Tag Archive : いきもののきろく

ただ家に帰るだけの話

または
「映画『いきもののきろく』テアトル新宿(第五章)」

ちなみにこれは、3月9日(日)の話。
家を出てから、テアトル新宿で映画『いきもののきろく』を観て、菊池琢己ミニライブと、井上淳一監督、永瀬正敏さんとのトークセッションを堪能し、お三方のサインをいただくまでの長~い話が第一章から第四章まで。
各章へのリンクは文末にあります。

さて

映画のパンフにこの日、壇上に上られたお三方のサインをいただき、映画館を後にした私。

まずは西武新宿駅を目指す。
サブナードへの入口はすでに閉まっていたので、地上の雑踏を人を避けるように歩く。
しかし、ほんの数百メートルの間なのに、スマホの画面に目を落としたまま、まっすぐこちらに向かって歩いてくる人の多いことに辟易。

区役所通りとの交差点辺りのサブナード入口は開いていたので、地下へと避難。
階段の昇り降り(じゃなくて降り昇り)はあるけど、地上での信号待ちはなく、西武新宿駅まで地下を移動。

駅の改札をくぐり、発車案内を見上げると、パッとみたところ本川越行きの急行電車はしばらくない。
ホームを見ると、特急小江戸が停車中。
発車時刻を見ると、21時30分。あと3分で発車。
さすがに特急チケットは売り切れているだろうと、売り場を見ると、ふつうに売っている様子。
マジか!?買うしかないよね?確かPASMOに残額あったよね?(第一章参照)と私自身と数秒対話したのち、チケット購入!PASMO大活躍!!速足で特急へ乗車!

流れるようにスムーズな急展開。

あれこれ考える間もなく、特急に乗車、自分の席に着く。
周りは空席だらけ。あれ、西武新宿線の特急ってこんな感じでしたか?
と、主に西武池袋線ユーザーの私は、ちょっと拍子抜け。
いくら日曜日の夜でも、池袋線の特急は、いつも満席だったような思い出。
それとも、今は池袋線もこんな感じなのかな?

すぐに発車。車窓から見たのは隣のホームにいる電車。
「急行 新所沢行き」

ここで、ハッ!と気づく。
所沢で、飯能行き(もしくは西武秩父行き)に、乗り換える私。
「本川越行きじゃなくても、新所沢行きでもよかったじゃん!」と。
しかも、その急行電車も座っている人はまばら、充分座れたのだけど、特に後悔はありません。

「あ、新所沢行きでもよかったのか」と、気づきがあっただけの話。

なんせ、疲れた病人ですから、ゆったりと座って特急 小江戸で所沢まで行けるのは、大幸運。

参考画像「特急 小江戸」(西武鉄道WEBサイトから無断拝借)

そして、発車後、思い出したのが、おにぎりの事(第一章参照
節約のために、持ってきたのはいいけど、食べるタイミングも場所もなく、このまま食べずに持ち帰る事になるのか、と映画館では、そう考えていた、残念なおにぎり。

出番です!出番がやってきました。

リュックから取り出しテーブルへ。
左の小さなポーチには、おにぎり2つとおやつ。
右の水筒には暖かいほうじ茶。

なにこれ、最高じゃん!
おやつも色々入っているのよミニ羊羹とかソフトサラダとか。
お茶もしっかり熱くて、これまた、ここで初めての活躍。大活躍。

こんなに幸せな時間を味わえるとは、映画館を出た時には、まったく考えていなかった私。
ほんの30分程度ではありますが、ものすごい幸福感に包まれた特急乗車となりました。

また、西武池袋線では、特急ラビューへの切り替えにより(ほとんど)乗る事が出来なくなってしまった、レッドアロー号(小江戸)に、ものすご~く久しぶりに乗ることが出来たのも、幸せ度アップポイント。

本当に良い時間でした。

そうこうしているうちに所沢駅到着。

飯能行きの電車は既にホームに来ていたけど、歩いても余裕で間に合うタイミング。
しかも、けっこう空いていて、座れました。

ここからも楽チンで、地元駅到着。
PASMO残額ちょうどゼロって感じで、そのまま改札を出る事が出来ました。

そして10分程度の徒歩で無事帰宅!
帰宅時には、ほんのり汗ばんでいました。
前日は、雪降ってたのに!

しかし、驚くほどの、ぴったり、バッチリ、ラッキー感。

そもそも、前日までの空模様だったら、出かけられなかったのです。病人だから。
それが前日の雪が嘘のような晴天。暖かさ。

適当な時間に家を出たのに、ハーマイオニーに巡り合えるラッキー感!(第一章参照
そして、映画館に着けば、井上監督の搬入シーンを目撃というバッチリタイミング。(第一章参照

久しぶりにあがた森魚さんにお会いでき、色々話すことが出来たのもラッキー。(第四章参照
もちろん映画もライブもトークも堪能(これが目的なので、これは当然の事ですが)。

帰りも、電車の時間などチェックせずに適当に西武新宿駅へ着いたら、すぐに特急に乗車!
出番なしかと思われたハイキング的あれこれも、突然の大活躍そして超幸福感!
PASMOの残額+チャージ額もぴったり!

なんだこれ!?

この日は、絶対に、テアトル新宿へ『いきもののきろく』を観に行く日、と定められた日だったのかも知れない。




映画『いきもののきろく』関連ブログ


映画『いきもののきろく』テアトル新宿(第四章)

まだつづきます。

ちなみにこれは第四章

ここまでも、あまり映画の事について書いてきませんでしたが、この後は、もはや、私がどうやって家に帰ったか、みたいな、これまで以上にどうでもいい話になる予定です。

その前に

第三章でトークセッションが終わったと思いきや、最後に試練が待っていました。
トークセッションラストに、会場後方、お客さんとして来場していた、あがた森魚さんに話がふられる。
隣の隣(隣は空席)に座っていた私が、会場係の方からマイクを受け取り、あがたさんに渡す。

この時、嫌な予感がよぎりました。
井上監督は次に私を指名するのでは、ないだろうか……と。

これまでにも、何度かそういう経験があるのです。
それを考えると、あがたさんの話がまったく頭に入ってきません。
と、やはり嫌な予感は当たってしまい、私も何か話す事に。

以前、ブログに菊池琢己のギターの事だけを書いた私、ここでもまた琢己さんの生演奏に触れた感動を伝えて終わりました。
映画の事も、語りたい事は色々あるのですが、ブログには、ギター演奏やら、音響やら、そんな事ばかり書いてしまう。音楽者の性みたいなものだと思って許して下され。

さて、そんなこんなで、すべて終わってロビーに出ると、井上監督、永瀬さん、琢己さんのサイン会に長蛇の列が。

あがたさん、しっかりパンフを買っていて「サインしてもらおうかな。」と。
私もパンフにサインしてもらおうと思っていたので、列が全員終わる頃に最後尾に並んでサインをもらう事に。
ロビーに2人並んで立ち話をしていると、色々な方が、あがたさんに声をかけてゆく。
ついでというわけでもないでしょうが、私も何人かの方に挨拶されたり、一緒に写真を撮ったり。
そうこうしているうちに、長い長い列の最後尾が近づき、私とあがたさんも列に並ぶ。

しっかりとパンフにサインをいただきました。


永瀬さんに「井上さんに無茶ぶりされた時、音楽の事しか話せなくてごめんなさい」と、一言声をかける。
しかし、考えてみると、無茶振りされてない時も、ほとんど音楽や音の事しか語っていない。

さて全員にサインが終わったところで記念撮影。
と、ここでも、井上監督の無茶振り発動!
「せっかくだから、あがたさんも一緒に」と。あがたさん、(この映画には関係ないので)一瞬断るそぶりをみせるも、押し切られる。するとさらに井上監督から「どるたんさんも!」と。
いや、私が入っても「この人誰?」状態になるから、と、少し拒否ったのだけど、場の空気もあるし、と思っておとなしく参加しました。

左から、永瀬正敏さん、菊池琢己さん、あがた森魚さん、私、井上淳一監督

なんでここに私がいるのやら。
しいて理由を探しても、井上監督、琢己さん、あがたさんの知り合いというだけのような。


ところで、この章冒頭で「私がどうやって家に帰ったか」みたいな事を書くと言ったはずなのですが、まだ映画館の外にすら出ていません。

今夜は、ここまでにしたいと思います。

次は、本当に「家に帰る話」だけになる予定なので、さすがに
「映画『いきもののきろく』テアトル新宿(第五章)」
ってタイトルはどうかとも思うのだけど、どうしましょう。

というか、それ以前に、そんな話書く必要あるのか!?と。






映画『いきもののきろく』関連ブログ


映画『いきもののきろく』テアトル新宿(第三章)

さて、つづきを

ちなみにこれは第三章

第二章でやっと映画を観終わりました。
この後は、菊池琢己ミニライブからの、井上監督、永瀬正敏さんのトークセッション。

まずは、琢己さんのミニライブから。

アコースティックギターを持って登場。
リハどころか、サウンドチェックもなし。壇上にはヴォーカル用、ギター用のワイヤレスマイクが置かれている。
若干、音は大丈夫なのかな、と心配していましたが、まったく問題なし。
バランスもよく、出音も実にきれいでした。
第二章でテアトル新宿の音響について触れたけど、アコースティック楽器の生演奏でも、その音響の良さが生きています。

軽い挨拶の後、この映画の主題曲「時代はサーカスの象にのって」の生演奏。
映画の中で流れたギターと同じフレーズが紡ぎ出される。
そして歌も琢己さんが、あの丁寧なフレーズを奏でながら見事に歌いあげた。

PANTAの心が琢己さんを通して伝わってくるような感動を覚えました。
誰もPANTAにはなれないし、PANTAのように歌う事も出来ないけど、こうして色々な人がそれぞれの思いを込めて歌いついでいく事で、PANTAの思いもつないでいく事が出来る。PANTAも絶対に喜んでくれるはず。

「絶対に」って強く言い切ったのには理由があって、私たちもPANTAの曲をカヴァーする事があり、それを報告すると、いつも「どんどんやって!」って言ってくれたし、私たちのカヴァーをYouTubeで観た時には「あれ、良かったよ!」と声をかけてくれていたから。カヴァーされる事を喜ぶタイプの方でした。

「時代はサーカスの象にのって」につづいてもう1曲、これも井上監督と関わりの深い曲。
映画『誰がために憲法はある』の中でインストとして使われ、『いきもののきろく』のチラシには、歌詞の一節「世界はガラクタの中によこたわり」を「よこたわる」とアレンジして使っている。あの曲。
「さようなら世界夫人よ」を菊池琢己弾き語りヴァージョンで披露してくれた。

これまた感動しました。
みんな言ってたけど、PANTAも劇場に来ていた、聴いていた、と思う。

琢己さんは、その後のトークセッションにも参加。
井上監督、永瀬正敏さんと3人で、実に面白く、興味深い話を聞かせてくれた。

第二章で少し触れたのだけど、映像を観ながらそれに合わせての一発録りを提案したのは永瀬さん。
そして、印象深いラストシーンからエンドロールに切り替わった直後に、PANTAの声だけでサビのフレーズ「せめてその象に~」と入ってくる、ドキっとするような、このアイディアも永瀬さんの提案だとの事。

すごいセンスじゃない?

永瀬正敏。
役者としても、写真にしても、そして音楽に対する感覚にしても、そのセンスに感服。

映画からミニライブ、トークセッションまで堪能させていただきました!


さらに第四章へとつづく
って、トークセッションも終わったのにまだ何を語ろうとしているのだろうか、私は。


映画『いきもののきろく』関連ブログ


映画『いきもののきろく』テアトル新宿(第二章)

さて、つづきを

ちなみにこれは第二章
第一章はこちら「映画『いきもののきろく』テアトル新宿(第一章)

前回は、テアトル新宿に到着、そこで物販Tシャツの入った段ボールを搬入する井上淳一監督に遭遇!
って所まででした。

井上監督と一緒にいた方は、PANTAさんの古くからのお仲間、S氏。
私より一足先に、井上監督に遭遇したそうな。

3人で映画館に入り、控室でしばらく談笑。
相変わらず、次々と面白い話が出てくる。こういう時間はかけがえのない時間ですね。
特にひきこもりがちの私にとっては、とても大切なひと時。

そして、あがた森魚さんが今日来場するという話に。
ほどなく映画館に着くとの事で、私がチケットを渡しに行く役目を仰せつかる。
席は、私の隣の隣。

あがたさんは、最近、菊池琢己さんと一緒に演っているので、その縁もあるし、井上監督や永瀬正敏さんとも繋がりのある方。

ロビーであがたさんを発見、チケットを渡す。
私は、10数年前のある時期、あがたさんとけっこう色々な所でご一緒していたので、その頃の話を少ししてみたけど、ほぼ憶えていないご様子。
毎日のように大勢の方に会い交流している方なので、これは仕方ない。
私もはっきりした情報(場所や日時など)を提示できない程度におぼろげな記憶でごめんなさい。

※帰ってからおぼろげな記憶を辿りつつ写真フォルダーを漁ったら色々と貴重な写真が出てきたので、あがたさんに何枚か送りました。この辺の話はあとで外伝的に書くかも。

そんなこんなの時間を過ごしているうちに開演時間。
一度、オンライン試写で観てはいるものの、やはり映画館のスクリーンで観ると別物!
モノクロ画面の美しさ深さにも魅せられたけど、この映画館、音が素晴らしい。実にリアルに迫ってくる。
もちろん迫力はあるのだけれど、それ以上に感じたのは、自然な美しい音。

思わず終演後に館内を見周してスピーカーのありかを探してしまいました。
さらに帰宅後に「テアトル新宿 音響」で検索。
やはりしっかりとしたこだわりを持って音響システムを選択、導入しているご様子。
その心意気、伝わりましたよ!!

って、また映画の内容を全然語ってないけど、その辺は色々な方が語っているので、私の雑文は、こんなスタンスでご勘弁。ほんとすまん。

映画が進むに従って、この劇場は『いきもののきろく』を上映するには、最適の劇場なのでは?との思いが募る。

この音で、PANTAと菊池琢己が演奏する「時代はサーカスの象にのって」が再生されるのだ。
この音響システムなら、アコースティックギターの繊細な音色を自然に表現してくれるだろう。

そして、その時がやってくる。
思った通りの音色、空気の中に立ち上がり、膨らみ、消えてゆく、美しく自然な表現。
そして、心に響く演奏。
感動しました。

本編での音楽は、映像と見事にシンクロして、最高のタイミングで一度、終わり、エンドロールでもう一度、今度はサビの部分から、PANTAの歌だけではじまる。
ここで、すごくドキっとするのだけど、終演後のトークセッションで、この辺の裏話を聞けた事、とても興味深く、そして嬉しかった。

その辺の話は、第三章で書くことにして。

この映画を映画館で観る事が出来て本当に良かった!


映画『いきもののきろく』関連ブログ


映画『いきもののきろく』テアトル新宿(第一章)

3月9日(日)
テアトル新宿へ、映画『いきもののきろく』を観に行きました。
(その日の事を書きますが、映画の事よりも日記的内容メインです、ごめんなさい)

この日は、井上淳一監督と、永瀬正敏さんの舞台挨拶のみならず、菊池琢己さんのミニライブまであるという事で、どうしても観に行きたい!とは思っていたのですが、まあ体調面やら何やら、色々あって75%ぐらい諦めていました。

※「どうしても観に行きたい!」の理由はこちらの過去ブログを読んでみてください。
寄り添う力(映画『いきもののきろく』を観て)

さて、当日、朝。
昨日までの雪模様の天気が嘘のように強い日差し。
目覚めもよく、体調も良い。
「これなら出かけられそう!」とは思いつつも、昨年末の手術以後、ひとりで遠出するのははじめて。
しかも大都会新宿。(うちは埼玉県の山間部寄り)
交通手段をどうするか?車か電車か?マジでひとりで大丈夫か?などなど、迷いもありつつ、全部振り切って、井上監督に「今日、行きます!」と連絡。

交通手段は、電車に決定!
色々節約のため、おにぎり、おやつ、暖かいお茶、常温のスポーツドリンクなどをリュックに詰め込む。
帰りは絶対に寒くなるのでマフラーやセーター、手袋も詰め込む。
ハイキングか!と

電車に乗るのは数年ぶり。最寄り駅までは、徒歩で10分ちょっと。
駅に着くと軽く汗ばんでいました。なんと良い天気。

切符を買う時に「あれ、もしかして、私、Suicaを持っているかも!?」と、天の啓示。
なんせ10年以上、ほぼ電車に乗っていないもので。

財布と免許証入れをチェックすると、Suicaはありませんでした。
が、しかし、PASMO発見!
しかも券売機に入れると、なんと500円弱の残額あり!!

西武新宿まで往復で1,000円弱なのだけど、とりあえず1,000円をチャージ。

ほどなく、やってきた電車はハリー・ポッターのラッピング車。
最近、映画『ハリー・ポッター』シリーズを配信で全話観たばかりなので、高まる。
しかも、私が乗ろうとした車両ドアにはハーマイオニーが!
乗り込む寸前に慌てて写真を1枚。


ここまで書いて思ったのだけど、いつ映画館にたどり着くのか!
こんなに書いたのに、まだ地元駅を出ていないじゃん!?
しかし、どうでもいいことを書いているようでいて、最終的に伏線回収できるような小ネタが無意識に散りばめてられています。いや、その伏線回収自体がどうでもいいかも。

さて、どうしよう。

せめて映画館までは、たどり着いて第1章を閉じるか。
って、そんなに長編ブログを書くつもりでは、なかったのだが。

とりあえずつづけます。

西武新宿駅に到着!
人ごみを避けるように、というか避けるために、そそくさと、サブナードへ。
ここはほとんど変わっていない。
サブナード終着点まで進み、地上へ。

早めに家を出たので、まだ時間にはたっぷり余裕がある、って事でテアトル新宿の手前にある、新宿ピカデリーをちょいと覗く。

入り口には、草笛光子さん。
この映画、ちょっと観たい。

こちらは、すごく観たいと思っていた映画。
ピカデリーで上映されている事に軽く驚く。

そんなこんなで時間をつぶしながらも、かなり早い時間にテアトル新宿に到着。
ここで映画を観るのはいつ以来でしょう。
記憶を辿ると、もしかしたらアニメ版の『時をかける少女』(2006)以来かも!?
約20年ぶり!

と感慨にひたっていると、大きな段ボールを持ったおじさんが、そそくさと映画館へ入って行く。
ん、もしかして井上監督!?
なんと、物販のTシャツを、自ら運び込む井上淳一監督に遭遇。
声をかけると、自宅から、ここまで自転車に積んで運んで来たとの事。
そういう事を自らやっているとFacebookなどに書いていたので知ってはいましたが、貴重なシーンを目撃!
おつかれさまです。


と、やっと映画館に辿りついたところで、今日はこれから心臓の方のお医者さんへの定期通院日。
帰宅後、つづきを書けるかどうか、ってな感じですが、必ずつづきを書きます。
この後からが本題ですから


映画『いきもののきろく』関連ブログ


2025年1月後半に観た映画

2025年、今日から2月。寒い時期は活動控えめという事で、この期間は割と自宅、配信での映画鑑賞が進みました。久しぶりに10本超えた!

2025年1月後半に観た映画
2025年1月後半に観た映画

☆印は、映画に対する評価ではなく、あくまでも個人的な好き度ランク。
☆5つ=大好き、☆4つ=好き、☆3つ=ふつう、☆2つ=ちょっと苦手、☆1つ=苦手
という感じ。


16日『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(Amazon)☆☆☆☆

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

4作目か5作目までは劇場公開時に観ていたハリー・ポッター。しかし、私は当時あまり嵌らなかった。が、シリーズ最後まで観ていない事もあり、とりあえず一作目から全部観てみよう、と昨年思い立った。けれどもなかなか進まず、やっと3作目。公開時に観て以来の鑑賞になるはずなのに、思いのほか細かい所まで憶えていて驚く。当時観た時よりも面白かったかも。


17日『いきもののきろく』(ネット試写)☆☆

『いきもののきろく』
『いきもののきろく』

この映画の事は、2回にわたってブログに書きましたので、ぜひそちらを読んで下さい。
寄り添う力(映画『いきもののきろく』を観て)
勝手にあれこれ考えた(映画『いきもののきろく』を観て2)


18日『アリス・スウィート・アリス』Amazon)☆☆☆☆

『アリス・スウィート・アリス』
『アリス・スウィート・アリス』

かわいらしく母親や母親とつきあっている?神父からの愛情を独占している妹に嫉妬を抱く姉アリス。アリスの精神は捻じれていく。ある日、妹が殺され、さらにアリスの家庭周辺での殺人事件が続く。という内容なのだけど、早々に殺される妹(ブルック・シールズ!)を除くアリス周辺の人間がみな気持ち悪い。特に神父。そして教会内のシステム(懺悔とか聖体拝領とか)や人間関係も全部気持ち悪い。逆にアリスだけがまともに見えてしまうほどに。


19日『晴れたらいいね』(Amazon)☆☆

『晴れたらいいね』

これはテレ東制作の2時間テレビドラマでしたが、まあ、準映画枠で取り上げます。見る前は、過去(戦時中)の出来事と現在の出来事が、どこかでリンクするような話かと思ったら、タイムリープ?いや心だけが過去の人間に入ってしまう話でした。ありがちな展開とは思ったけど、過去と現在がとてもうまく処理されていて、それなりに感動しました。


21日『マイ・スパイ』(Amazon)☆☆☆☆☆

『マイ・スパイ』
『マイ・スパイ』

2作目のイタリアが舞台の話を観たくて、まずは1作目からと観てみました。冒頭のシーンから、ラストシーンまで面白かった。話の組み立ても見事。実戦派の元軍人スパイが、現場で大立ち回りをして大失敗、ある母娘を隠れて監視するだけの閑職に、しかしすぐに娘に発見されて・・・その後の展開もとても面白く、娘ソフィのキャラクターが実にいかしている。


21日『マイ・スパイ2 永遠の都へ行く』(Amazon)☆☆☆

『マイ・スパイ2 永遠の都へ行く』
『マイ・スパイ2 永遠の都へ行く』

1作目がかなり面白く、2作目はイタリアが舞台という事で期待しすぎたのがいけなかったか、若干期待外れ。まあ、ふつうに面白かったし、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマなどイタリアの風景は楽しめたので全然OKなんだけど。あとはやっぱりソフィが大きくなっちゃったから、子供ならではの面白さがなくなったのも大きいかな。


25日『アベンジャーズ』(Disney+)☆☆☆☆☆

『アベンジャーズ』
『アベンジャーズ』

何度目かの鑑賞になるのだけど、何度観ても楽しめる、というか観るほどに深く楽しめる映画。これほどの主役キャラを集めて、全員のバックグラウンドや心情をしっかりと描く力に感服する。神話世界のソーとロキの物語、暗い過去を持つナターシャ、など全く違う世界で生きてきた者たちの邂逅。細かいことをもっと色々書きたくなってしまうなぁ、そのうちちゃんと書こう。
そしてやっぱり私はトニーが好きでスティーブは苦手。


26日『乱歩の幻影』(Abema)☆☆

『乱歩の幻影』

話としては、まあ面白いとは思ったし、ラストの落としどころも悪くないのだけど、高橋克典ほかしっかりとした俳優達と他の出演者のレベルが違い過ぎて、どうにも話に入り込めない。浅草オペラの安っぽい再現もいただけない、服装、髪型など最近の若者風でげんなり。そして音楽が昭和モダン風のものを狙っているのだろうけど、音楽も歌も陳腐。とマイナス点が多すぎた、好きな題材だけに残念。


29日『アイアンマン3』(Disney+)☆☆☆☆☆

『アイアンマン3』
『アイアンマン3』

『アベンジャーズ』からの流れで、公開順にこれを鑑賞。これはあまり観てなくてたぶん2度目の鑑賞だけど、こんなに面白かったかしら!?前後の色々、特に『アベンジャーズ』を観てすぐだったので、エピソードが新鮮だったこともあるけど、MCU1作目『アイアンマン』から『シャン・チー』などへも繋がるエピソードもあり、トニーのPTSD?発症という弱さがまた良いし、トニーを助ける少年も良い。この少年、後に一度だけMCU映画に一瞬出てくる(胸熱!)のだけど、今後の登場を期待します。


30日『パーフェクト・リベンジ』(Amazon)☆☆☆

『パーフェクト・リベンジ』
『パーフェクト・リベンジ』

NYからスペインへ出張中の銀行マン。ホテルから繋いだアダルトチャットで知り合った女性との一夜のアバンチュール。のつもりが・・・翌日、彼女からチャットを通じてSOS、画面の向こうでは、ギャング的な男たちが彼女に暴行を、さてどうする!って話。画面越しに何もできないもどかしさや焦り、それでも必死に行動しようとする若干無鉄砲な正義感とか、ピンチを切り抜ける能力とか、色々と伝わってくるものがありました。ラストもまあ良い感じ。しかし『パーフェクト・リベンジ』という邦題は内容と合ってないと思う。


31日『八犬伝』(Amazon)☆☆☆☆

『八犬伝』
『八犬伝』

面白そうだと思っていたけど、想像以上に面白く文句なしに楽しめた。感動した。八犬伝の物語映画としても楽しめたし、曲亭馬琴物語としても楽しめた、そしてその2つの物語の完結していく様に涙した。役者の力の大きさにも感嘆。馬琴の家族、そして北斎、それぞれの思いが表情や仕草のひとつひとつから伝わってくる。特に役所広司のすごさたるや。表情のアップだけですべてが伝わり涙が止まらなかった。


これまでの「観た映画リスト」です

勝手にあれこれ考えた(映画『いきもののきろく』を観て2)

さて、昨日のブログ「寄り添う力(映画『いきもののきろく』を観て)」では、おおよそ映画の感想とはかけ離れた内容、菊池琢己のギターの事だけを書いてしまった私ですが、映画を観ながら、そして観終えて、あれこれ考えた事があるので、うまくまとめる自信はまったくありませんが、つらつらと書き綴ってみます。

原案:永瀬正敏、脚本・監督:井上淳一、主題歌:PANTA
『いきもののきろく』

映画を観る前には、あまり予備知識を仕入れないタイプの私。
監督、主演、音楽、など基本情報は知っていましたが、どういう映画なのかは全く知らず、短編映画である事や、モノクローム映像である事すら知らずに観始めました。

予告編も観なかったので、主題歌は映画の中ではじめて聴いた事になります。
それだけに衝撃も大きかった。


『生き物の記録』と『いきもののきろく』

いや、その前に、気にかかっていた事。
それは、黒澤明の映画『生き物の記録』と同じタイトルである事。
こちら『いきもののきろく』の綴りは平仮名だけど。

この意味は?
もちろん何かしらの関係はあるのだろうけれど。
『生き物の記録』は、はるか昔にレンタルビデオでVHS版を観た記憶。

『生き物の記録』をぼんやりと思い出しつつ『いきもののきろく』を観る。
観ているうちに、3.11東日本大震災で傷を負った者の再生の物語?という輪郭が見えてくる。
原発事故後の生き方を巡り、家族との間に考え方の溝が生まれる。

この辺りに『生き物の記録』との共通点を見つけようと思えば、見つけられるのだけれど、それは考え過ぎだろうか?
映画を観ながら走り書きした手元のメモには

「生き物の記録」と「いきもののきろく」
核による心の分断、生き方の分断

と書いてある。
ただ、そういう部分にあえて着目するよりも、もっと素直に、大震災後を生きた人間という「いきもののきろく」と捉えた方が良いのかも知れない。


映画を観終えて、答え合わせ的にチラシ画像を見ると「喪失と再生の物語」と大きく書いてあり、そこは見方として間違ってなかった、というか、それは、間違えようがないほど、はっきりと伝わる話。

しっかりと受け止めました。

膨らむ勝手なイメージ

あとは、勝手なイメージの話になるのだけど、この映画、セリフがない。
それだけに、イメージが膨らむ。
観る者の想像力によって、印象も変わってくるのではないだろうか?

私の中に生まれたいくつかのイメージの中で、ひとつドキっとした事があるので、それを書いてみます。

廃材、廃品を集めて作った筏を川に浮かべ、火をつけてから川に流すシーン。
(上のチラシの中にもそのシーンの画像があります)

火のついた筏がゆっくりと川を流れてゆくシーンを観ながら、私は、映画『田園に死す』の中で、雛人形の段飾りが川を流れてゆくシーンを思い浮かべていました。

片や色鮮やかな雛飾り、片やモノクロ映像の廃品で作った筏
周囲の風景も何もかも全く違う、ただ「ゆっくりと川を流れてゆく」ということ以外には、共通点は何もないのだけれど、私の脳裏にはこの映像が浮かび、と同時に「彼岸と此岸」という言葉が浮かびました。

その直後、スクリーン(TV画面だけど)に表示された言葉に軽く驚きドキっとしたのです。
私だけの勝手なイメージと、映画の中の言葉(文字)がシンクロした瞬間。
いや、勝手にシンクロしたと思っているだけかも知れないけど、言葉の意味としてね。

このイメージに関して、もうひとつ面白いと思ったのは、映画『田園に死す』は、寺山修司監督作品。

『いきもののきろく』主題歌の「時代はサーカスの象にのって」の歌詞もまた寺山修司(高取英 補作)という所にも軽く驚く。
これは偶然のシンクロなのか、それとも何かしらの必然?



そんな具合で、勝手なイメージや思索によって、この映画から、大きな楽しみを得たわけですが、観終えた後も偶然のシンクロを感じて思索を巡らす事になりました。

この映画を観たのは、昨日、2025年1月17日。
その日は、阪神淡路大震災からちょうど30年。

東日本大震災からの再生を描いた映画『いきもののきろく』を観た夜に、ニュース番組などで、阪神淡路大震災からの再生の(リアルな)物語を観る事になったのです。
そこでまた映画を思い、現実を思い、再生を思う私。


「再生」は、今年の私の一番大きなテーマでもあるのです。


映画『いきもののきろく』関連ブログ

寄り添う力(映画『いきもののきろく』を観て)

11年前に作られた短編映画『いきもののきろく』が、3月7日からのテアトル新宿をはじめ全国で順次公開されるらしい。

原案:永瀬正敏、脚本・監督:井上淳一、主題歌:PANTA
『いきもののきろく』

この映画の音楽をPANTAが担当している事、この映画のために「時代はサーカスの象にのって」を、菊池琢己と2人で再録した事は、11年前に知っていた。

知っていたけれど、これまで映画を観る機会も、音楽を聴く機会もなかった。
それが全国公開前のこのタイミングで映画を観る機会をいただいた。
と言っても映画館ではなく、井上淳一監督の計らいで、インターネット経由(オンライン試写)で。

しかし、これはPCではなく、ある程度しっかりとしたサイズと音で観たいと思い、PCをそれなりに大きな画面サイズのTVとそれなりのオーディオ装置に繋ぎ、しっかりと鑑賞。これが大正解でした。

映画にはイメージを喚起され、思う事多々あったのだけれど、それはちょっと置いておいて、今日、今、書きたい事を書きます。

音楽の事を知っていたおかげで、それが流れる瞬間が来る事をどうしても期待している自分がいる。
期待というのとは、違うかも知れないけれど、この映画が終わるまでに、どこかでPANTAが歌う「時代はサーカスの象にのって」が流れる事を私は知っている。

その時が来た。

イントロのアコースティックギターの一音を聴いた瞬間に涙がこぼれた。

その音色と響きに一瞬で心を持っていかれてしまったのだ。
その後、エンドロールまで菊池琢己の弾くアコースティックギターに感動しつつも、その時は、割りと冷静に観終える事が出来た。

観終えてから、井上監督とメッセージのやりとりなどした後、少し時間をおいて、もう一度、音楽の流れる少し前から観直してみた所、やはりギターの一音で涙がこぼれ、今度は、曲が進むにつれて涙腺が崩壊しました。

申し訳ないのだけど、映画の意味であるとか、寺山修司の歌詞(高取英 補作)の意味であるとか、PANTAの歌の力であるとか、PANTAが既にこの世にいない事であるとか、そういうの一切抜きに、ただただ菊池琢己のアコースティックギターに感動して、演奏が終わるまで、心を揺さぶられ続け、ちょっと嗚咽に近い感じで泣き続けてしまった。
気持ち悪いですね。ごめんなさい。

もちろんそこには映像の力があり、PANTAの歌があり、寺山の言葉があり、それらが一体となって心に迫った事は間違いないのだけど、そのすべてに寄り添うような菊池琢己のアコースティックギターが本当に素晴らしすぎて、涙が止まらなかったのです。

これ、映像を観ながら演奏し、歌と同時に録音したという事を聞いていたので、さらにそのすごさに震えます。(簡単に言えば一発録り)
歌に寄り添い、映像に寄り添い、言葉に寄り添い、その音色にメロディーに思いを込めて弾いている。
その思いの深さまでもが伝わってくるような深い音色と響き。紡ぎ出されるフレーズの美しさ。
しかも小さなミスひとつなく完璧。
それでいて我を出し表に立つような事はなく、何度も書くけど、歌に、映像に、言葉に寄り添うように、しっかりと傍らに立ち、紡ぎ出される。

PANTAの歌はもちろんすごいのだけど、この映画を観る人には、ぜひとも菊池琢己のギターを、思いを聴いて欲しい。そしてその寄り添う力を感じて欲しい。

「どるたんがブログに書いていたから菊池琢己のギターを聴くためにこの映画を観た」という人がひとりでも出てきたら嬉しいのだけど、そんな人いるかしら?

(文中敬称略)


映画『いきもののきろく』関連ブログ