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Steeleye Span『Now We Are Six』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1980

Steeleye Span『Now We Are Six』(1974年発売)

Mike Oldfield~The Sallyangie辺りから、徐々にブリティッシュ・トラッド系の音楽への思いが強くなり始めた1980年頃。
巷に流れるMTV系ヒット曲や産業ロック等に背を向けるように、輸入レコード店片隅のブリティッシュフォークやトラッドといったコーナーを漁るようになる。
そんな頃、手にした1枚がこれ。
Steeleye Spanという名前は知っていたけれど、それ以上の知識は特になく、ジャケットに魅せられて購入。

Steeleye Span、はじめの1枚としては大正解だったと、今でも思う。
エレクトリックな音は控えめで、美しいハーモニー、アコースティックの音色が気持ちよく響く曲が多いから。
でも、聴き直してみると、やっぱりエレクトリック・ギターの入っている曲もそれなりあって、そういうのは若干苦手かな・・・
このアルバムを初めて聴いた頃は、そんなに苦手感なかったのだけど、古楽を熱心に聴くようになってからは、苦手感が強まった気もする。

当時、あまり情報も無い時代、完全なジャケ買いだったのですが、買ってしばらくしてから、ジャケット裏の(ゴチャゴチャして見づらい)クレジットを眺めていたら、David Bowieの名前がある!?
えっ!?
私、David Bowieの大ファンなのですが。
全く知らずに引き当てるあたり、運が良いと言うか、引きが強いと言うか、とにかくラッキー。

このアルバムに収められている曲は、ほとんどトラッド曲なのですが、ラストの曲で、フィル・スペクターの「逢った途端にひとめぼれ」(To Know Him Is to Love Him)をやっていて、そこでサックスを吹いているのが、なんとDavid Bowie。
若干ヘタウマっぽくもありますが、味のある歌心溢れる音を聴くと「ああ、Boiweが吹いているんだなぁ・・・」と、その姿が頭の中に浮かぶような気さえしてきます。(大ファンですから)

もうひとつ、クレジットを読んで気がついたのは、このアルバム、(Jethro Tullの)Ian Andersonがプロデュースをしているそうな。
へ~って感じ。

なかなか面白いアルバムを引き当てた物です。

このアルバムで、1番好きな曲は「Long-a-Growing」
たまにこの曲だけ無性に聴きたくなってレコードを引っ張り出していたほど。


この後、Steeleye Spanは、アナログ盤で14、5枚は買ったかな。
一番はじめに買って、一番聴き込んでいるという面もあるかも知れないけれど、やはり、このアルバムが一番好き。

そして、さらに、ずぶずぶとブリティッシュ・フォーク系音楽の深みにはまっていくわけです。


これは、既に「私を形成しているもの」で取り上げていますが、2007年に、これまたラッキーな展開から、このSteeleye SpanのVocal、マディー・プライヤー(&ザ・カーニヴァル・バンド)の来日公演も見る事が出来ました。
MADDY PRIOR & THE CARNIVAL BAND LIVE

幸運な邂逅(Maddy Prior)

昨日のブログ投稿「MADDY PRIOR & THE CARNIVAL BAND LIVE」(2003年)に対して「来ていたの知らなかった」という反応が数人の方からありました。

実は、私も全く知らなかったのですが、偶然の巡りあわせで観る事が出来たのです。
今日は、そのことを。

(マディさんの音楽色々聴いてきたけど、これが一番の愛聴盤「Silly Sisters」)

2003年のある日、武蔵境駅にほど近い、ある分野では有名な会社へ、WEB制作案件の打ち合わせにバイクで出向いた私。
武蔵境に何かの用事で行くのは初めて、そして、その後、一度も行っていません。(付近を通過する事はある)

すると、その会社のエレベーターホール掲示板に、地元開催イベントのポスターが何枚か貼ってあり、見るともなしに見ていたら「マディ・プライア」の文字が目に飛び込んできました。

ほどなくエレベーターが来てしまったので、打ち合わせに向かったものの「マディ・プライア」が気になって仕方ありません。

打ち合わせ終了後に、じっくりとポスターを見ました。

東京の夏 音楽祭 2003
2003年7月28日(月)
武蔵野市民文化会館 小ホール 
マディ・プライア&カーニバル・バンド

と情報確認。
やはり「マディ・プライア」は見間違えではなかった!

しかし、当時、音楽雑誌を毎月数冊は買っていたのに、来日情報を見た憶え全くなし。
武蔵野市のためだけのお忍び公演だったのか!?今でも謎です。

ポスターには、手書きで近くの公民館(的な場所)でチケットを取り扱っているという案内が別紙で貼り付けてあった(ような気がする)。
はじめて行く武蔵境で土地勘ゼロなんだけど、添えられていた簡易的な手描き地図を見ると、割と簡単に行けそうな場所。

すぐにバイクにまたがりチケット取り扱い場所へと向かう。

無事購入!
現金持ってた。

そして幸運にもマディ・プライア&カーニバル・バンドを(なんと2列目で)観る事が出来たのです。

それにしても私、こういう「偶々、あの時、あのタイミングで、あの場所にいなかったら巡り合えなかった」的な幸運に出会う事が、とても多い気がします。
同じぐらいアンラッキーな目にもあっているような気もしますが、そっちはまあ置いておいて、実感としては、すごく幸運な人生。

MADDY PRIOR & THE CARNIVAL BAND LIVE

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


2003

2003年7月28日 武蔵野市民文化会館 小ホール マディ・プライア&カーニバル・バンド

マディ・プライアといえば、スティーライ・スパンやシリー・シスターズで美しい声を聴かせてくれた女性ヴォーカリスト。
マイク・オールドフィールドの『INCANTATIONS』にも参加していると言えばピンとくる方も多いかと思います。

そのマディ・プライアが、80年代から活動を共にしているザ・カーニヴァル・バンドと共に2003年に来日。

このコンサートは『東京の夏音楽祭 2003』という催しの一環として行われたものです。

音楽祭のテーマが「儀式・自然・音楽」という事もあると思いますが、選曲は、教会音楽を中心とした様々な古楽曲。
かといって、堅苦しい曲というわけではなく、思わず踊りだしたくなるようなキャロルも演奏されました。

カーニヴァル・バンドの面々は、実に腕達者で様々な古楽器を自在に操り、包み込むような音空間を作り出してくれます。
その音にマディの澄んだ声が重なった時に生まれる空気を何と例えたらいいのでしょうか、何か自然の風の中にいるような澄んだ空気感、と同時に家族の団欒のような気の置けない温かさ、とにかくこの場にいられて良かった、という幸福感を胸いっぱいに味わう事が出来ました。

またカーニヴァル・バンドは、演奏だけではなく、声も素晴らしい。
アカペラの部分では、鳥肌が立つほど美しいハーモニーを聴かせてくれました。
(「鳥肌が立つ」の本来の使い方ではないのはわかっていますが本当にぞわっとしたので)

途中、子守唄を一曲披露してくれました。これが、えもいえぬ安らぎ感。
寝不足気味だったせいもあり、この子守唄を聴きながら実際に少しの間眠りに落ちてしまいました。
「もったいない。」という気持ちもありますが、なんとも幸せな時間でもありました。