その時聴いたのは、たしかA面だけだったのだけど、とにかくかっこいい!と思った。 「She Loves You」が流れた時には、小躍りしたくなるような、体が勝手に動き出すような感覚を覚えた。 さらに「抱きしめたい(I Want to Hold Your Hand)」を聴いた時の感覚が忘れられない。 胸の高鳴りと、キュっとするような切なさが同時に押し寄せてくるような不思議な感覚。
Red Hot Chili Peppers(以下レッチリと表記)の事を意識して聴き始めたのは、1999年~2000年あたり。 アルバム『Californication』からのシングルカット曲「Otherside」や「Scar Tissue」、そして表題曲の「Californication」をラジオで何度か聴いているうちに気になる存在になっていた。 もちろんそれ以前のレッチリも何曲かは知っていたのだけれど、特に心惹かれるようなきっかけもなく、真剣には聴いてこなかった。
それから少しした2002年の夏に『By The Way』というアルバムが発売になる。 特別なきっかけがあったわけではないのだけれど「これは、買わねば!」と何故か強く思い、(この頃ではすっかり珍しく)発売日に購入。
帰宅後、自宅のステレオで鳴らした瞬間に、何か気持ちの良い風がブワッと部屋に舞ったような感覚。
1曲目の「By The Way」が終わらないうちに、すっかり魅了されていた。 続く2曲目の「Universally Speaking」では、心高鳴る、多幸感を味わっていた。 さらに続く「This Is the Place」「Dosed」と、とにかく一聴しただけで心に残る名曲ぞろい。特に「Dosed」の哀感、切なさ、美しさは、格別。 ほかの曲も全曲、心に残るアルバム。初めて聴いた曲ばかりなのに、CDに合わせて適当に鼻歌を歌ったりもしていた。 それ以来、聴くのはこのアルバムばかり。 家でも、車でも、仕事場でも。
このアルバムは、すぐに好きになり、この音の世界に浸かり、買った当時かなり聴きまくりました。というか、ずーっと愛聴盤。 今でも、よく聴くアルバム。 ENOにとっては、3枚目のソロアルバム。 この後、遡って1st『Here Come the Warm Jets』、2nd『Taking Tiger Mountain』も聴いたし、その後のソロアルバムやコラボ作品なども継続的に聴いてきたけど、やっぱり一番好きで、一番聴き込んだのは、間違いなく、この『Another Green World』
全体を覆っている空気感がたまらなく好きです。 楽器の音色やメロディー、声、全部合わせた空気感。 『Another Green World』というタイトルや、ジャケット画像も、その空気感によく似合っていて素敵。大好き。
ゲスト参加のRobert Frippが実に良いギターを弾いています。 この方、色々な人の客演時に、とても印象的な演奏を残しているんですよね。 Peter HammillやBlondieやDavid Bowie、他にもたくさん。 このアルバムでは、「St. Elmo’s Fire」「Golden Hours」辺りのソロが、いかにもFripp節炸裂で最高。
このアルバムを聴いていると、何か心がすーっと平らになるような気がします。 「Everything Merges with the Night」なんて、もう癒され過ぎて涙が出てくるほど。
心が何かとささくれだっていた10代の頃に、出会えて本当に良かった、と思えるアルバム。
余談ですが10代の私にとって、ある種トランキライザー的役割りを持っていたアルバムが2枚あります。 それは、このENO『Another Green World』とLou Reedの『Coney Island Baby』