Category Archive : MUSIC

Kate Bush 1979 Christmas BBC TV Special

1979年、BBCがクリスマス特番として放送した、Kate Bushのスタジオ・パフォーマンス。

これまでに、断片的に見たり聴いたりしてきたのだけど、(それなりに)しっかりとした画質の物が最近YouTubeにあがっているのを発見。
はじめて全編通して、それなりの大画面でそれなりの音質で、集中して観る事が出来ました。

中でも嬉しかったのは、Peter Gabrielのエレピ弾き語りによる「Here Comes The Flood」

この番組にPeter Gabrielが客演している事は知っていましたが、1人で弾き語りをしているシーンがある事も知っていたような気がしますが、そして、さらに言えば、この場面を観た事があるような気がしますが、なんとなく失念していました。(老人力)

この失念した事、実はまったく悪い事ではなくて、むしろ良き事。
「おお!ピーターさんの弾き語りでHere Comes The Floodを観る事が出来るとは!!」
という軽い驚きと喜び。
でも、少ししてから「なんとなく、観た事あったかも」とも思うのだけど「まあ、いいか」みたいな。

それでも、この番組自体を、ちゃんと通して観るのは初めてなので、やはり、その中で、この弾き語りを観る事が出来た喜びは大きなものでした。

『Peter Gabriel(1)』に収められた「Here Comes The Flood」も好きだし、Robert Fripp『Exposure』に収められた「Here Comes The Flood」も大好きだけど、この「Here Comes The Flood」は、正真正銘ピアノだけの弾き語り。
よりピュアで(良い意味で)プリミティヴ、心に残る演奏と歌でした。

もうひとつ、とても心に残ったのは、Kate Bushのグランドピアノ弾き語りによる「The Man With The Child In His Eyes」

こちらも、ピアノだけによる弾き語り。大好きな曲をこういう形で、聴かせてもらえるのは、本当にありがたい。スタジオアルバムでの完成されたアレンジももちろん素晴らしいのだけど、歌本来の力みたいなもの、この曲が生み出された時の形、そういうものがストレートに心に伝わってくる。

このクリスマス・スペシャル、興味深い、面白いパフォーマンスは色々観られたのだけれど、何よりも心に残ったのは、この2つの弾き語りだったというのは、私らしいというか何というか、そういう感受性なので仕方ないっすね。
せっかく凝ったパフォーマンスを色々披露してくれたのに、なんか、ごめんなさい。

しかし、この動画をYouTubeにあげてくれた人に、ひとつだけ言いたい事がある。
せっかく(BEST MASTER)と謳っているのに、画質が480Pなのよ。
しかも、アップしたのは、つい最近。
ずーっと前にアップされたものなら480Pでも仕方ないと思うのだけど。
HD 1080Pぐらいには、ふつうに出来たのでは?

まあ、でも、大画面で観ても、それなりに観られたので、良しといたしましょう。
ありがとうございました。

アトリエよぎ『究極の一曲day4』報告3

一昨日の11月23日、青梅 アトリエよぎ『第4回 究極の一曲day』に参加してきました、というブログの第3弾。
第1弾は、こちら「アトリエよぎ『究極の一曲day4』報告1(速報版)
第2弾は、こちら「アトリエよぎ『究極の一曲day4』報告2

前2回で、やっと、ひづめ☆つかさによるオープニング曲「あなたの心に」まで、辿り着いたわけですが、ここからは、サクサクいきますよ!

さて、この日の出演は総勢13組、私はその13番目に演奏予定。

希望としては、早めに演奏して、あとは心置きなく皆様の演奏を楽しみたいと思っていたのに。
しかし、自分の出番が終わるまでは、気楽に楽しめないのですよ。
そして、自分の出番が終わったら、もう誰も演奏しないという、要するに気楽に楽しむ事はまったく出来ない、13番目の私。

と言いつつ、緊張しながらも、楽しませていただきました。
今回は、いつもの(ある程度)気心知れた常連組だけではなく、はじめましての方も5組(かな?)。

常連組は、やるたびに腕をあげているし、趣向を凝らしてくるし、何よりも、ステージを務める心が強くなっているように感じて、さすがだな、と、思って観ていました。

はじめましての方も、皆さんしっかりと聴かせてくれて、歌に込めた気持ちが感じられるステージ。

って、別に審査員目線でも、批評家的な上から目線でもないのですが。

そして、この日、特筆すべきは、橋本はじめ初参加!
12月1日にひづめ☆つかさとの伝説的バンドQ/Cの復活LIVEを行う、あの、橋本はじめ!
プロです。
以後、橋本プロと表記します。

出番は、私の前の前、11番目。
当初、1番~11番を勝った順に選ぶという事になっていました。
橋本プロは、私と逆にジャンケンで1番勝って真っ先に11番を選んだのだけど、きっとそれは「私トリを務めます!」という意気込みで11番を選んだのだけれど、途中でミスが発覚、13番がラストとなり、ジャンケンで一番負けた私が13番目になったという流れ。

さて、その橋本プロの用意してきた「究極の一曲」
なんと!橋本プロの前に出た10番目の出演者と被っていました。
先にやられてしまった!!

さて、どうなる!どうする!橋本プロ。

一応、この企画「他の出演者と被ったとしても、その人なりの究極の一曲を表現すればOK!」という取り決め的なものはあるのだけど、さすがに前の人と同じ曲をやるのは気が引けるって事で、急遽、つかさと相談をはじめた橋本プロ。

そして、2人で披露したのが・・・

古井戸の「ポスターカラー」

これは、すごい!しかしズルい!!
というのは、ひづめ☆つかさも、橋本はじめも、古井戸の加奈崎さんと一緒にやっているんですよ。
橋本プロにいたっては、加奈崎さんと2人で古井戸2000として活動していた人!
要するにプロが自分の持ち歌を披露してくれたようなもの。

いいもの聴けた~!

と思いつつも、自分の出番が迫ってきて気が気ではない私。

12番目の方は、はじめましての方。
この日から、アトリエよぎに導入されたYAMAHAのキーボードを使った弾き語りで「アタックNo.1」を披露!
はじめる前に「本職(橋本プロと私のこと)に挟まれて・・・」と言っていたけど、堂々たるものでした。
客席もあたたまりまくり。

で、いよいよ、私。

本当に選曲に失敗しました。
せっかくあたたまった客席を、シラっとさませてしまうような曲を選んでしまった。
トリになると知っていたらRCの「雨上がりの夜空に」かなんか選んでいたと思うのだけど。

しかし、これだからジャンケンでの順番決めは面白いとも言えるわけで、下手なりに、しっかりと心を込めて、大好きな歌を歌いました。

曲は、渚ゆう子で「京都慕情」
(↓超チラ見せ動画)

この曲で、この日の『第4回 究極の一曲day』は終了。
なんかすまん!

でも、がんばったし、楽しかったし、ほんと良いイベントです。
次も参加する気満々。

この写真、左隅に写る橋本プロが、審査員というか、プロデューサーというか、そんな雰囲気を醸し出していて、ちょっと怖い(笑)

という事で、報告ブログも予告どおり、3回目で終了~
あんまりサクサクいかなかったけど。

あ、サクサクいかなかったついでに、もう一つ余談を思い出しました!!

それは、私の前に出演して、キーボードで「アタックNo.1」を演奏した方。
終演後に、話しかけてくれたのですが、なんと、その方、前日までは、つかさのギターで「京都慕情」をやる予定だったとか。
しかし、この日からキーボードが導入された事もあり、弾き語りでの「アタックNo.1」にしたそうな。
もし、キーボードがなかったら、私も橋本プロ同様に前の人との曲被りになっていたという展開。
ラスト4組ですごいドラマがありました。

という事で、みなさま、おつかれさまでした、ありがとうございました!






アトリエよぎ『究極の一曲day4』報告2

一昨日の11月23日、青梅 アトリエよぎ『第4回 究極の一曲day』に参加してきました、というブログの第2弾。
第1弾は、こちら「アトリエよぎ『究極の一曲day4』報告1(速報版)

第1弾は、14時にジャンケンで順番を決めて、さてスタートという所まで書いて、力尽きて寝てしまいました(苦笑)。

今回は、そのつづきから書くつもりでしたが、その前に!ひとつ、書きたい事を思い出した。

10時過ぎに家を出て、車で青梅へと向かいました。
その際、ふだんは豊岡街道から行くのだけど、なんとなくほんの少し遠回りの茶畑の中の道(茶どころ通り)から行きました。
なんとなくというか、豊岡街道の方が信号が多いから、スムーズに走れる茶どころ通りを選んだというのが正直な所。

すると、茶畑の向こうにドカーンと大きく、真っ白く雪化粧をした見事な富士山が見えました。
しばらく茶畑の中、正面ちょっと左に富士山を見ながらの、超快適ドライブを楽しみつつ、青梅へ。
最高!すごくラッキー!メチャ良い事ありそう。
(もちろん写真はありません)

そして、アトリエよぎから一番近いコインパーキングへ車を入れる際も、一瞬「満車?」と思ったら、一番奥の死角になっていた所に、一台分だけ空きがありました。ラッキー!

と、会場入り前から、ラッキーの連続!
さて14時『究極の一曲day』まずは、じゃんけんで順番を決める。
すると、ジャンケンに全敗。出番はラスト。別の言い方をすればトリ!
ダメじゃん。

この辺は、報告ブログ第1弾(速報版)に書きましたね。

では、ここからが本当の報告ブログ第2弾。(前置き長過ぎ)

第4回目となる『究極の一曲day』は、これまでで最多、オープニングのひづめ☆つかさを入れて13組がエントリー。

スタートを前に、アトリエよぎの薫さんから、『究極の一曲day』趣旨説明、注意事項的なアナウンスと「宣誓」があり、いよいよスタート。

毎回、オープニングはつかさ(本人曰く前座)と決まっています。
今回つかさが選んだ曲は、中山千夏「あなたの心に」
素晴らしい選曲!大好きですこの歌。

私は、翌日、この選曲に驚く事になるのですが、この時はまだそれを知りませんでした。

翌日何があったのかと言うと
録音してあった23日放送分のNHK FM「歌謡スクランブル」都倉俊一作品集を聴いたところ一曲目がその中山千夏「あなたの心に」だったのです。

これには驚きました。調度、(つかさの歌に触発されて)中山千夏のオリジナルを聴きたいと思っていた所でもあったし。
何より、この「歌謡スクランブル」23日14時からの放送で、1曲目が「あなたの心に」

『究極の一曲day』も23日14時スタートで1曲目が「あなたの心に」

「こんな偶然ある!?」
そして、この偶然に気付いたのは、きっと世界中で私ひとり。

都倉俊一の曲を特集したラジオ番組って、けっこうよくあるのだけど、1~2時間程度の番組だと「あなたの心に」は割りと無視されがちなので、これは本当に驚いたし、嬉しかった。

なんせ都倉俊一の大ヒット曲ものすごくたくさんあるのでね。
この日の選曲でも、ピンク・レディーだけで4曲取り上げていたし。

おっと余談が長すぎてなかなか本編が始まりません。

あまりにも長くなったので、今日はこの辺で。
って、第1弾は、ジャンケンまで、第2弾は、オープニングまでって、どんな大長編ブログになるのやら。
いや、次回、第3弾で、終わらせるつもりで書こうと思っています。
また途中で余計な事を思い出したりしない事を祈りつつ、今回はここまで。
では、また次回!





出力レベル4~5

昨日のブログ「アトリエよぎ『究極の一曲day4』報告1(速報版)」のつづきは、ちょっと置いておいて、とりあえずは、昨日自分自身について感じた事を書いてみる事にしました。

昨日、青梅アトリエよぎにて、どるたん with エイジの音合わせ。
そして『究極の一曲day』へ参加して、一曲披露。

音合わせに関しては、全体の構成を確かめる事が目的でもあり、歌の出力は抑え目。
LIVEで、例えば「悪魔を憐れむ歌(日本語版)」辺りを歌う時の出力レベルを10とするなら、レベル4~5と言ったところ。

『究極の一曲day』で歌った歌も、あまり大きな出力を必要としない歌なので、レベル4ぐらい。

それでも、声を出す事、歌を歌う事が(ほぼほぼ)問題なく出来る事に安堵しました。

11月7日に手術をして、その後数日は、全身麻酔の影響(麻酔薬を吸い込むから)か喉が変な感じ、及び手術跡が痛くて、かすれた小さな声しか出せず。
11月15日に退院した後も、お腹の手術跡周辺が痛くて、腹式呼吸で歌を歌うのはほぼ無理って感じだったのに、一日一日、目に見えて回復してゆく体にある種、畏敬の念みたいなものまで感じました。自分の体なのに。

手術後の1週間も毎日「昨日と違う私」みたいなものを実感していたし、さらに退院後1週間で、人前で歌えるまでに回復。
1曲だけど。
出力レベル4だけど。

究極の一曲day(出力レベル4)

出力レベルといえば、不思議軍(バンド名)時代のリハで、ベースのルイスがPAさんに「この人(私のこと)本番は倍ぐらいの声量になるから注意して下さい」みたいな事を言っていたのを思い出しました。

不思議軍


リハで抑えて歌っているわけではないのだけど、本番になると、何か変なスイッチが入る傾向があるみたいです。私。

そんなこんなで1週間後には、本番を迎えます。


今日から、さらに1週間、しっかり体調を整え、回復を図る所存。
オープニングアクトで20分程度のステージなので、まだまだ完全復活というわけではありませんが、ラストの曲までには、レベルメーター振り切るぐらいの声を出せると信じています。


アトリエよぎ『究極の一曲day4』報告1(速報版)

本日、青梅 アトリエよぎ『第4回 究極の一曲day』に参加してきました。

前回、無念の不参加となり、連続参加は途切れましたが、今後も出来る限り参加するつもり。

14時にスタートなのだけど、私は11時入り。
ちょっと無理言って開店前のアトリエよぎで、エイジと2人、12月1日用の音合わせをさせてもらいました。

どるたん with エイジ
12月1日(日)吉祥寺 MANDA-LA2
『Q/C 再び』のオープニングアクトを務めます。

いい感じで仕上がりました!
12月1日ぜひご来場ください。

その後、絶品!クリームシチューで腹ごしらえをしつつ、開演を待つ。

しかし、どるたん with エイジの写真も、絶品クリームシチューの写真もない。
毎日のようにブログを書いているのに、なんで写真を撮るとか、写真を撮ってもらう、という事に頭が働かないのでしょうか?
ダメな私。

さて14時、ジャンケンで順番決め!
第1回の時は、ジャンケン全勝でトップバッターになった私。
今回もなるべく早めの出演を期してジャンケンに臨みました。
しかし、結果は、全敗で出番はラストに。

TOPかラストか、ってなにもかもが極端な私らしいっす。

しかし、ラスト。言い換えればトリを務めるとは思っていなかったので、選曲失敗しました。
持ち歌的なものとは程遠い、「女性Voの曲で自分には合わないと思うのだけど、この曲大好きなので。どうにか歌ってみました。」的選曲、しかもしっとり系。
トリになると知っていれば、こういう選曲にはしなかったはず。
最後盛り上がる選曲にしただろうな~、残念。
まあ、でも、大好きな歌なので、がんばって歌います。と気持ちを切り替えました。

すんません、なんか疲れてしまったので、速報版1は、ジャンケンで順番決まりました、って所までで。
つづきはたぶん明日書きます。
ごめんなさい。
ちょっと早いけど、おやすみなさい。






Rock’n’ Roll With Me

12月1日、吉祥寺MANDA-LA2でのQ/Cのワンマン公演『Q/C 再び』

私(どるたん)は、エイジ(今野永士)と2人、どるたん with エイジとしてオープニングアクトを務めます。
しばらくLIVE活動を休んでいたので、復帰LIVEみたいなところもあるけど、20分程度のステージなので本格復帰という感じではなく、ちょっとだけ復帰LIVEです。

本格復帰は、どるしゃあワンマンか、ソロか、まあとにかく、もう少し先の話。

とはいえ、中途半端な事はいたしませんので、ご安心を!
しっかり全精力、精神力を傾けたステージにいたします。
そして、しっかりとメインのQ/Cへと繋げる良いステージにする所存。

そんな12月1日に向けて選曲を考えているのだけど、どるしゃあ曲はやらない方向で、不思議なバレッツ曲もなんとなく違う気がするし。

で、ちょっと、この辺どうかしら?と思いついたのが、洋楽の日本語カヴァー系。
少し前に、こんなブログ(Bob Dylan – Just Like a Woman 日本語カヴァーと小尾隆さんの事)も書きましたが、レパートリーが他にも色々あるのです。

オープニングアクトでもあるし、あんまりオリジナルをガツンとやるよりも、こういうのも悪くないんじゃない?みたいな気持ちで。

そんな中で候補に考えているのが、この曲。

David Bowie 「Rock’n’ Roll With Me」の日本語カヴァー
この歌詞は、40代後半で心筋梗塞になって以降、色々と環境や生活面が変わったのだけど当時の心境、そして変わらずにある大切なもの、そんな事を歌っていて、今、また、改めてこの歌を歌いたい、という気持ちになっているので、これは、12月1日の選曲、第一候補かな、と。

まあ、まだ少しばかり時間もあるので、気が変わる可能性も大きいけど、とりあえず上の動画を見て下さい。
「12月1日にやって欲しい!」とか、感想的なものでも聞かせてもらえたら嬉しいです。

では、12月1日、お楽しみに!!

「boy」どるしゃあLIVE動画公開

今朝、私の一日は、谷川俊太郎さんの訃報で始まりました。
92歳という年齢、そして(長男)谷川賢作氏のポストで知った「穏やかな最後だった」という事もあり、大きな悲しみではなく、逝ってしまわれたのだな、という感慨みたいなものが込み上げてきました。

と同時に、私の友人知人たちの多くが、谷川俊太郎さんを悼む言葉をあげていて、私の仲間たちは同じようにしっかりと谷川俊太郎の言葉を受け止めて生きてきたんだな、という喜びにも似たあたたかい気持ちになりました。

そんな日に、どるしゃあのLIVE動画を1本、久しぶりにYouTubeにアップ。

曲は「boy」

これまで「boy」は、YouTubeやSoundCloudに上げてなかったので、何人かの方から、ちゃんと聴きたいというリクエストをいただいていました。

書物と音楽を心の糧として生きてきた10代の自分自身に対する鎮魂歌的な曲です。
書物の事を歌った「本棚」と、音楽を歌った「boy」は、自分を構成する核を歌った、ある意味「対」をなすような曲かも知れません。

ちなみに、こちらが「本棚」

そして、実はこれまで公開設定にしていなかった、どるしゃあ&島田篤の「七月のムスターファ」(PANTA cover)を、今日こっそり公開にしました。
気が付いた方だけこっそりお楽しみ下さい。

手術後初めて聴いた音楽

さて、昨日のブログで手術が成功した事を報告しましたが、昨日は、歩行練習なども本格的に始めました。
一昨日、初めて少し歩いた時はあちこち痛くて脂汗ダラダラ状態だったのに、昨日の午後にはけっこう楽に歩けるようになりました。
まだ患部やその周辺とか痛いけど、確実に回復している事を感じます。

たぶん全身麻酔の影響で声がかすれて出にくいのは歌を歌う人としては心配だけど、これも数日で治るでしょう。たぶん。

そして、昨日は、手術後、はじめてしっかりと音楽を聴きました。
聴いたのはDavid Bowie『世界を売った男(The Man Who Sold The World)』

ちなみに手術前夜に聴いた音楽はDavid Bowie『Space Oddity』

なんだか、しみじみ感動しました。

心の襞にまでしっかりと沁み込んでいる音楽、声。
こういう時に聴く音楽はDavid Bowieなんだな。
と、自分自身にすごく納得しました。
死ぬ前に何かアルバム1枚聴けるとしたらきっとDavid Bowie『ダイアモンドの犬』を選ぶかも知れない。

明日は『Hunky Dory』を聴くつもり。

生きる希望も目的もあるし、短期的目標(明日『Hunky Dory』を聴く、12月ライヴ復帰など)もあるし、回復が早いのも納得。

アコースティック音楽嗜好 ‐95‐

民謡、伝承曲からの影響

「Mike OldfieldとLes Penning, またはOmmadawnの時代」

Mike Oldfieldの初期三部作(Tubular Bells、Hargest Ridge、Ommadawn)の中で、「どれが一番好きか?」と問われた時に、私は『Hargest Ridge』と答える事が多いのだけど、それは、一番初めに買って聴き込んだアルバムだから、その音と共に浮かびあがる「あの頃」の空気感が加味された若干思い出補正が入った評価かも知れない。
純粋に楽曲の好き度を考えてみると、もしかしたら『Ommadawn』が一番好きかも。

その「一番好きかも」と思わせる決定的な要素があって、それはリコーダーのメロディーとその音色。
牧歌的かつ中世音楽の響きのような美しさに、とても心惹かれるのだ。

きっとMike Oldfieldも同じ思いを抱いていたようで、『Ommadawn』リリース後にリコーダーアンサンブル的な曲を数曲、シングルでリリースしている。
どれも、民謡、伝承曲のような曲調で、リコーダーがメインでギターとの合奏、曲によっては、それに打楽器、鍵盤楽器が加わった程度で演奏されたシンプルでかわいらしい愛すべき楽曲たち。

Mike Oldfield – Portsmouth

Mike Oldfield Argiers (Tradd Arr.)

『Ommadwan』はじめ、その時代のシングル曲でリコーダーを演奏していたのは、Les Penningというリコーダー奏者。
Mike Oldfieldの一時代の音に大きな貢献をした人物と言えるでしょう。

このLes Penningという人、これ以後、あまり名前を聞く事もなかったのですが、最近、なぜか目にする(耳にする)機会が増えています。

SpotifyにもLes Penning名義で、2枚のシングル(計4曲)があります。
Spotifyでは(2021)となっているけど、2枚とも1983年に発売されたもの。
この4曲、どれもがMike Oldfieldとの共演時を思わせるような曲ばかりで、Mike Oldfieldのファンが聴けば、「この演奏はもしやあの人!?」と感じる事間違いなし。

こういうものを聴くとMike OldfieldとLes Penningがお互いに良い影響を与え合っていたように感じ取れて嬉しくなります。


それとは別に最近YouTubeなどで目にするものは、Rob Reedとの共演で、Mike Oldfieldの曲をカヴァーしたものたち。
正直Rob Reedという人の事は良く知らないのですが、Mike Oldfieldフォロワーのような音楽活動をされている方かと(認識不足だったらごめんなさい)
Mike Oldfieldの曲を演奏したくて、そこに、ご本家で演奏していたリコーダー奏者Les Penningを引っ張り出したという図式かと思われます。

Argiers : Les Penning with Rob Reed

Cuckoo Song Les Penning Rob Reed

まさか2000年代も随分経ってから、こんな形でLes Penningの演奏を聴けるとは、そして演奏する姿を見る事が出来るとは、思いませんでした。

Les Penning and Rob Reed : In Dulci Jubilo

何年か前に、これを発見した時に、驚きと感動が押し寄せてきた事を今でも鮮明に思い出せます。
Rob Reedに感謝。



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Bob Dylan – Just Like a Woman 日本語カヴァーと小尾隆さんの事

10年前の某SNSへの投稿を再掲します。


2014年9月16日

少し前に、日本語カヴァーシリーズを何曲かYouTubeにアップしました。
その中からBob Dylan『Just Like a Woman』日本語カヴァーの事を、ロック評論家の小尾隆さんが自身のSNSで取り上げてくれました。



この日本語カヴァーシリーズは
「いい曲だからちょっとカヴァーしてみた。」
というレベルの物では全然無くて、10代の頃に夢中になって聴いた曲たち、オレを育ててくれた曲達に対する感謝の気持ちがいっぱい詰まっています。
小尾さんの文章を読んで、そんな部分を感じていただけたのかな・・・と、すごく嬉しく思いました。

—(以下小尾さんの文章です)—

例えばオイラはどるたんさんと政治的には微妙に意見が違うかもしれない。でもオレは彼の表現にある一定の理解とリスペクトの気持ちを払っている。とくに彼の場合海外のロックを独自の日本語歌詞として翻訳している点にシンパシーを覚える。ディランの原詞に忠実であればいいという問題ではないのだ。むしろ、どるたんさんがディランの曲からイマジネーションを広げ、着想豊かに新たな言葉を書き下ろすという、その心映えを美しいと思うのだ。そういう意味では双六亭のアッキーこと鈴木晶久さんがロス・ロボスのWHEN THE CIRCUS COMES TOWNを自分の日本語詞で歌っていることと、いささかも変わらない。以前のストーンズ「悪魔を憐れむ歌」といい今回のディランといい、それはどるたん氏が歌とかロックする行為を精一杯自分に引き付けようとする誠意なのだと思う。そうしたアプローチ自体は昔から日本のロックで試みられてきたことであり、別に目新しくはないかもしれないが、一番大事なのは音楽を聞いた”自分”が何を感じたかだ。オレは、彼が真っ白いキャンバスに向かって何かを書き留めようとするその真摯でイノセントな気持ちを受け止めることが出来る。
そう、まるでハイスクールの懐かしい同級生のように。


以上が10年前の投稿。

小尾さんの著作「SONGS – 70年代アメリカン・ロックの風景」

久しぶりに小尾さんの文章を読んで目頭が熱くなりました。
というのは、小尾さんは昨年の10月19日に亡くなられてしまったから。

小尾さんとは、一度だけしかお会いした事がないのだけど、その時に通じ合うものがたくさんあって、その後、SNSなどを通じたやりとりがありました。

頻繁に何か話すような事はないのだけれど、お互いの活動を見守っているような間柄だったのかも知れません。

一度お会いしたのは、あるDJイベントで、私も小尾さんもDJとして参加。
そこでお互いの選曲に感じる物があり、帰り道に色々話をして、そこでまたお互いの音楽体験に大きな共通点をみいだし、お互い、同志のような感情を抱いたのだと思います。

上の小尾さんの文章のラストに書かれているのが、まさに、その時の気持ちの延長線上にある言葉だと思います。

オレは、彼が真っ白いキャンバスに向かって何かを書き留めようとするその真摯でイノセントな気持ちを受け止めることが出来る。
そう、まるでハイスクールの懐かしい同級生のように。

さっき読み返した時は、目頭が熱くなる感じだったのだけど、改めてこの部分をしっかり読んだら、涙腺崩壊した。

ありがとう小尾さん。
また、会えたら、たくさん音楽の話をしましょう!