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今更『シンドラーのリスト』を観て考えた事

ものすごく今更なのですが、昨日、映画『シンドラーのリスト』を観ました。初見です。
日本では、1994年2月に公開されたそうなので、30年前になります。
当時、なんとなく観たいと思っていたけど、なんとなく観ないままに昨日にいたりました。
観なかった理由は、本当になんとなくなんだけど「スピルバーグの映画がちょっと苦手」「観る前に情報が多すぎて内容的には大体把握できてしまった」と言ったところでしょうか。
でも、観れば感動するのだろうな、という事も想像出来ていました。それがまたなんとなく嫌だったのかも知れません。

まあ、なんだかんだと観なかった言い訳をしているわけですが、とにかく当時(~昨日まで)観なかったのです。

さて、観てみました。
(ネタバレ的な事を書くかも知れませんが、30年前の超有名な映画なので、それこそ今更かと思います。ご容赦ください)

そして、やはり想像していたとおりに、それなりに感動もしました。
いや、本当はかなり感動したのですが、素直に感動出来ないもうひとりの自分もいたのです。
その辺は後述。

絵的には、この映画ほぼほぼ全編モノクロなのですが、ごくごくわずかに色があります。
赤いコートを着た少女。彩度低めの赤。
蠟燭の炎。
そして戦後世界が色を取り戻していくように画面もカラーに、というように象徴的に色が使われています。そういった手法に素直に感心しました。

話的には、事前に把握していた通り

強制収容所送り(≒死)となるはずだった多くのユダヤ人を、ドイツ人シンドラーが救った話。
ユダヤ人たちを救うために、ひとりひとりの名前を記した物がシンドラーのリスト。

というものだけど、たった2行で片付けられるものではなく、ナチス、ユダヤ人、シンドラー等、それぞれの物語が紡がれている。
いや、それは物語ではなく、実際に起きた事、行われた事。
もちろん映画上の脚色はあったとしても史実にかなり忠実に作られている事がラストシーンでよく分かる。


さてここからは「色々考えちゃったなぁ」という話。


「正しさ」と集団心理

シンドラーがユダヤ人を救ったのは、彼らを人間としてみていた事が一番大きな理由なのではないだろうか?
ナチスの優生思想的にはユダヤ人は劣等な民族、人種。絶滅させるべき対象。(ユダヤ人に限らず一部他人種、身体障害者、同性愛者なども)
人間としてみていないから平気で殺す。映画の中でも、理由もなく(もしくは些細な事で)何人ものユダヤ人が殺されている。
多くのドイツ人はナチスを妄信し洗脳状態にあったのかも知れないけど、シンドラーのようにユダヤ人を同じ人間としてみている人もいた。
多くの民衆がこういう精神状態にあったのは、戦時下、ナチス政権下のドイツだけじゃなく、世界中多くの例が示している。日本でも、映画『福田村事件』で描かれた、関東大震災後の朝鮮人(映画で描かれたのは朝鮮人と間違われた日本人の行商達)虐殺が記憶に新しいところ。

そして、これは何も戦時下や災害時という特殊な状況下で起きる事ではなく、今、現在、身近でも起きている事。
SNSで日本人が韓国人、中国人に対して口汚い言葉で罵ったり、何か事件があれば容疑者に対して「あいつは日本人ではない」と韓国人、中国人の犯罪と決めつける。彼らに対し自分が優生な人間だと勘違いしている人が多く見受けられる。
こういう感覚が本当に嫌いだし、危ない事だと感じています。

自分が正しい。自分が属している人種は優生な人種。
全然そんな事はなくて、どの人種にだってクソみたいな人もいれば、素晴らしい人もいる。
(私から見るとSNS上でそういう差別的発言をする人こそ、クソみたいな人にみえます)

そして「自分が正しい」と思い込んでいる人や組織ほど、とんでもない事を平気でする。

自分が正しいと思い込んでいる国、組織。
そして宗教。
自分が属している組織は正しく素晴らしい。だからみんなそうあるべき。他は滅ぼした方が良い、と。

特に宗教が絡むと「宗教戦争」「魔女狩り」「十字軍」「キリシタン弾圧」等々から「オウム」や「統一教会」に至るまで気になる事象が多すぎて、学生時代から本読みまくってます。これがまさしく「正しさ」と集団心理で。

って、こういう話をするとどこまでも話続けてしまいそうなので、一旦ここまでで『シンドラーのリスト』に引き返すけど、この感覚は、すごく幼い頃から感じていて、だから安易に組織に組みしないで生きてきたし、教育も信じていなかった。

その感覚が『シンドラーのリスト』や『福田村事件』を観ると改めて心にズシンと来るという話。


パレスチナ問題

そして、もうひとつ、この話に単純には感動出来なかった理由。

映画的には、シンドラーが多くのユダヤ人を救いました。助かった人たち本当に良かった。
そして死んでいった人たちのためにも、二度とこんな過ちを繰り返してはいけない。

って事で、しっかり感動出来る。
映画の中では、話はここで終わるけど、現実世界では終わりではなく、生き残った人たちの話は続いていくわけです。

さて生き残ったユダヤの人たち。シンドラーが救った人たちだけじゃなく、海外に逃れていたユダヤの人たち、日本のシンドラーといわれた杉原千畝さんに命を救われた人たち。諸々。そうやって生き残ったユダヤの人たちが建国したのがイスラエル。
そのイスラエルが、今、何をしているのか?
というとパレスチナ、ガザ地区での虐殺行為。

これが心に浮かんでしまうので、どうしても素直に感動出来なかった。

ただパレスチナに関して「パレスチナと連帯」という人もいるけど、私個人としては簡単に「連帯」という言葉は口にしたくない。

今、まさに苦しんでいるパレスチナの子供たちには、心が痛むし、そこに心を寄せる事も出来るし、なんなら、自分も苦しい経済事情の中から寄付ぐらいはしている。苦しいのレベルが違うのでね。

でも「パレスチナと連帯」は違うんじゃないだろうか?
と思うのです。

イスラエルも相当ひどい事をやっているけど、パレスチナも相当ひどい事をやってきた。
(ただ特にパレスチナ側に色々言い分があるのも分かります)
結果、今があるので。

単純にどちらかと連帯する事は出来ない。

しかも、このイスラエル(ユダヤ)とパレスチナの問題は、今にはじまった事ではなく、とんでもなく長い歴史がある。
パレスチナ問題いついては、すごく気になっていた時期があって、何冊か本を読んで、それなりに成り行きだけは分かった(つもりな)のだけど、どうしても感覚的に分かる事は出来ない。特に両者の感情面とかは推し量りようがないので。

ただ、どちらにも「お互い同じ人間」だと思っている人がいる事は知っています。
個人レベルで共存していた、イスラエルの人とパレスチナの人も大勢いるでしょう。
イスラエル政府に批判的な考えを持っているユダヤの人たちも大勢いるでしょう。

第2次大戦時にシンドラーや杉原千畝がいたように、現在でも例えばダニエル・バレンボイムのような人もいます。


先住民、先住権の話

あと、この問題を考えていくと、どうしても考えてしまうのが先住民の問題。
スペインやポルトガルが南米(その他)でしたこと。アメリカの建国。オーストラリアやニュージーランド。つい最近暴動が起きたフランス領ニューカレドニア。日本だってアイヌの問題もある。などなど。
これに関しては、中学~高校生ぐらいの頃、南米のサッカーを観ていて、人種や言語(ブラジルはポルトガル語、あとは大体スペイン語)が気になって、やはり色々調べた事があるのだけど、みなさん先住民にひどい事してます。王族皆殺しなんて事もしてます。その結果、広大な土地や資源を手に入れてきた。

なんで、こんな事まで考えてしまうのかといえば、イスラエルの事。
あの場所には、元々ユダヤ人が住んでいたという主張です。
2000年以上前に住んでいた場所、ここにユダヤの王国があったと。

これがどんな本を読んでも感覚的にはよく分からない部分。

確かにそうだったのかも知れないけど、その後、千年以上そこに暮らしている人を追い出して、元々住んでいた人が帰ってきます、って話が、イスラエル建国。
パレスチナの人たちは、そこが一番納得できないのかと思います。

「ここ二千年前におれの先祖が住んでた場所だから、出て行って!」
って突然追い出されたらどうします?
みたいな事をどうしても考えちゃうんですよね。ただ、当事者じゃないので、勝手な感覚だけで、判断しちゃいけないとも思います。

はじめに色々な先住民の事を書いたのは、パレスチナに限らず世界中でそういう問題はあるのでは?
って事と、そういう事案に対する問題意識や歴史的興味を常に持っていました、という話。

映画からだいぶ逸れましたね。



まあ、こんな具合に、映画を観ている最中も、見終わってからも、色々と考えてしまったのですが、私自身としては、どんな人に対しても人種で軽蔑したり差別したり、善悪を判断したり、という事は、しないって事は、改めて心に刻みました。



映画『パリよ、永遠に』

特に何も前知識のないままに、Amazonプライムビデオで鑑賞。
説明文によると


1944年8月25日。連合国軍はパリに到着する。
パリの中心に位置するホテル”ル・ムーリス”にはパリ防衛司令官ディートリヒ・フォン・コルティッツ率いるナチス・ドイツ軍が駐留していた。
夜明け前にコルティッツはアドルフ・ヒトラーの命を受けてパリ壊滅作戦を進めていた。
そこへ、スウェーデン総領事ラウル・ノルドリンクが訪れる。
隠し階段から現れたノルドリングは、パリの壊滅を防ぐ説得に取りかかるー。
(C)2014 Film Oblige – Gaumont – Blueprint Film – Arte France Cinema

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