私を形成しているもの
今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。
※この文章は、2020年に他SNSに投稿したものを加筆修正して掲載しています
2009
『やわらかい手』(2007年公開)
2009年頃、DVDで鑑賞
既にこの「私を形成しているもの」で取り上げた映画『あの胸にもういちど』から、約40年経った2007年。
あのマリアンヌ・フェイスフルが主演の映画。
かっこいい皮ツナギのお姉さんが、40年の歳月を経て、さえない小太りのおばさんとして登場します。
でも、がっかり感みたいなものは、全くなくて、むしろ素敵(と私は感じました)。
さて、そのマリアンヌ。
この映画では、ふつうのおばさん(というかちょっと若いおばあちゃん)が、難病を患った孫の治療費を工面するために風俗の仕事をするようになるという役どころ。
その仕事の内容はというと、壁に開けられた穴から、男性がアレを何する、と、壁に隔てられた隣の部屋にいる女性(なんとマリアンヌ・フェイスフル!)が、手を使って気持ちよくさせるという物。
ふつうのおばちゃんだった、マリアンヌは、思いがけず素晴らしい手と技巧を持っていて、しっかりと稼ぐ事が出来るのですが・・・それを知ってしまった家族は・・・と話は展開していきます。
これが実に面白く、それぞれの立場で怒ったり悲しんだりしながらも、心温まる人間ドラマ。
マリアンヌ・フェイスフル、歌手としても大好きなのですが、役者としても素晴らしいな、と改めて感じ入った作品。