Category Archive : 珠玉の小品、隠れた名曲

アコースティック音楽嗜好 ‐92‐

珠玉の小品、隠れた名曲 43

Sean Lennon – One Night

今日、10月9日は、ジョン・レノンの誕生日。
という事は、ショーンの誕生日でもある、という事で、ショーン・レノンの曲をひとつ、「珠玉の小品」としてとりあげます。

1998年に発売されたアルバム『Into The Sun』からの1曲「One Night」


2分程度と短く、あまり起伏もなく淡々と歌われる、非常にシンプルなアコースティックギター弾き語り曲。
1番はほぼギターだけの伴奏で、1番終わり辺りから控えめなパーカッションとこれまた控えめなストリングス系キーボードが入ってきて、1番と同じ歌詞をもう1度繰り返して終わりという構成。
曲も短くシンプルなら歌詞もまた短くシンプル。

なんてことない曲かも知れないけど、こういう曲にたまらなくそそられるのです、私。
ギターも声も歌い方もアレンジもとても好き。
ほのぼのとした優しい雰囲気も好き。


このアルバムは、発売当時、すごくよく聴いていたので、しっかりと心に残っています。
この曲から、うっすらと効果音でつながるように「Spaceship」という曲が始まるのですが、この流れが、アルバムの中で一番印象深く心に刻まれている所。

とりあえず今日は「One Night」という小品だけを取り上げましたが、興味のある方はぜひアルバムを聴いてみて下さい。
「Spaceship」という曲も、アコースティックギター主体ですが、ロック系の演奏に展開するドラマチックな曲。

最近はエレクトリックなインスト系音楽を多く発表しているショーン。
このアルバムでも既にそういう音楽の片鱗も見受けられ、様々な側面を見せてくれるアルバムですが、統一感はあり、アルバム全体を通して何か良い気と優しさを感じる好印象盤。愛聴盤。






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アコースティック音楽嗜好 ‐85‐

珠玉の小品、隠れた名曲 42

The Cranberries – Never Grow Old


The Cranberriesは、1993年のアルバム『Everybody Else Is Doing It, So Why Can’t We?』でデビューしたアイルランドのバンド。
フロントの女性ヴォーカル、Dolores O’Riordan(ドロレス・オリオーダン、以下ドロレスと表記)が曲を書き、ライヴの際にもアコースティック・ギターを持って歌う曲が多い事もあり、ロックバンドのスタイルながら、かなりアコースティックなテイストが強いバンドで、デビュー時から大好きでした。

はじめの3枚のアルバムでは、ふつうにメンバー写真がアルバムカヴァーを飾っていましたが、1999年の4枚目のアルバム『Bury The Hatchet』は、(あのヒプノシスの)ストーム・トーガソンの手による超印象的なデザインのアルバム。

『Bury The Hatchet』

発売当時、すぐにCDを購入。少ししてからHMVでアナログ盤を見つけ、それも買いました。
これは大きいジャケットで欲しくなるやつ。

大好きなバンドと、大好きなデザイナーの邂逅に、当時大興奮しました。


今日「珠玉の小品」として取り上げるのは、その次のアルバム2001年発売の『Wake Up And Smell The Coffee』のオープニング曲。
このアルバムもまたストーム・トーガソンがジャケットデザインを担当。

『Wake Up And Smell The Coffee』

前述のようにアコースティックなテイストが強いバンドなので、このブログ『アコースティック音楽嗜好』でも、取り上げたい楽曲がたくさんあります。

The Cranberries – Never Grow Old

その中で、この曲「Never Grow Old」を選んだ理由のひとつは、意外性。
これアルバムの1曲目なんですよ。
オープニングに、この淡々とした小曲を持ってきた事の意味。
どうしてもそういう事を考えてしまうのです。
ふつうに考えると2曲目の「Analyse」の方が、オープニング曲的雰囲気を持っているのだけど、あえてこの「Never Grow Old」を持ってきた意味。
私のような聴き手にとって、その選曲意図は、アルバムの世界に導入する「引き」として大成功だと感じます。(が、そういう聴き手ばかりではないので、ちょっと心配でもある)

さらに、この曲を印象的な曲にしてしまった理由があって、というのは、2018年にドロレスが不慮の死を遂げた事。
それ以来、このアルバムを聴く際には、ある種の覚悟が必要になってしまいました。

1曲目がこの「Never Grow Old」ですから。
歌詞の内容も相まって、どうしてもつらい気持ちになってしまうし、淡々とした歌いっぷりが余計に悲しみの襞に沁み込んでくるのです。

まあ、そういう事を抜きにしても、この「Never Grow Old」は、私にとっての「珠玉の小品」である事に間違いはありません。






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アコースティック音楽嗜好 ‐79‐

珠玉の小品、隠れた名曲 41
民謡、伝承曲からの影響 8

Don McLean – Babylon

「American Pie」の大ヒットで知られる、アメリカのシンガーソングライター、ドン・マクリーン(Don McLean)
その「American Pie」が収められた、1971年のアルバム、その名も『American Pie』

タイトル曲「American Pie」は、バディ・ホリーの死に受けた衝撃から、のちに書き上げた歌詞でとても興味深い内容なのですが、それは今日の主題と外れるので置いておいて。
このアルバムのラストに収められた1分41秒のとても短く、静かに爪弾かれるバンジョーにのせて歌われる曲「Babylon」
途中から、教会のchoirを思わせるコーラスも入ってくる。
この曲がたまらなく好きです。

この曲のクレジットは「Traditional」
元の歌は聴いた事ないのだけど伝承曲なのでしょう。

「バビロンの水のほとりで横たわって泣いた・・・」という内容の歌詞。

バディ・ホリーの死を歌った「American Pie」で(内容に反してにぎにぎしく)始まるアルバムのラストを厳かに締めくくる曲。

この曲をラストに持ってきたのには、きっと深い意味があるのだと思う。






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アコースティック音楽嗜好 ‐78‐

珠玉の小品、隠れた名曲 その40

Uriah Heep – Lady in Black

ユーライア・ヒープ、1971年のアルバム『Salisbury』A面ラストに収められたアコースティック・バラード調の名曲。
この曲は、ユーライア・ヒープの曲の中でも、とても人気のある曲なので、ファンにとっては「隠れた名曲」でも何でもない「大人気曲」なのだけど、ユーライア・ヒープを素通りしてきちゃった人や、興味のない人にとっての「隠れた名曲」という事で取り上げてみました。

ユーライア・ヒープというと、若干プログレ寄りのブリティッシュ・ハード・ロック・バンド、と認識している人が多いと思います。
そういうタイプのイギリスのバンドには、アルバムの中に何曲か、この手のアコースティック・バラード調の曲が収録されている事が多く、私は、ほとんどそのためだけにレコードを買っていました。

この曲を引き当てた時には「当り!」と思ったものです。

余談ですが、ブラックモアズ・ナイト(Blackmore’s Night)のアルバム『Dancer and the Moon』に、この曲のカヴァーが収録されていて、CDを買って、はじめて聴いた時に「すごく聴き憶えのある曲!」と思ったのだけど、しばらくこの曲(Lady in Black)だとは気づきませんでした。アレンジも雰囲気もすごくブラックモアズ・ナイトに嵌っていて、オリジナル曲のように聴こえたのです。

こちらもお勧めなので貼り付けておきます。
こういうのが大好物なのです。






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アコースティック音楽嗜好 ‐73‐

珠玉の小品、隠れた名曲 その39
アコースティックギターがかっこいいロック その9

今回はAlan Hull 1975年発売のセカンド・ソロ・アルバム『SQUIRE』から2曲取り上げます。

まずは「珠玉の小品」カテゴリーで、A面3曲目に収録されている曲。
「Picture (A Little Girl)」

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アコースティック音楽嗜好 ‐70‐

珠玉の小品、隠れた名曲 その38

Roy Harper – Davey

Roy Harper 1970年発売の4thアルバム『Flat Baroque and Berserk』からの1曲

 Roy Harper - Flat Baroque and Berserk
Roy Harper – Flat Baroque and Berserk
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アコースティック音楽嗜好 ‐68‐

珠玉の小品、隠れた名曲 その37

Amon Düül II – Traveller

Amon Düül II 1975年発売のアルバム『Hijack』からの1曲

Amon Düül II – Hijack
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アコースティック音楽嗜好 ‐67‐

珠玉の小品、隠れた名曲 その36

Family – Mellowing Grey

Family 1968年発売の1stアルバム『Music in a Doll’s House』からの1曲

Family – Music In A Doll’s House
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アコースティック音楽嗜好 ‐66‐

珠玉の小品、隠れた名曲 その35

David Sylvian The Devil’s Own

David Sylvianは、全キャリアを通して聴き続けているアーティストの1人。
エレクトロニックな音作りや、インプロ的表現のアルバムも多いのですが、1987年に発売されたソロアルバム『Secrets Of The Beehive』は、全編アコースティックな音作りで、とても好きなアルバム。
なんとなく、毎年今頃の時期には何度か聴いているような気がします。

David Sylvian – Secrets Of The Beehive
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アコースティック音楽嗜好 ‐65‐

珠玉の小品、隠れた名曲 その34

Alice Cooper Years Ago

アリス・クーパー、1975年発売のアルバム『Welcome to My Nightmare』(悪夢へようこそ)に収録された曲。
このアルバムが出たのは、私が中学生の時で、すぐには購入できなかったのですが、そのタイトルやジャケットデザインにとても惹かれていました。中学生なので若干厨二病的なこういう世界に弱いのです。

Nightmare = 悪夢という英語を知ったのもこのアルバム発売時。

Alice Cooper - Welcome to My Nightmare
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