくて、これから死ぬまでにやりたい事(後述)の一里塚的な話。

この曲が出来た時、ギター1本で重ね録りしたデモをしゃあみんに送ったところ、「楽譜をください。」と言われたのです。楽譜があればライヴで出来るからと。

楽譜!?コード譜ではなく楽譜!?
書いたことないのですが・・・
しかし、これすごく良いきっかけ、良い経験になると思いがんばって書きました。
ギター片手に、拍子を刻みながら、五線譜に落とし込んでいくのですが、ものすご~く時間がかかります。
それでも何段か書き終えた時、ふと、Pro Toolsに楽譜を書ける機能があったような・・・そんな画面をみた事があるような、ないような・・・と思い出して、Pro Toolsを立ち上げてみました。
その機能は確かにあったのですが、MIDIデータを楽譜にするというものでした。
まあ、そうですよね。
これだと、ギターで弾いたものを、もう一度鍵盤で弾いてMIDIデータ化しなければなりません。
手書きでやるにしても、Pro Toolsでやるにしても、(これまで理論ゼロ、感覚だけで曲を作ってきた)私にとっては大変な手間、どちらにしてもギター片手に確認しながらの作業になります。

ただ、Pro Toolsの方が圧倒的にきれいな楽譜が出来上がることが分かり、コツコツとギター片手に鍵盤での打ち込み作業、出来上がった楽譜をしゃあみんに送ったところ「これで大丈夫。」という事で、出来立てのこの曲を早速ライヴで披露する事になったのです。

で、まあ、演奏はあんな感じ。ご笑覧下さい、というレベルですが、なぜ、これが死ぬまでにやりたい事の一里塚なのかという話。

その前に、映画音楽。
これもまた、死ぬまでにやりたい事のひとつで「ツンデレ娘 奥手な初体験」のサウンドトラックがその一里塚なのかな、と思っています。
「ギター合奏曲」も「ツンデレ娘」も、道は重なっているのです。

まず、子供の頃から、映画やTVの音楽が大好きでした。
「ゴジラ」の伊福部昭であったり、「ウルトラセブン」の冬木透であったり、「ジャングル大帝」の冨田勲であったり、そういう音楽に胸ときかめせてきたのです。もう少し長じてからは、ニーノ・ロータ、ヘンリー・マンシーニ、エンニオ・モリコーネ、ジョン・ウィリアムズ他が作り出した、数々の映画音楽たち。
ただただ聴くのが好きというだけだったのですが、いつの頃からか(割と最近)、そういう音楽を作りたいと言う気持ちが生まれてきました。

そんな気持ちから、何年か前に架空の映画のサントラとして、作った音楽があります。
それは、この「New Clear Soundscape」のシリーズ。


(YouTubeで観ていただくと、画面右側にこのシリーズ5曲のリストが表示されます)

New Clear Soundscapeというシリーズですが「New Clear」は「Nuclear」とかけていて、原発事故、原子力災害後の世界を描いた映画のサントラというスタンスです。
「Alfa Decay」「Beta Decay]「Control Rods」「Fallout」「Ground Water」という5曲のタイトルも、原子力発電や原発事故に関係するような言葉になっています。

今は、どるしゃあで歌って演奏できるタイプの曲を主に作っていますが、こういう音楽も作っていきたいし、いずれ実際の映画音楽を作りたいという気持ちを強く持っているのです。
(死ぬまでにやりたい事のひとつ)

そして「ギター合奏曲 第1番」の話に戻ります。
この曲を作った時には、特に深い考えもなく、なんとなくギターを弾いていたら出来たのですが、根底にあった気持ちはたぶん、こんな感じ。
私、映画音楽と並んで、クラシック音楽、特に古楽というのも、好きな音楽の分野なので、なんとなく古楽のようなテイストを持った合奏曲として出来上がったのかな、と。

「ギター合奏曲」の後に、似たような分野でこんな曲も作っています。

こういう曲もまた、映画音楽につながっていく部分があると思っています。

さらに、死ぬまでにやりたい事の一番大きな目標があって、それはこれまでしゃあみんにしか話した事がないのですが、実は「交響曲を書き上げたい。」という大それたもの。

「ギター合奏曲 第1番」がその一里塚というのは(あまりにも小さな一歩ではあるのですが)そういう意味なのです。
たかがギター2本の楽譜を書くのに四苦八苦しているような有様では、交響曲を書くにはとても心許ない状況ではありますが、今の世の中、色々な方法が考えられます。
このまま音楽をやり続けていけば、必ず辿り着ける場所だと信じています。

どるしゃあの音楽を作って、演奏を続けて、映画音楽も作って、交響曲も作る。
老い先さほど長くはありませんが、やる事がたくさんあって楽しい日々です。

締め切りがあると、そして締め切りが近くなると、ふだんの何百倍も力を出せるタイプの人間なので、誰か、ぜひ発注してください。
特に映画関係者の皆様、ぜひぜひお願いします!