映画『ラジオ・コバニ』
昨日、川越スカラ座にて『ラジオ・コバニ』を観て来た。
どんな映画かと言うと
ISとの戦闘で瓦礫と化したシリア北部の街・コバニで
手作りのラジオ局をはじめる大学生のディロバン。
ラジオから聞こえる彼女の「おはよう」が、今日も街に復興の息吹を届ける――。
(『ラジオ・コバニ』プログラムより)
とても重く悲惨な場面を捉えたドキュメンタリー映画だが、そこにある日常、そして希望にハッとさせられる。
思うことは色々ありすぎるほどある。
この先のコバニ
今も世界にある戦争、紛争
復興する力(戦争と災害の違いはあれど日本でも目の当たりにしてきた人間の力)
絶望の中、絶望の先にある希望
兵器産業(映画『ロード・オブ・ウォー』や『アイアンマン』などにも頭を巡らせた)
殺人を是としてしまう宗教
などなど、重苦しい気持ちにもなるが、自分のやるべき事は、分かっている。
映画を観ていて、ラジオに対してもう少し突っ込んだ描き方をして欲しかったという気持ちを覚えたのだが、プログラムを読んで納得。
―イラク出身のクルド人監督、ラベー・ドスキーがディロバンの存在を知ったのは偶然だった。別の撮影のためトルコからシリアのコバニへ潜入する際、タクシー運転手が流していたラジオ番組「おはよう コバニ」を耳にしたのだ―
勝手に、学生達がラジオ局を立ち上げる話などを想像し期待していたのだが、監督がコバニに入った時、ラジオは既にそこにあった。
この映画を観た人は、ぜひプログラムにも目を通して欲しい。―私の夢はコバニに映画館と映画学校をつくることです―というラベー・ドスキー監督の言葉。