昨日、2月23日、アトリエよぎの『究極の一曲day』に参加してきました。
主に自分の体調面の報告メインです。

私、抗がん剤治療が始まってから、初の人前での演奏です。
1曲だけど。
前回の『究極の一曲day』は、手術を終えて退院後、1回目の抗がん剤治療が始まる前のタイミングだったので、バッチリ参加出来ました。
(「アトリエよぎ『究極の一曲day5』簡単に報告」参照)
が、正直なところ、今回の参加は、諦めておりました。
抗がん剤の点滴を打ってから、まだ2日目で、副作用も出まくっている状況。
冷たい物に触れるだけで指先ビリビリ。
喉も詰まったような状態で少し長く喋っているとヒューってなっちゃう。
しゃっくりが出る。常に胃がムカムカと吐き気がする。
と、とても人前で演奏出来る状態じゃないので。
しかし、朝、なんとなく手袋をしたまま、ギターを弾いてみたら、なんとなく弾けるじゃん。
弦を抑える方は、多少痛いけど全然我慢できるレベル。
弾く方はふだんは指弾きだけど、ピックを使えばOK。
心配なのは喉の具合なんだけど、声を張るタイプの歌じゃなければ、いけそう!
『究極の一曲day』で歌いたい歌はいくつかピックアップしてあるのだけど、どれも歌えそうにない。
って事で、一度どるしゃあのLIVEでカヴァーした事のある、小室等さんの『いま生きているということ』をチョイス。これならいけそう!
しかし、大切な人が何人もいなくなり、この詞を書いた谷川俊太郎さんも亡くなり、自分もまたけっこう死に近づいているようなタイミングで歌うには、ちょっと意味深過ぎるかな、との思いもありつつ、歌えそうな歌はこれぐらいしかないので、決行。
家で練習したときは、案の定、泣けてしまいちゃんと歌えなかったのだけど、まあ、これは通過儀礼的なもの、好きな歌をLIVEでカヴァーする前にひとりで練習する時には、毎回のように経験しています。
これをしっかり通過すれば、本番では、ほぼほぼ泣く事はありません。
これはもう、参加するしかない!ってな事で、バタバタと準備して、出発前に薫ママにLINEで「行くよ~!」と連絡。大層喜んでくれて、こちらもテンションがあがる。
自力で車を運転して青梅へと向かう。
暖かくとても良い天気で、快適にドライブ。
到着後、くじ引きによる順番決めがあるのだけれど、体調面を考慮してもらい、くじ引き免除で、3番手に。
「やり逃げOK」の許しも得て、最後まで観ずに1時間ぐらいでフェードアウトするつもりでした。
薫ママの「宣誓」、つかさの1番手、「関忠」ママの2番手と、いつもの流れから、いよいよ私の番。
抗がん剤の点滴後1週間ぐらいは、体から排出される抗がん剤濃度が高いため、他の人に害が及ばぬようマスクをしたまま(しかし吸気のため鼻出しスタイルで)歌う事にして、マイクもマイマイクに変えてもらう。
あいにく(?)頭の毛は抜けていないのだけど、耳を保護するために帽子も着用。
そして左手に手袋をしたままギターを弾くという、なんとも怪しいスタイル。
だが、仕方ない。
その出で立ちがこれだ!(限定公開のチョロ見せ動画)
この動画はまだ序盤なのでいいのだけれど、終盤にさしかかると、指はプルプル、声も出なくなって、ちょっと情けない終わり方になってしまいました。
もう少し短い歌にするべきだったと猛反省。
でも、精一杯、演奏出来て良かった。
心配していた、しゃっくりも出ず、吐き気もなく、歌い切ることが出来ました。
アドレナリン効果か。
私の出番後は、くじ引き勢一番手のKimiちゃん。
毎回、何をやるか一番楽しみにしている方なので、この順番は嬉しかった。
しかも選曲が、上條恒彦&六文銭の「出発の歌」!!
何人の方が気づいていたか分かりませんが、私の「いま生きているということ」からの小室等つながりです。
こういう偶然(必然?)が起きるのが『究極の一曲day』ならでは。
さて、演奏後は、どのタイミングで帰るかと考えていた私。
というのも、体内の抗がん剤をなるべく排出したくないから、トイレにも行かないようにしていたのです。
抗がん剤の曝露とは、治療中の患者さん以外の人が抗がん薬に接触してしまうことです。抗がん薬にはがん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与える作用があるため、曝露を避ける必要があります。
てな事で。
でも、どこで帰るにしてももったいない。
最後まで観たい!
という思いも大きくて、幸い尿意も便意もなく、みんなの演奏を楽しんで過ごしているうちに「これ、最後までいられるんじゃね?」という気持ちに。
そして結局、最後まで楽しみ、つかさの思いのこもった挨拶も聞き、(打ち上げ参加は諦めて)家へと帰りました。
心配していた疲れもなく、翌日(今朝)も気持ちよく目覚めました。
元気をもらう、ってよく言うけど、本当に元気をもらった気がします。
アトリエよぎ、そして『究極の一曲day』参加者の皆様、どうもありがとう!

【どるたん】作詞、作曲、歌とギター担当