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『The Drift』Scott Walker

Scott Walkerが2006年に出した13枚目のソロアルバム『The Drift』
今日の午後、少し暗くなってきた頃、ものすごく聴きたくなってCDを探したのだけど、見つからず。

このアルバムだけではなくて、他のScott Walkerのアルバムも見つからなかったので、どこかにまとめておいたような気もするのだけど、それがどこかは分からない。

最近(というかこの10年ぐらい)よくあるパターンなのだけど「大事な物だからちゃんとしまっておこう」と思ってどこかにしまうと二度と見つからない。

その辺に置いておけば良かったのに。

って経験ありませんか?

そんな事はどうでも良くて、CDが見つからなくても全部Flacでリッピングしてあるから、それを聴けば良いだけの話なのですが、なんとなくCDで聴きたかった。

とりあえずCDは諦めて、Flac音源をPCのアプリFoobar2000で聴きました。
1回通して聴いたら、ぐったり。

以前もこんな事があったな、どこかに書いた憶えがあるな、と思って検索したら、やはりありました。
しかも、丁度10年前の12月に聴いていた!そして書いていた!
たぶん、ちゃんと聴くのはそれ以来。
CDは、その後見ていないのかも。

その10年前の文章を再掲すると

聴き流す事を許さない音楽が存在する。
それを聴く時には、覚悟がいる、集中力がいる、そして気力がいる。
いつでも向かい合えるものではない。
今、聴いているScott WalkerのThe Driftは、まさにそういう種類の音楽。
大好きだけど、気力がある時にしか聴く事が出来ない。
聴き終えるとどっと疲れが出る。
胸のざわつきを憶える。
と同時にえもいわれぬ充実感もある。
まことにやっかいな音楽である。
(2014年12月20日)

10年後の今日、まったく同じ気持ちになりました。
不思議。


この『The Drift』が出たばかりの頃、お会いした新●月の北山真さんが、「最近、Scott Walkerの新譜ばかり聴いている」と言っていて、新譜が出た事を知らなかった私は、翌日スグにHMVへ赴き入手。
北山さん同様、一時期、このアルバムばかり聴いていました。

調べると1995年の『Tilt』以来のアルバム。
ジャケットの雰囲気も、内容的にも『The Drift』は、『Tilt』の(約10年越しの)延長線上にあるようなアルバム。
1995年当時『Tilt』にも嵌ったのだけど、2006年『The Drift』には、さらに深く嵌った。

嵌り過ぎて、逆にその後なかなか聴けなくなったような気がする。

アコースティック音楽嗜好 ‐84‐

お気に入りのアルバム 4

Scott Walker – SCOTT 4(1969年発売)

Scott Walker – SCOTT 4
Scott Walker – SCOTT 4

スコット・ウォーカーの4作目のソロ・アルバム。

これまでの作品は、管弦楽団の演奏にのせて歌われるポピュラー音楽という趣。
前作『SCOTT 3』では、多少フォーキーな雰囲気の曲も収録されるようになるのだけど、それでもバックには管弦楽団の音がきらびやかに鳴っている。

この『SCOTT 4』でも、管弦楽団の音はかなり取り入れられてはいるものの、アコースティック・ギターの弾き語り調の曲が多くなっている。

そして、このアルバムの作品は、はじめて全曲、スコット・ウォーカー自身の作詞作曲。
これまでのポップシンガー的なスタンスから、シンガーソングライターへと大きく舵をきったアルバムなのだ。

詞の面でも、プラハの春(の際に起きた事件)に触発されて書いたという「老人は再び “The Old Man’s Back Again(Dedicated to the Neo-Stalinist Regime)”」をはじめとして、スコット・ウォーカーという人の生き方、考え方のスタンスみたいなものが見て取れるようになったのではないだろうか。

個人的な好みになるのだけど、初期の管弦楽強めのサウンドよりも、このアルバムでのアコースティックギターのバックにバランスよく流れる管弦楽の音にとても惹かれる。

サウンド面でも、曲の魅力的にも、初期4枚の中では、このアルバムが群を抜いて好き。



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