大岡山Goodstock Tokyoの初演に続いて、先日の川越大黒屋食堂での二度目の演奏で少しづつ輪郭がはっきりして来たように思います。
アナベルは北アメリカ原産の白い紫陽花。
その可憐な美しさと栽培が楽なので日本でも近年とても人気がありますね。
花言葉は「ひたむきな愛」です。
紫陽花の花言葉は「浮気者」なので、正反対の意味を持つ紫陽花です。
この清らかな花が咲くサロの街はかつてムッソリーニがナチスドイツの傀儡国家イタリア社会共和国を打ち立てた暗い歴史があります。
そんな暗い歴史を精一杯に隠すように清らかに咲く紫陽花アナベルを私は愛しくも切なく想うのです。
傷跡は隠せても決して消えることは無いのですから。
アナベルと言う名前の由来には幾つかあるのですが、そのひとつにエドガー・アラン・ポーの最後の詩「アナベル・リー」から付けられたと言うものがあります。
船乗りと少女の報われなかった愛の伝承物語を元に書かれた美しい詩です。
ポーが若くして亡くなった妻を想い書いた最後の詩は美しい悲しみの魂に満ちています。
(ジョーン・バエズが歌にもしているのでぜひ聴いてみて下さい)
ギターの主旋律に触れないように、けれども寄り添うように「あなたが気づかなくても、私はここにいますよ」と言う感じでチェロを弾けたらと思い間奏を短い対位法で作りました。
時代の流れの中で触れ合う幾つもの命の歌が、私達を異郷の旅へいつも誘うようです。