アコースティック音楽嗜好 ‐18‐
古楽への扉を開いてくれた1枚のレコード
今回は、『珠玉の小品、隠れた名曲』ではなく、古楽を好きになるきっかけとなった音楽を。
古楽への扉を開いた決定的な出来事。
それは1982年、『坂本龍一+ダンスリー/エンド・オブ・エイシア』と帯に書かれた一枚のLPレコードを買った事。
このレコードを聴いた事の無い人でも、当時、YMOのコーナーに並んでいたレコードジャケットに見覚えがある人は多いのではないでしょうか?
YMOのコーナーに並んでいるから、電子音楽を期待してうっかり買ってしまった人の中には、この音を聴いて愕然とした人もいたのでは?
全曲、電子音楽の正反対といってもいい、古楽器を用いた演奏ですから。
ダンスリーとは、正式には、ダンスリールネサンス合奏団といい、様々な古楽器を用いて、世界各地の古い音楽を演奏する楽団ですが、このアルバムは坂本龍一のプロデュースで坂本龍一が作曲した曲を古楽器で演奏したりもしています。
私は、すっかりこの音楽に嵌ってしまい、レコード屋さんで調べてもらい、当時、もう1枚だけ出ていたダンスリーの1stアルバムを注文して購入しました。
1stアルバムでは、ヨーロッパの古楽曲だけではなく、アジアの民謡なども演奏していました。
2枚のアルバムを聴いてみて気づいた事は、坂本龍一の曲を演奏したものよりもヨーロッパの伝承曲を演奏したものの方が好き。(坂本龍一曲も面白いけど)
アジア系の曲よりもヨーロッパ系の曲の方が好き。(アジアの曲も興味深いけど)という事。
自分の中の古楽ブームは、この2枚のアルバムを手に入れて熱心に聴く事により、一旦落ち着いたのですが、後にタブラトゥーラとの出会いにより再燃。
現在、毎朝NHK FM『古楽の楽しみ』を聴くような人間になってしまいました。
またダンスリーとの出会いとほぼ時を同じくして、「音色が苦手」なロック系の音楽が非常に多くなってしまった事も、古楽を含めたアコースティックな音楽に傾倒していくきっかけにもなっているでしょう。
「音色が苦手」の代表曲はこれ
Yes – Owner of a Lonely Heart
ここで鳴っている音は、ほぼ全部苦手です。
この時代、こういう音が氾濫していたので辛かった。
まあ、その後もTKの音とか苦手でしたね。
(あくまでも音が苦手で曲は良いと思うのもある)
(つづく)
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