ラジオの話 10cc
最近、ラジオを聴く機会が多い。
それも、かなり能動的かつ積極的に。
中学生の頃、『FMレコパル』(大人になってからは『FMファン』)を片手に、エアチェックしていた時の気持ちが蘇ったかのように。
特にここの所のNHK FMには、やられっぱなしだ。
5夜連続放送された『軽音楽をあなたに2019』では、何度も涙ぐんでしまった。
特に最終日、リクエスト特集で、曲紹介もなく突然流れたベイ・シティ・ローラーズ『二人だけのデート』
イントロが流れたとたんに(特別BCRのファンでもないのに)ジワーンと込み上げてきたのものの正体は何なのだろう。
ヒット曲の魔力!?
ラジオの魔力!?
14日に放送された『今日は一日”YMO”三昧』は、午後から夜まで、ながら聞きではあったけれど、ところどころ真剣に楽しませてもらった。
そして、毎日、ほぼかかさずに聴いている『古楽の楽しみ』『音楽遊覧飛行』
その辺、語りたい事も多々あるのだけど、今日、書き留めておきたいのは8月13日(月)に放送された『真夏の夜の偉人たち』 10cc
語り手は声優の山寺宏一さん(山ちゃん)
私にとっての10ccは、好きは好きなんだけど、ちょっと・・・う~ん。
なんだろう。
中高生の頃、John Lennon、Bob Dylan、David Bowieあたりにはまっていた私にとって、「10cc、いいんだけど魂には響かない」そんな感覚を持っていました。
まあ、今でもそうなんだけど。
なんかね、女性が「いい人なんだけどLoveではない」的な事言うけど、10ccは、私にとってそういう人(バンド)。
そつない人で、何もかもおぜんだてしてくれて、素敵なデートプランで一日楽しませてくれて、最後には素敵な夜景の見える場所でプロポーズしてくれたんだけど・・・
「ごめんなさい私、泉谷しげるくんの方が好きなの」
そんな感覚。
10ccファンの人には、大変申し訳ない。
でも、この放送を聴きながら、何度も感動して涙出そうになりました。
それは、山ちゃんが10代の頃、どれだけの熱量を持って10ccを聴いていたのか、どれだけ10ccを愛していたのか、その語りを聴きつつ、当時、私も聴いていた曲達を改めて(しかもラジオで)聴くという体験のなせる業。
選曲がまた素晴らしかった。
本人(山ちゃん)も「ふつうこのアルバム(『シート・ミュージック』)から選ぶなら『ウォールストリート・シャッフル』とかね・・・」というように、ヒットチューンよりもむしろ、アルバムの中の素敵な曲達を、かけてくれるわけです。
大好きな曲『Old Wild Men』の良さもしみじみと再認識。
私にとっては、ちょっと出来すぎな素敵なデートプランを、山ちゃんは「そんなに細かいところまでこだわって選んでくれたのね!」と感動し、しかもちょっとニヤリとさせてくれるような軽妙なおしゃべりにもグラっときちゃってたんだなぁ~、と。
(当時の私は「そこもったいぶらなくていいから、もっとストレートに本音で話してよ!」って感じだったのかな)
そんな山ちゃんの気持ちも良く分かるんですよ。
それはね、おしゃれ男子よりも泉谷くんを選んじゃうような私にも、分かりますよ。「好き」の熱量は。
だから、聞いていて曲にも語りにも感動したという次第。
葡萄畑『恐怖のこまわり君』の逸話(10cc『Silly Love』にそっくり)も最高。
山ちゃんの紹介で聴く『I’m Not In Love』にも泣きそうになったし。
最後に流れたのが(私が中3の時、お誕生プレゼントに買ってもらった『びっくり電話 ハウ・デア・ユー』からの)『I’m Mandy Fly Me』という所にも泣きそうになりました。
本当に、素晴らしい番組でした。
どうもありがとう。