King Crimson 『クリムゾン・キングの宮殿』
私を形成しているもの
今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。
1976
King Crimson 『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年発売)
※この文章は2020年に他のSNSに掲載した文章を加筆修正したものです
これから語るのは、キング・クリムゾンがどうのこうのという話ではなく、このアルバムを初めて聴いた、私の心の中の話。
これを初めて聴いた時の衝撃は、もしかしたら、生涯で一番かも知れません。
(たぶん)高校1年の時、友人A君の家で聴きました。
灯りを落とした部屋で(もしかしたら蝋燭が灯っていたかも知れません)、けっこうな大音量で聴かされました。
そういう事をする人なのです。
暗い部屋に、ピー、ゴーっと小さなノイズ音が流れ、一体何が始まるのかと思った次の瞬間、鳴り響いたあの「21世紀の精神異常者」のイントロ!
「うわっ!」思わず声が出ました。
ちょっと震えたかも知れません。
「なんかすげぇ!!」と。
しばらくして歌が始まると、また「うわっ!」と声が出ました。
「すげぇ迫力!!なんか暴力的!なんだこれ!?」
ドキドキしながら聴いているとさらにたたみかけるようなインタープレイ。
「うわっ!」とまた声が出たと思います。
いやいや、ちょっと待って、何これ、ヤバっ!みたいな感じで、圧倒的な迫力にひれ伏しました。
たぶん心の中で「ごめんなさい」かなんか言っていたような気がします。
ドギマギとしているうちに「21世紀の精神異常者」は終わった、と思うやいなや、何!?、一転してこの優しく美しい音楽。
と「風に語りて」の美しい音色とメロディーに魅せられてしまうのです。
その後の展開も、まあ、すごいんですけど、とにかく衝撃というしかない。
あれほどの衝撃は、(音楽を聴くという行為の中では)ちょっと経験した事ありませんでした。
「うわっ」とか「ほお~・・・」とか「ふはっ」とか、メチャ声出たと思う。
また、そういう反応をするだろうと分かっていて聴かせているわけで、やられた感半端ない。
ビートルズに深く嵌り込んだのも中学2年の時に、A君と同じクラスになって色々聴かされたから。
(元々音楽は大好きで、ビートルズも気になっていたから、いずれは本格的に聴いていたとは思うけど、ひとりで聴いていたらもう少し緩やかに嵌っていたと思う)
その後、別の高校に進み、それぞれに多少違う傾向の音楽を聴いていたりもしたのですが、ここでまた、一発ガツンとやられちまったなぁ・・・と。
そんな出会いをしたKing Crimson
その後も、聴き続けてきました。
一番好きなアルバムは?と聞かれると、他のアルバムの名前をあげてしまう可能性もありますが、この時の衝撃は、未だに忘れがたく心に残っているのです。
色々な音楽を知った状態で聴いたら、例えば今これを初めて聴いたとしたら、これほどの衝撃は受けなかった事と思います。
折々に良い音楽に出会い、衝撃を受け、刺激を受け、音楽リスナーとして、本当に良い人生を歩んできた、歩んでいると感じています。感謝。