Tag Archive : 七月のムスターファ

『七月のムスターファ』のこと

昨日のブログ「9/6 APIA40 報告(どるたん編)」で、どるしゃあ+あっちゃん(島田篤さん)のセットリストに込めた思いなどを書きました。

最後にPANTAさんの曲『七月のムスターファ』をやった意味とかそんな話を。
ここでは、さらにその辺突っ込んだ話しを。

これ、以前にも書いたことがあるのですけど、PANTAさんから『七月のムスターファ』をやってくれと言われた事があって、その時の事をもう少し具体的に。

2015年の12月に、小田原Route1でのイベント「Friendly Live to Anyone」に出演した時の事。
私は、ベースのルイス稲毛、チェロのしゃあみん、と3人編成での出演。

その時の、トリがPANTAさん。もちろん『七月のムスターファ』もセットリストに入っていました。
そのイベントのアンコールとして、私たち3人とPANTAさんで『さようなら世界夫人よ』を演奏する機会があり、その時は、無茶振り的に私が2番を歌わされるという嬉しくもあり罰ゲーム的でもあるサプライズ。

そんなライヴ終了後の打ち上げの席で、ルイス稲毛がPANTAさんに話しかけました。
「『七月のムスターファ』すごかったです!」と。
するとPANTAさん、何を思ったか
「じゃあ、君たちもやってよ!」とおっしゃったのです。
その場でやりとりを聞いていた私は慌てて
「いや、無理無理、あんなすごい歌、歌えるのPANTAさんだけでしょ!」と反射的に言っていました。

ただ、その時の事はずっと心にひっかかっていました。

実は、PANTAさんとは似たようなやりとりが他にも何度かあって、大体私が「無理無理!」と尻込みしているのですが、もしかして、PANTAさんが本気で言っていたのだとしたら、随分とガッカリさせるような事をしていたのでは・・・・・・と最近ものすごく反省しています。

話の流れの中でサラっと「どるたんやってよ」みたいに言われるので、こちらも軽く流してしまったんですよね。笑いながら「いや~無理っす」みたいに。
もしかしたら、しっかり受け止めなければいけないやつだったのかな?
その辺の真意は今となってはまったく分からなくなってしまったのですが。


まあ、そんな取り返しのつかない後悔を、私はひっそりと抱えて生きています。

その『七月のムスターファ』を、少し前(7月6日)のどるしゃあGoodstock Tokyoワンマン公演の時に、私、1人で弾き語りで初披露しました。
翌日がPANTAさんの一周忌だし、七月だし、と急に思い立ってしまい、しゃあみんには悪いけど、とりあえず一人でやってみようと、オープニングで。


それがあっての9月6日、APIA40
9/6 APIA40 報告(どるたん編)」に書いたように、しゃあみんからの申し出で『七月のムスターファ』をセットリストに組み込むわけですが、その時、私が少し逡巡したのは、7月6日、Goodstock Tokyoで披露した時には、前述のような意味(一周忌だし、七月だし)もあり、さらにGoodstock Tokyoは、元々PANTAさんが繋げてくれた場所なので、毎回、PANTAさんの曲を演奏していて、あの日、そこでやる意味は自分なりにすごく大きかったのだけど、9/6、APIA40でやる意味は?と一瞬考えてしまったから。

ただ、しゃあみんがやりたいと思っている気持ちも察する事が出来たので、スグに考えを変えて、セットリストもしっかりと思いを込めて考え直し、組み込んだ、というお話でした。


さて、そのどるしゃあ+あっちゃんの『七月のムスターファ』今ならLIVE動画を観る事が出来ます。

クリックすると『七月のムスターファ』から始まるけど、出来れば全部観て欲しい、他の出演者も観て欲しい。ちなみに全部観ると3時間弱です。
(この動画は、あと数日で観られなくなります)


9/6 APIA40 報告(どるたん編)

昨夜、9月6日(金)APIA40『この世界は終わらない』
無事終了いたしました!

このご時世、50代~60代と年齢層高めのメンバー達が、前回(2022年)と全く同じ顔触れで、一人も欠けることなくステージに立てた事にまず感謝。
そして、天候の面でも、少し日程がズレていれば、首謀者の島田篤さんが京都から東京入りするのも難しい事態になっていた可能性もあったわけで、こうして無事に開催出来た事は、大きな意味がある事かも知れません。 

さて、私たち、どるしゃあ+あっちゃん(島田篤さん)は、前回同様1番手。
2番手のFire-Pass、トリの高井つよしクィンテットともに、ガチっとした爆音バンド編成なので、うちもたまにはバンド編成でやりたいかも、って気持ちもほんの少しだけあったけど、やってみて、やはりこのアコースティック編成は色々な意味で大正解だったと思いました。

今回、当初は全部オリジナル曲で割りと毒多めで重めのセットリストを考えていました。

そして、しゃあみんに意見を伺ったところ、(PANTAさんの)「七月のムスターファ」をやりたい、との提案があり、私は一瞬逡巡したのだけど、スグにパっと考えを変え、セットリストに組み込むことに。

となると、セットリストはガラッと変えて、毒多め重めの曲を全部排除し、ラストに「七月のムスターファ」を持ってくる事にしました。

  1. Emiliani
  2. 湖の街
  3. 月影のダンス
  4. 紫陽花アナベル
  5. Caffè Florian
  6. Brescia
  7. 七月のムスターファ(PANTAカヴァー)

音楽への憧憬、儚い美しさ、遠い日の情景、美しい景色からのイマジネーション、失われた過去の世界への郷愁、そんな楽曲たちを並べてみました。

イタリアの古い街、クレモナ。そこで生まれたヴァイオリンEmilianiの音色。
山間のダムで美しい月明かりの下に見た幻のような風景。
ガルダ湖畔の街、サロに咲く、紫陽花とアナベル。
世界最古のカフェと言われ、ゲーテやワーグナーをはじめ多くの作家、芸術家たちがひと時を過ごしたCaffè Florianで感じた時を超越したような不思議な感覚。

そういう曲達を、一音一音心を込めて、3人で紡ぎ出しました。

しかし、この宝石のように愛おしい曲達(←自分で言うなですね)のラストに「七月のムスターファ」をやる事で何が起きるか。
ライヴの印象的にはすべてこの曲に持っていかれるでしょう。
それは、インパクト面だけではなく、歌詞の世界が全くちがうものが最後にガツンと登場するわけで、それまで丁寧に紡ぎあげてきた詞に描かれた世界。美しい風景、愛しい音楽、幻想的な時間、郷愁、そういう物たちがすべて、血塗られた戦場、そこに響く銃声によってかき消され壊されていく、後には何も残らない、そういう表現になっています。

撮影:アベヒロシ

実際に、今の社会状況を考えると、いつ、だれの身にそういう事が起きないとも言えないわけです。
戦争が起きると、それまで大切にしていたものも、命さえも、すべてが消えてしまう事にもなりかねません。

このセットリストの意図は、そういう所にあったのですが、それを誰に伝えるでもなく、当日。
私たち3人は同じ気持ちを持って演奏していたように感じていました。

その感覚は、今日、しゃあみんが書いてくれたブログ「9/6 APIA40 報告(しゃあみん編)」にも書かれていました。

そんな表現を終えた私は抜け殻状態なのに、Fire-Passと高井つよしクィンテットのライヴは、ほわんとした気持ちになることを許してくれず、最後までキッチリと音楽と言葉と向き合う時間を過ごしました。

そして、3組すべての演奏が終わった後に、アンコールとして演者全員参加で演奏された、島田篤さんのソロ曲「塵の記憶」
このライヴの締めくくりにふさわしい言葉、ふさわしい音楽、だったと思います。

この世界は終わらない。


撮影: 内田剛史






9/6 APIA40 報告(しゃあみん編)

9月6日(金)碑文谷APIA40「この世界は終わらない」はピアノの島田篤さんを向かえて、どるたん+しゃあみん、Fire-Pass、高井つよしクインテットの3組が演奏するライヴ。

私はどるたん+しゃあみんで久しぶりのアピア出演になりました。

  1. Emiliani
  2. 湖の街
  3. 月影のダンス
  4. 紫陽花アナベル
  5. Caffe Florian
  6. Brescia
  7. 七月のムスターファ

とても違和感のある曲順。

憧れを歌うEmilianiから始まり、遠い日の記憶を懐かしんだり。
良い流れだと思いました。

そして最後七月のムスターファ。
甘酸っぱい記憶も何もかも、壊してしまう。

でも、それが戦争と言うもの。
つい、さっき迄の日常も思い出も消え去ってしまう、突然に。

これがリアルだと思いました。
この違和感こそが、怖いのです。
戦ってるごっこではない、戦争。

次がFire-Passの演奏だから出来た、曲順です。
お疲れ様でした、ありがとう。






7/6 Goodstock Tokyo 報告(しゃあみん編)

7月6日(土)大岡山GoodstockTokyoへ、どるたん+しゃあみんのワンマンライヴ。

何時ものように数曲やってバランス、と言っても二人なので(笑)ちょぅと合わせる。

本番はどるたんのソロから。
シド・バレットとPANTAさんの曲。
七月のムスターファ、遂にやったかぁ。。。
生前、どるたんに「やってよ」と、PANTAさんに言われてた曲。
この曲をやられたら、その後出づらいこと。
でも、頑張りました。

ライヴは二部、2時間ほど行い、終了。

私はその後、下高井戸でのリハーサルへ。
豪雨の隙間を抜い、大岡山~二子玉川~三軒茶屋~下高井戸と言う旅も楽しかったです。

リハはまだまだつまずきながらですが、皆さんに助けられて何とか。
こちらもまた、命日前にPANTAさんが繋げてくれた様な気がします。
本番は9月になりますが、良いライヴが出来ますよう頑張りますね。

みなさま、お疲れ様でした。
ありがとうございました!





7/6 Goodstock Tokyo 報告(どるたん編)

本日、大岡山 Goodstock Tokyoでのどるしゃあワンマン公演、無事終了しました。

正直、この日の会場は若干寂しい入りではありましたが、暑い中駆けつけてくれたお客様及び、配信で観てくれている世界中の人へ向けて(という気持ちで)心を込めて演奏いたしました。

今回、どるしゃあ本編の前にひとりで、2曲ほど弾き語りしました。

明日、7月7日は、私の音楽活動において重要な意味を持つ2人のアーティストの命日なので、その2人の曲を1曲ずつ演奏。

Syd Barrettの「Dark Globe」とPANTAの「七月のムスターファ」を。

「七月のムスターファ」は、かつてPANTAさんから「やってよ」と言われ、その時は「あの曲はPANTAさんじゃなければ出来ません!」と断ったのですが、明日が一周忌だし、七月だし、がんばってやってみよう!と昨日、突然思い立ち、やる事に。なので今回はソロで。
いずれどるしゃあでやる事もありそうな気配。

その後は、いつものどるしゃあで、第1部はイタリア曲中心。

第2部はPANTA曲~バレッツ曲~街シリーズなどという流れで。

SETLISTは

  1. Dark Globe (Syd Barrett cover)/どるたんソロ
  2. 七月のムスターファ(PANTA cover)/どるたんソロ
  3. 紫陽花アナベル
  4. Emiliani
  5. Vivaldi
  6. Caffè Florian
  7. Museo
  8. Stazione
  9. Brescia

    (15分休憩)
  10. あやつり人形(PANTA cover)
  11. さようなら世界夫人よ(頭脳警察 cover)
  12. 森(不思議なバレッツ self cover)
  13. デパート(不思議なバレッツ self cover)
  14. 滅びの街
  15. 混乱の街
  16. 湖の街
  17. 月影のダンス
  18. boy

    (アンコール)
  19. ばるぼらの歌

こうみると割りと落ち着いたセットリストかな?

さて、次回は、どんなどるしゃあになるのか、我が事ながら楽しみです。

そして、その次回はいつかというと、ちょっと間が空きまして、10月26日(土)昼の部。
すっかり過ごしやすい秋になっているであろう事を願って。

ぜひ一緒に楽しみましょう!