アコースティック音楽嗜好 ‐46‐
アコースティックギターがかっこいいロック(7)
Steve Harley & Cockney Rebel、1973年の1stアルバム『The Human Menagerie』(美しき野獣の群れ)から、アルバムの1曲目を飾る「Hideaway」
印象的なアコースティックギターのフレーズに、ヴァイオリンが絡むイントロ、初めてこのアルバムを聴いた時に、この数秒間だけで「絶対に好きなやつ!」と確信しました。
「アコースティックギターがかっこいいロック」として取り上げはしましたが、この曲、いわゆる「ロック」というイメージからは、少しばかり遠くにあるような気がします。
Steve Harley & Cockney Rebel自体がロックバンドという表現形態にあまりこだわりをもっていないのでしょう。
このアルバムにはデビューシングルの「悲しみのセバスチャン」(Sebastian)が収録されていますが、その「悲しみのセバスチャン」では、チェンバロや弦楽隊、さらには聖歌隊のようなコーラスも導入されていてバロック調(?)の音にのせて、切々とした歌を聴かせてくれます。
Steve Harleyの歌がまた(「悲しみのセバスチャン」に限らず)芝居がかったというか、ケレン味の利いた実に表現力のある歌いっぷりで、(ここは好き嫌いが分かれるところかも知れませんが)好きなタイプ。実に心に響きます。
以前取り上げたBe Bop Deluxeあたりとも共通する、翳りのある、若干捩れたようなメロディーや空気感、ある種の英国のアーティストに共通するものかと思うのですが、これが実に私の好みなのです。
Steve Harley & Cockney Rebelは、ずっとアルバムを買い続けていましたが、特に好きなのは、やはりこの1stアルバム。アルバムを通してアコースティック楽器が色々な形で活躍するところが特に(個人的な好みに合致して)評価高め。