さて、1月10日から始まった抗がん剤治療に関して、帰宅後にざっと初日の様子をブログにあげました(初日 )。
今日は、ちょっと詳しい内容とその続き。
抗がん剤治療の初日は、点滴で抗がん剤投与。 その後、2週間朝夕食後に錠剤を経口投与。 その後、1週間はお休み。
という3週間1クールの繰り返しを8回、まず半年続けるというスケジュール。
初日の点滴自体は2時間程度と聞いていたので、朝行って、遅くなったとしても午後2時頃には家に帰れると思っていたのだけど、終わって家に着いたのは夜8時過ぎという事は前回書きましたが。
まあ、色々舐めていました。 という反省談を、自分自身の戒めのためにも、万が一同じ状況になった人への軽いアドバイス(になるかどうかは分からないけど)としても、書き記しておきます。
なんだかんだで、点滴が始まったのは15時頃(だったかな)。
この時点でかなり疲れていたので、点滴をしながら眠る気満々。 しかし、点滴室はリクライニングチェアで座って点滴を打っている人たちの姿が。 「ベッドじゃないのか~」と一瞬落胆したけど、初めての抗がん剤投与という事で、ベッドに案内され心の中でガッツポーズ。
そもそも私は点滴が大好き
という事を過去にブログで書いています。(2023年元日 ) 長い投稿なので、点滴の部分を抜粋すると
そして、こんな事を言うと、重病などで長期入院しているような方に申し訳ないのですが、あくまでも私の場合として聞いて下さい。私、謎熱で入院するのが大好きでした。
というのは、入院中だけは、夜、眠る事が出来るのです。 しかも昼間もいくらでも寝ていられるのです。 特に点滴されながらスーっと眠りに落ちていく時間に、本当に幸せを感じていました。 これまで眠れなかった分を取り返すかのように眠りまくるのです。
ただ、これまでの栄養補給系の点滴と違ってスーッと気持ち良く眠れるようなものではないのかも?と軽く分かってはいたつもりでした。
とはいえ、疲れていた事もあり、やはり点滴開始後気持ちよく眠りに落ちていく私。
何度か、看護師さんが「気分悪くないですか?」「痛みやしびれは大丈夫ですか?」と声掛けしてくれるのだけど、ぼんやりした頭で「大丈夫です」「問題ないです」と答え、また眠りに落ちる。
もしかしたら、この時点でかなり体に違和感はあったのかも知れないけど、私のボンクラ脳は「点滴大好き」という妙なポジティブ感に支配されていたのか、まったく問題なく、快適に点滴を終える事が出来たのです。
これがいけなかった!
点滴を終える頃に看護士さんが色々と副作用の説明をしてくれました。 説明というよりも雑談に近い感じで分かりやすい例をあげて親身に話してくれる感じで。
「冷たいものを触ると指先がすごく痛くなって、冷蔵庫のドアや中の物に触れないみたいな、生活に支障をきたす人もいます」 「この時期だと外に出ると冷たい空気に触れて頬が痛いという人もいます」
なんて事を、もっと色々と例をあげて、注意した方が良いですよ、と話してくれていたのだが、私まったく他人事のように聞いていたようです。
それを実感するのに時間はかかりませんでした。 ベッドから立ち上がり特にどこにも異常を感じることなく病院の外に出た私。
病院の玄関前にある彫像がライトアップされていたので、ちょっと写真を撮って行こうと、呑気にスマホを取り出し1枚。
ほんの30秒ほどの事だったと思うのだけど、突然指先に強烈な痛みを感じる。 「いててて!」と声が出るレベルの痛み。
「冷たい物や、冷たい空気に触れると痛みが出る」と言われていた事をしっかりと実感した瞬間です。
慌てて手をポケットに突っ込み小走りに車へと急ぐ。 すると、今度は冷たい風にあたった頬がピリピリと痛み出す、看護師さんに言われたやつじゃん!
ほどなく車にたどり着き、まだまだ事の深刻さを理解していない私のボンクラ脳はポケットから手を出し、車のドアノブへと手を伸ばす。
「いて!!!」けっこう大きな声が出たと思う。 静電気やビリビリペンどころの痛さではなく、なんと表現してよいのか、とんでもなく冷たい物に触れたような感覚で、とにかく痛かった(語彙力)。
しかも、その強烈な痛みはけっこう後を引く痛さ、痛みが引いた後もジンジンするようなしびれ感は続く。
ここでようやく手袋を身に着け、注意深く行動しないと、とんでもない目に合うという事を理解した私のボンクラ脳。
自宅に帰った後も、注意深く行動していたにも関わらず、いくつか痛い目にあっています。
それはまず家に入った瞬間。 フローリング(風)の床にスリッパも履かずに歩を進めてしまった私。 靴下越しにも「なんじゃこりゃ~!?スケートリンクか?」というほどの冷たさ。 慌ててホットカーペットのある部屋に小走りで向いスイッチオン。
手洗いも、うがいも出来なかった。 が、これは結果的にラッキー。 いつものように、洗面所に向かっていたら水でうがいして、水で手を洗っていた事でしょう。
少し落ち着いてから、キティちゃんの靴下 に履き替えて、お湯でうがいと手洗い。
その後は、まあ冷たい系の痛みは回避出来ていたかと思われましたが、次に声が出るほどの痛みを覚えたのは、トイレにて。
ドアをあけ、便座カバーをあげるところまでは手袋をしていたのでOK。 その後、手袋を外し小さな用を足し終え、水を流す。
タンクの上から出る水で軽く手を流し、ペーパータオルでさっと吹いた後、キッチンの水場で石鹼でよく洗うのがいつものルーチン。
いつものように水で軽く洗おうと、手を伸ばし水に触れた瞬間「いて~!!」と、かなり大きな声が出ました。油断してました。水では手も洗えないのか!?
その後、トイレでは手を洗わず、ペーパータオルを持った手で水を流しドアを開け、キッチンの湯沸かしで洗うというルーチンに変更。
しかし、本当に舐めていたのですね、私。
冷たい物に関する知覚が強烈に過敏になっています。 これほど痛いとは!!
冷たい系だと、翌日の昼間、おやつにバナナを食べようとした時にも痛みを感じました。 バナナはふつうにキッチンの果物かごにあった(ちょっと寒いけど)常温のもの。
一本手にした瞬間 「いてっ!!これ釘打てるバナナじゃないの!?」 という感覚。これにはびっくり。バナナまでもが牙をむくとは。
冷たくて痛い系で印象的だったのは、こんなところですが、他にもいくつか書き留めておきたい事象がありました。
「冷たい物を飲むと、喉が閉まったような感じになって、中には過呼吸のようになる人もいる」という話を看護師さんから聞いていたけど、常温の水でもアウトでした。喉がキューっとしまって何かが詰まっているような感覚。
なんでも温かいものしか口に入れられないかも。
あと薬を飲む時に、いつまでも喉に引っかかっているような違和感があります。 喉が閉まっていて、実際に飲み込めていないのか、違和感だけが残っているのか、よくわからないけど、とにかくいつまでも喉の途中に固いものがとどまっているようで、気持ち悪く、毎回、大量にぬるま湯を飲んでいます。しばらくすると違和感は消える。
もう一つ食事の時に、口を開けると顎の関節がかなり痛い。左右両側ともに。 何度か口を開け閉めすると痛みは消えるのだけど、初めの一口は毎回かなり痛くてつらい。
この事例は聞いていなかったので、ちょっと検索してみたら、まったく同じ事象が日経メディカル に掲載されていました。
あとは、今回点滴を打ったのが左腕だったのですが、2日目の朝になってもまだ左の腕全体がしびれているようなジンジンとした感覚が続いています。若干動かしづらい感じも。 指先もちょっと変な感覚が続いています。
点滴後ほどの激痛は感じなくなったけど、これから2週間薬の経口投与は続くので、完全に収まる事はないのでしょうね。
喉の違和感、声が出しづらい感覚もあるし、これはギターを弾きながら歌う人としては、(今現在の状態では)かなり致命的。
まあ、まだ2日目だからなんとも言えないけど、これを克服して音楽活動をしている人も周りにいるので、心強い。
私もまったく希望は失っていないので、大丈夫。 焦らず、しっかりと、整えていきます。
余談ですが、付き添ってくれたマネージャーは、お父さんを胃癌で亡くしていて、抗がん剤治療時のつらそうな様子も見ていたとの事で、点滴後の私がふつうに、というかむしろ元気そうに歩いている事にまず驚いていました。
そして、食事もふつうに摂れている事、食欲が全く衰えていない事にも驚きを感じていたようです。
まあ、当時より抗がん剤も改善されている事でしょうし、単純には比べられないけど、とりあえずは軽くて良かった。
もうひとつ余談を、抗がん剤というとどうしても考えてしまう問題について看護師さんが説明してくれました。それは抜け毛。 医師からも、この薬は抜け毛はあまり心配ない、との説明を聞いていました。 その時、私がはじめに思った事は「ブログネタがひとつ減って残念」という事。 真剣に悩んでいる方には申し訳ないのだけど、私がもし丸坊主になったら、62年ぶりの丸坊主なので、その時、写真館で撮った丸坊主(かつ丸裸)写真と並べて、63歳丸坊主写真をブログに掲載しようと思っていたのです。 看護師さんからは「多少抜け毛の可能性もあるので、その際には色々相談出来る窓口も・・・」と話がありましたが「大丈夫っす!抜けてもハゲてもOKっす!」と返事しておきました。