Category Archive : 音楽

John Lennon Yoko Ono『Double Fantasy』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1980

John Lennon Yoko Ono『Double Fantasy』(1980年発売)

今日、12月8日は、John Lennonの命日。
あの日、1980年12月8日から、44年(日本では12月9日になっていたのだが便宜上)

このレコードが発売されたのは、1980年11月17日。
Wikiによると英米での発売日となっているが、日本でもその頃に発売されたと記憶している。
発売日に手に入れて、毎日、何度も聴いていた。
あの日までは。
レコードを買って以来、ターンテーブルには、このレコードがずっと乗りっぱなしになっていた。
あの日も、ターンテーブルの上にはこのレコードが乗っていた。

ジョンの曲とヨーコの曲が交互に入っていたので、ジョンの曲だけをテープに録音して聴いているという人もいたけれど、私はヨーコの曲も気に入っていたので、聴く時には、必ず、A面~B面通して全曲聴いていた。
ただ2曲目に収録されているヨーコの「Kiss Kiss Kiss」を聴く時だけは、ヴォリュームをぐっと下げていた事を思い出す。艶めかしい声で「抱いて、抱いて」という言葉が入っているので人に聴かれたら恥ずかしいと思ったのだ。

1曲目の「(Just Like)Starting Over」で高らかに活動再開を宣言したジョン。
来日公演まで予定されていたという話だ。

B面1曲目の「Watching The Wheels」は、当時の私の心境にものすごくフィットしていた。
中学生の時に「The Fool On The Hill」を聴いた時の気持ちと同じ心境だった。

このレコードに入っている曲は、全曲大好きだ。
音も好きだし、メロディーも言葉も。
そしてそこに漲っている生き生きとしたエネルギー。心。愛。
そういったものを受け取り、毎日感動していた。

しかし、あの日以後、しばらくの間、このレコードを聴く事が出来なくなってしまった。

随分と経って、このレコードに針を落とした日の事を憶えている。
冒頭「(Just Like)Starting Over」のベルの音だけで堰を切ったように涙が溢れ出した。
泣きながら聴き続けて、最後の曲、ヨーコの「Hard Times are Over」で、さらに激しく涙した。

「つらい時は去った」という希望を歌ったような歌詞が、優しい歌声が、こんなにも皮肉に聴こえるなんて。たまらなくつらい気持ちになってしまったのだ。

それから何年もしてから、この曲を冷静に聴く事が出来るようになりました。
大好きな曲です。
「Hard Times are Over」




Angelo Badalamenti の音楽

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1991

時は1991年。
WOWOWで放送された連続ドラマ『ツイン・ピークス』
その中で流れる音楽が妙に心に残り、その後、発売されたサウンド・トラックCDを購入。

このCDを買ってからAngelo Badalamentiという作曲家の名前をしっかりと心に刻んだ。

この世と、どこか違う世界との境界線上を浮遊するような、心の奥深い所にある不安を搔き立てるような、それでいながら妙な心地良さを与えてくれる音楽。

『ツイン・ピークス』というドラマ自体がもつ世界観にしっかりと寄り添い、深く印象付ける役割を果たしている。

このサントラCDは、今でも何かというと聴きたくなる愛聴盤。

この後に発売された、映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』のサントラCDも、発売後すぐに入手してかなり聴き込んだのだけど、その後、何度となく聴いているのはTV版サントラの方。
映画の方もたまに聴くけど、どうしてもTV版を聴く回数の方が増えていく傾向。
それだけ印象深く心に刻まれた音楽なのだ。

しかし、Angelo Badalamentiの音楽は、その後、私のアンテナに引っかかる事がなく、この2枚のCDだけが、私の知るAngelo Badalamentiの音楽だった。

時は流れ、2018年、サブスクの時代。
ふと思い立ち、SpotifyでAngelo Badalamentiと検索してみたところ……
という話を以前ブログに書きました。(『迷宮のヴェニス』

これまで知らなかったAngelo Badalamentiの音楽たち。
どれを聴いても、私の感受性にマッチするものばかり。
これからも長く楽しませてもらえそうです。

Blondie『Apollo Theatre, Glasgow Live(Dec. 31 1979)』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1981

Debbie Harry

ブロンディ(Blondie)は、デビュー・アルバムから最近の物(最新アルバムは2017『Pollinator』)まで全キャリアを通して聴き続けている大好きなバンドなのだけど、これは大好き度をMAXレベルまで引き上げてくれたLIVE映像の話。

「擦り切れる程、何度も観た」というビデオテープがいくつかあります。
その中でも、断トツに観まくったのが、BlondieのLIVE映像。

時は、1980年暮れ。

第1回 MSGタッグリーグ戦を録画するために購入したVHSビデオデッキ。
当時本体価格30数万円、ビデオテープ1本5,000円程度、そんな時代。

家に届くやいなや、John Lennonが殺されてしまい、それにともなう特番のあれこれなどを録画するハメになるのだが・・・

そんな時期(1980年暮れか1981年はじめの方か?)に、突如テレビ東京で放送された、BlondieのLIVE映像(1979/12/31 Apollo Theatre, Glasgow)。
これが好きで好きでたまらなかった。

毎日のように観ては巻き戻し、また観るという繰り返し。
それは、ある意味、John Lennonの死によって深く傷ついた心を一時癒してくれる、そんな時間だったのかも知れない。

選曲は、3rdアルバム『恋の平行線』4thアルバム『恋のハートビート』から。
初期の曲も聴きたかったけど、この2枚のアルバムは、どちらも「ベストアルバムか!?」というほど良曲ぞろいなので、文句はありません。

何がそんなに私を魅了したのかと言えば、それは、(音楽や演奏はもちろん好きでしたが)デボラ・ハリーの魅力に尽きるでしょう。

一挙手一投足全てを見逃したくない、そんな気持ちで見ていました。

「Dreaming」で自分の頭を、ポンと軽く叩くような仕草が好きです。

※たぶん「夢見る事は自由よ」というアクション

「Shayla」を歌う時の憂いある表情が好きです。

「Union City Blue」で虚空を見上げ歌う凜とした姿が好きです。

「Pretty Baby」でステージのふちに座り客席に語りかけるように歌う姿が好きです。

なんと言っても一番好きなのは「Picture This」で、少し首をかしげるようにして宙を指差す姿。

デボラ・ハリーの姿を見ていると一瞬一瞬に胸がときめきました。

そうやってテープが擦り切れるほど何度も繰り返し見ました、という、今回はちょっと変態ヲタク的な話でごめんなさい。

この映像、現在は『Blondie at the BBC』(Amazon在庫切れでした、中古を探してください)という、超超超お得なCDとDVD2枚組で全編観る事が出来ます。
(他の映像やこのLIVE映像に収録されていないLIVE音源も)

たぶん、これを入手してDVDを観ても「どるたんがなぜこれほどまでにときめいていたのか?」は、分からないと思います。

きっとあの時、1980年暮れから1981年の私の心にJust Fitしただけの話。

この少し後にNHKで、BlondieとThe StranglersのPVを交互に流すという番組(たぶんヤング・ミュージック・ショー枠)も放送されて、それも録画して繰り返し見ました。主にBlondieを。

この頃の姿とは随分変わってしまった現在のデビーですが、私は今も変わらずに大好き。


ブリュノ・クレの映画音楽

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


2021

ブリュノ・クレ(Bruno Coulais)が作る映画音楽について強く意識したのは、2021年に配信で観た映画『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』に強く心をうたれ、その音楽にも深い感動を覚えたことがきっかけ。

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』映画オリジナル予告編

それまでブリュノ・クレという名前を特に意識していなかったのだけど調べてみると、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』以外にも、多くの映画音楽を手がけているフランスの作曲家だという事を知りました。

その中には、大好きな映画『コーラス』(2004年フランス映画)もあり、そういえばあの中で流れる曲達にとても感動した事を思い出し、どうしてその時しっかりと認識していなかったのかと、自分の注意力不足に軽くがっかり。
まあ、これはよくある事で、音楽のみならず、俳優の顔や、監督の名前など、二度三度と何かを感じる事があって、やっとしっかり認識する、というスタイル(スタイル?)。


映画『コーラス』予告編

上記2作品は、これまで観て来た映画の中でもかなり心に残っている映画で、それには映画自体の素晴らしさだけではなく、音楽の力の大きさも改めて強く感じます。

心の奥深いところにある、何かを呼び覚ますような音楽。
メロディーや音色、歌声や演奏に深い感銘を受けました。

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は、アイルランドのアニメ製作会社カートゥーン・サルーンの作品。
このカートゥーン・サルーンのトム・ムーア監督作品は、すべてブリュノ・クレが音楽を担当していて、どれも大好きな作品。

『ブレンダンとケルズの秘密』予告編

映画『ウルフウォーカー』予告編

これらの作品は、配信で複数回観ているのだけど、フィジカルでも欲しくなってしまう作品たち。
もう終活に入っているので、配信で観られるものはなるべく手元に置かないようにしているのだけど、配信頼りだといつ観られなくなるか分からないし、とか自分への言い訳です。

ブリュノ・クレという音楽家をしっかり意識してから、他にも多くのブリュノ・クレ作品を、SpotifyやYouTubeで聴いて(観て)きました。

どの作品も丁寧に作られた、心の奥に届く美しい音楽ばかりです。
その中で、上記の作品たちと同じくらい深く感銘を受けた音楽を、もうひとつ取り上げて、この項終わりといたします。

それは、映画『コララインとボタンの魔女』の音楽
下で紹介する動画は、エンドクレジット曲の生演奏ですが、劇中で使われる音楽全てが素晴らしいものです。





Van Morrison『Enlightenment』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1990

Van Morrison「Enlightenment」

Van Morrison『Enlightenment』(1990年発売)

はじめて(ほぼ)オンタイムで買ったVan Morrisonのアルバムがこれ。
その時私、もうじき30歳。

Van Morrisonの事はもちろん知っていました。
映画『Last Waltz』で観てたし、『Last Waltz』の3枚組レコードも持ってたし。

でも、本格的に聴き始めたのはここから。(遅っ!)

『Enligtenment』を輸入(UK)盤で購入。
すっかりやられました。

圧倒的な歌の力、声の深み、説得力。
そして演奏、音がとにかく心地良かった。
このアルバムは今でも、年に数回は必ず聴くアルバム。

そしてずぶずぶとVan Morrison沼にはまって行くのですが、この時期、一気に沼の奥深くまで引き摺り込まれるような、とても面白い出来事がありました。

某サイトで(15年も前に)日記として公開済みなのですが、ここに丸っと再掲して、この項終わりといたします。


『レコードの神様(第2話:Van Morrison)』

オレには、レコードの神様がついている。

そう思う事がこの人生の中で何度もあった。
30代の頃オレは、Van Morrisonの虜だった。

時代はCDに切り替わり、レコードは急速に姿を消していた。
当時、輸入盤で手に入れた「ENLIGHTENMENT」「No Guru, No Method, No Teacher」をむさぼるように聴いていたオレは、当然の事ながら、他のアルバムも聴きたくてしょうがない状態になっていた。

その頃、Van Morrisonの日本盤レコードは全滅廃盤。
初期の物はまだCD化もされていなかった。

オレは、輸入盤、中古盤店に行くと、必ずVan Morrisonを探した。
しかし、どこも品切れ、たまに見かけても高めの値段設定で、購入には踏み切れない。

悶々とした気持ちを抱え、Van Morrisonを求めて御茶ノ水あたりをさまよっていたオレは、中古盤店に入ると、いつものように「V」のコーナーを漁った。

ない。

一枚もない。

空しかった。

空ろな気持ちで足元を見ると、300円均一段ボールがいくつか転がっている。
仕方がない・・・
卑屈な気持ちで、体を丸め、床のダンボールを漁る。

「ん!」

「んんん!」

「何!?」

『AVALON SUNSET』ハケーン!」(なんて当時は言いません、今も言わないけど)

「うほ!マジ!?300円!」

ニヤケた。

心の底から喜びが込み上げた。

さらに漁ると

「んん!」

『WAVELENGTH』ハケーン!」

「300円!」

「2枚で600円!ってマジ?」

さらに

「ん!ん!ん!」

『BEAUTIFUL VISION』!」

「300円!」

「3枚で900円!」

はっきり言って、ちょっとしたエクスタシー状態でした。
よだれをたらしてたかも知れません。

しかも、さらにさらに、まだまだVan Morrisonのレコードは出てきたのです。

恍惚・・・

結局、その日、オレは7枚のVan Morrisonのレコードを抱え、満面の笑みを浮かべて帰途に着いたのである。

7枚で2100円!!

その頃、1枚でも、もっと高い値段がついてる店がほとんどでした。

今なら世界中の人にやさしくなれる。
もちろん地球にも。

そんな事も考えたかもしれません。

家に帰って『AVALON SUNSET』を、ターンテーブルに乗せる。

「ああ・・・・」
「至福の時」

買ったレコードは全て輸入盤。

しかし、ジャケットの中を見ると、なんと!
CDのライナーノーツが丁寧にコピーされて入っているではありませんか!!

ライナーノーツのコピーは、当時、日本盤CDが発売されていた物(上記の3枚)には、全て入っていました。

「ああ・・・・(マジ涙目)」

このレコードは、間違いなく、今日オレに巡り合う運命だったのだと思った。

「神様・・・」

「レコードの神様・・・」

オレは天井(天上)を見上げ、そっと手を合わせた。

ような気がする。


King Crimson 『クリムゾン・キングの宮殿』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1976

King Crimson 『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年発売)

これから語るのは、キング・クリムゾンがどうのこうのという話ではなく、このアルバムを初めて聴いた、私の心の中の話。


これを初めて聴いた時の衝撃は、もしかしたら、生涯で一番かも知れません。
(たぶん)高校1年の時、友人A君の家で聴きました。

灯りを落とした部屋で(もしかしたら蝋燭が灯っていたかも知れません)、けっこうな大音量で聴かされました。

そういう事をする人なのです。

暗い部屋に、ピー、ゴーっと小さなノイズ音が流れ、一体何が始まるのかと思った次の瞬間、鳴り響いたあの「21世紀の精神異常者」のイントロ!

「うわっ!」思わず声が出ました。

ちょっと震えたかも知れません。

「なんかすげぇ!!」と。

しばらくして歌が始まると、また「うわっ!」と声が出ました。

「すげぇ迫力!!なんか暴力的!なんだこれ!?」

ドキドキしながら聴いているとさらにたたみかけるようなインタープレイ。

「うわっ!」とまた声が出たと思います。

いやいや、ちょっと待って、何これ、ヤバっ!みたいな感じで、圧倒的な迫力にひれ伏しました。

たぶん心の中で「ごめんなさい」かなんか言っていたような気がします。

ドギマギとしているうちに「21世紀の精神異常者」は終わった、と思うやいなや、何!?、一転してこの優しく美しい音楽。

と「風に語りて」の美しい音色とメロディーに魅せられてしまうのです。

その後の展開も、まあ、すごいんですけど、とにかく衝撃というしかない。

あれほどの衝撃は、(音楽を聴くという行為の中では)ちょっと経験した事ありませんでした。

「うわっ」とか「ほお~・・・」とか「ふはっ」とか、メチャ声出たと思う。

また、そういう反応をするだろうと分かっていて聴かせているわけで、やられた感半端ない。

ビートルズに深く嵌り込んだのも中学2年の時に、A君と同じクラスになって色々聴かされたから。
(元々音楽は大好きで、ビートルズも気になっていたから、いずれは本格的に聴いていたとは思うけど、ひとりで聴いていたらもう少し緩やかに嵌っていたと思う)

その後、別の高校に進み、それぞれに多少違う傾向の音楽を聴いていたりもしたのですが、ここでまた、一発ガツンとやられちまったなぁ・・・と。


そんな出会いをしたKing Crimson
その後も、聴き続けてきました。
一番好きなアルバムは?と聞かれると、他のアルバムの名前をあげてしまう可能性もありますが、この時の衝撃は、未だに忘れがたく心に残っているのです。

色々な音楽を知った状態で聴いたら、例えば今これを初めて聴いたとしたら、これほどの衝撃は受けなかった事と思います。
折々に良い音楽に出会い、衝撃を受け、刺激を受け、音楽リスナーとして、本当に良い人生を歩んできた、歩んでいると感じています。感謝。

ヴァルトビューネ 1993~ロシアン・ナイト 小澤征爾&ベルリン・フィル

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1993

ヴァルトビューネ 1993~ロシアン・ナイト 小澤征爾&ベルリン・フィル

昨日、ブログで小澤征爾関連の本(『小澤征爾、兄弟と語る~音楽、人間、ほんとうのこと』読了)を取り上げたばかりですが、今日は、小澤征爾指揮、ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラのライヴ映像のことを。

上に掲載した写真はDVDのジャケット画像(DVDは持っていません)
私が観たのは(たしか)NHK-BSで放送されたもの。
録画して、何度も観ました。

1993年ヴァルトビューネ野外音楽堂での演奏。
この演奏会は毎年ベルリン・フィルが開催している野外公演で、別名ピクニック・コンサート。

昨日のブログでも少し書いたけど、1993年頃は、イタリアと日本を行き来していた頃、イタリアにいる時は何度となくクラシックの演奏会へ行っていて、クラシック音楽への興味が高まっていた。
そんな頃に放送された、このコンサートにものすごく感銘を受けました。

コンサートホールで体験するクラシックの演奏会とは全く違って、聴衆がとにかく楽しそう、TVで観ていても楽しくてたまらない。
そんなコンサート。
ピクニック・コンサートと呼ばれているように、家族連れ、カップル、友人グループらが、みな思い思いに、リラックスしてクラシック音楽を楽しんでいる。
音楽そのものにも感動したのだけど、その様子にも感銘を受けた。

また選曲が分かりやすく、誰もが耳にした事があるような名曲ばかりで、これなら本格的クラシック音楽ファンじゃなくても思い切り楽しめる。
ハチャトゥリアンの「剣の舞」あたりは、この夜の一大盛り上がりポイント。
音楽にも、聴衆の様子にも興奮した。

そして、アンコールラストの「ベルリンの風」(ヴァルトビューネ恒例締めの1曲らしい)では、聴衆は立ち上がり手拍子や口笛、指笛で演奏を盛り上げる。その様子を見て、クラシックをこんな風に楽しむ事が出来るのだという驚き、クラシック音楽を楽しむ事が出来る土壌、文化的背景への憧憬とともに、ゾクゾクするほどの感動を覚えた。


いつか、この場で一緒に音楽を楽しみたい、と強く思いつつも、機会のないまま、早30年以上。
人生いつ終わるか分からないので、どこかで思い切って出かけなければ、と思っています。
まあ、いくつになってもやりたい事が残っているというのは、良い事ではある。かな?

映画『バングラデシュのコンサート』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1975

何度観たか分からないほど観たDVD、Blu-ray化してほしい……

映画『バングラデシュのコンサート』(1972年日本公開)

1971年8月1日、ニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンで行われた、バングラデシュ救済コンサートのドキュメンタリー映画。日本では1972年に映画館で公開された(らしい)。

私が観たのは1975年。
中学3年生の時、同級生でビートルズ先輩のA君と2人で行った『ビートルズ映画祭』で上映されたもの。

当時のチケット半券

この映画は、映画としてだけでなく、音楽的な意味でも、間違いなく「私を形成しているもの」。

当時まだ、ボブ・ディランもエリック・クラプトンもレオン・ラッセルも、レコードを持っていない、それぞれの音楽をちゃんと聴いた事のない中学生でしたが、とにかくその姿に、音に、大興奮しました。

大体、ロックスターが動く姿を見る機会がほとんどない時代だったので、興奮度合いもものすごかった。

ジョージ・ハリスンの颯爽としたかっこいい姿!
エリック・クラプトンの渋い立ち姿!
レオン・ラッセルのド迫力の歌と演奏!
ビリー・プレストンのはじけっぷり!
リンゴ・スターがまたかっこいい!

アコースティックギター1本(とハーモニカ)だけで1人弾き語るボブ・ディランの存在感!
淡々とした歌いっぷりなのに、妙に心に刺さる、一度聴いたら忘れられない歌。

「女の如く」では両サイドに、ジョージ・ハリスンとレオン・ラッセルを従え、1本のマイクで「♪Just Like a Woman」と歌う場面に、思わず「おお!」と声が出るほどに興奮。

そこからラストにかけての怒涛のたたみかけがまたすごく「Something」で涙が出るほど感動し、そしてついにラスト、アンコールの「Bangla-desh」、ジョージの歌の迫力、演奏の迫力と一体感、すべてのアーティストの魂がひとつになって音を叩きだしているような迫力にぞくぞくするような興奮と感動を覚えた。
ジョージは歌い終わるとギターを置きひとり先にステージを降りる、そこから画面にはエンドロールがかぶり、演奏がさらに高まる。映画が終わったあとも実際にコンサートを観終えたかのような興奮状態が続いていた。

ロック免疫ゼロの中学生にとっては、それほど大きな衝撃だったのだ。

その後しばらく興奮状態はつづき、ほどなく中学生にとっては大変高価な3枚組LPレコード『バングラデシュのコンサート』を購入。

そして、そこから徐々に、ボブ・ディラン、レオン・ラッセル、エリック・クラプトンらのレコードを買い集めるようになり、さらにジェシ・エド・デイヴィスやビリー・プレストン、さらにさらにそこから派生してデラニー&ボニー、ジョー・コッカーなども聴くようになる。
ただ、そちら(スワンプロック)方面だけにズブズブと深くはまり込むわけではなく、同時にプログレやグラムロックも好きになっていったので、広く少しだけ深く様々なロック系音楽を聴くようになっていくのでした。

そういうわけで、ロック音楽への道標にもなった映画、私にとって特別な意味を持つ映画と言えるのです。



Ewa Demarczyk『Live』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1992

Ewa Demarczyk『Live』(1992年日本発売)

今日は、一日中はっきりとしない天気で、体調的にもスッキリとしなくてちょっとだけ陰鬱な気分。
そんな日中、少し落ち着いた気持ちで音楽でも聴こうと、紅茶をいれ、このEwa Demarczyk(エヴァ・デマルチク)のCDをかけた。

そして、かなり集中してCD1枚を聴きとおした。
このCDを購入したのは、1992年頃、新星堂のOMAGATOKIレーベルから発売されてすぐの頃だと思う。
新星堂店頭の試聴用CDプレーヤーにセットされていたものを聴いて魅了され。即決でCDを購入。
Ewa Demarczyk(エヴァ・デマルチク)の事はそれまでまったく知らなかった。

ポーランドの代表的歌手で、このアルバムは1979年のLIVEが収録されている。
日本では、1992年発売までまったく紹介されていなかったらしい。

このアルバムには、すごく嵌って、購入後~今日に至るまでかなりの頻度で聴き続けている。
海外出張時や入院時にも必ずと言っていいほど携帯していた。
間違いなく「私を形成している」音楽のひとつ。

このCDを買った頃には、Ewa Demarczyk(エヴァ・デマルチク)の情報はほとんどなく、CDのライナーノーツだけが唯一の情報源だった。

ポーランド語(など)で歌われる歌詞は全く理解出来ないので、訳詞を食い入るように読みながらCDを聴いた事も一度や二度ではない。
特に、1曲目「静かな歌」、2曲目「トマシュフ」がたまらなく好きで、その2曲を聴いた回数は、他の曲達を大きく上回っている。
他の曲も大好きだけど、集中して聴く時間がない時などは、はじめの2曲だけ聴くという感じで。

言葉は分からなくても、その歌を通して伝わってくるものはとても大きく、心が震えるような瞬間を何度も味わった。

このアルバムに収められた曲の歌詞は、いわゆる音楽のための歌詞ではなく、詩人の書いた詩が使われていて、Ewa Demarczykは、その詩を大事に大事に表現している、そんな気持ちが伝わってくるようだ。


このCDの事を以前SNSで取り上げたところ、数人から、「私も持っています」「私はアナログ盤で持っています」などのコメントがあり、驚きと喜びを禁じえませんでした。というのも、Ewa Demarczykを知っている人自体周りに全くいないと思っていたので。そのコメントをしてくれた方々は(SNS以前から)リアルでも繋がっていて、なんと周りにいたわけです。こういう音楽について語り合える人がふつうに周りにいる事が本当に有り難い。

最後にその時のSNSへの投稿を転載いたします。


2017年9月26日

今朝は、コーヒーのお供に、これを聴いていました。

Ewa Demarczyk(エヴァ・デマルチク)のLive。

先日、Scott Walker – TILTを聴いているとアップした所、ある筋から大変心配していただいたのですが、大丈夫です。病んでません!(笑)

これもScott Walker同様、夜に聴くとしっくりくるような惹き込まれる音楽ですが、朝に聴くのもまた一興。

(しかしこれから働きに出るぞ!という方々には、ふさわしくないかも知れません)

エヴァ・デマルチクという方は、ポーランドの女性シンガーで、私がこのCDを入手した頃は、全くと言っていいほど情報が無く、新星堂が輸入販売してくれた、このCDのライナーノーツが唯一の情報源でした。

どんな容姿かも、ジャケット写真以外では全く知る由も無く、それが今や、YouTubeでLIVE映像まで観る事が出来るという・・・

それはとてもうれしい事なのですが、情報のグローバル化によってミステリアスなものが消えて行ってしまうのは寂しくもありますね。

(プロレスの世界で言えば「まだ見ぬ強豪!」的な、わくわく感も無くなりました)

なんとなく手にしたこのCDですが、一時、ものすごくはまっていました。

そんなはまりまくっていたある日、偶然つけたテレビからこのアルバムの1曲目(大好き!)が流れてきて驚愕した思い出があります。

それは東京12チャンネルの音楽番組で、なるほど、新星堂が提供していたものです。

番組名を忘れてしまいましたが、とても素敵な音楽番組でした。

あっ!そうか。

ちょっと待てよ・・・とばかりに、今、YouTubeで「新星堂 エヴァ・デマルチク」と検索したところ、出てきました。

なんだかすごいな・・・テクノロジー。

『新星堂 EVER GREEN MUSIC』という番組でした。

これ関東地方在住(当時)のお友達は、知っている人もいるのでは?

Steeleye Span『Now We Are Six』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1980

Steeleye Span『Now We Are Six』(1974年発売)

Mike Oldfield~The Sallyangie辺りから、徐々にブリティッシュ・トラッド系の音楽への思いが強くなり始めた1980年頃。
巷に流れるMTV系ヒット曲や産業ロック等に背を向けるように、輸入レコード店片隅のブリティッシュフォークやトラッドといったコーナーを漁るようになる。
そんな頃、手にした1枚がこれ。
Steeleye Spanという名前は知っていたけれど、それ以上の知識は特になく、ジャケットに魅せられて購入。

Steeleye Span、はじめの1枚としては大正解だったと、今でも思う。
エレクトリックな音は控えめで、美しいハーモニー、アコースティックの音色が気持ちよく響く曲が多いから。
でも、聴き直してみると、やっぱりエレクトリック・ギターの入っている曲もそれなりあって、そういうのは若干苦手かな・・・
このアルバムを初めて聴いた頃は、そんなに苦手感なかったのだけど、古楽を熱心に聴くようになってからは、苦手感が強まった気もする。

当時、あまり情報も無い時代、完全なジャケ買いだったのですが、買ってしばらくしてから、ジャケット裏の(ゴチャゴチャして見づらい)クレジットを眺めていたら、David Bowieの名前がある!?
えっ!?
私、David Bowieの大ファンなのですが。
全く知らずに引き当てるあたり、運が良いと言うか、引きが強いと言うか、とにかくラッキー。

このアルバムに収められている曲は、ほとんどトラッド曲なのですが、ラストの曲で、フィル・スペクターの「逢った途端にひとめぼれ」(To Know Him Is to Love Him)をやっていて、そこでサックスを吹いているのが、なんとDavid Bowie。
若干ヘタウマっぽくもありますが、味のある歌心溢れる音を聴くと「ああ、Boiweが吹いているんだなぁ・・・」と、その姿が頭の中に浮かぶような気さえしてきます。(大ファンですから)

もうひとつ、クレジットを読んで気がついたのは、このアルバム、(Jethro Tullの)Ian Andersonがプロデュースをしているそうな。
へ~って感じ。

なかなか面白いアルバムを引き当てた物です。

このアルバムで、1番好きな曲は「Long-a-Growing」
たまにこの曲だけ無性に聴きたくなってレコードを引っ張り出していたほど。


この後、Steeleye Spanは、アナログ盤で14、5枚は買ったかな。
一番はじめに買って、一番聴き込んでいるという面もあるかも知れないけれど、やはり、このアルバムが一番好き。

そして、さらに、ずぶずぶとブリティッシュ・フォーク系音楽の深みにはまっていくわけです。


これは、既に「私を形成しているもの」で取り上げていますが、2007年に、これまたラッキーな展開から、このSteeleye SpanのVocal、マディー・プライヤー(&ザ・カーニヴァル・バンド)の来日公演も見る事が出来ました。
MADDY PRIOR & THE CARNIVAL BAND LIVE