『異郷の詩』に登場する映画のエピソード
どるたん+しゃあみんの1stアルバム『異郷の詩』は、北イタリアの街を舞台にした歌だけで出来ています。
Milano, Breacia, Cremona, Veneziaなどなど
その歌詞の中には、映画のエピソードがいくつか登場します。
特に映画の題名などは歌いこんでいなくて、気がついた人にニヤリとしてもらえれば嬉しいな、というスタンスでいました。
ただ、たまに歌詞の解説が欲しい、詳しく知りたいというリクエストがあります。
これまでにも、若干リクエストに答えて、登場する固有名詞の説明などはしてきましたが、今回は、歌詞に登場する映画のエピソードを取り上げたいと思います。
「Caffè Florian」
ヴェネツィア(ベニス)のサンマルコ広場にある世界最古のカフェ「カフェ・フローリアン」を舞台にした歌。
この歌には、2つの映画のエピソードが登場します。
それでは、映画の題名とその部分の歌詞を
1つは『旅情』
![](https://dorushar.com/wp-content/uploads/2021/09/旅情.jpg)
昔見た古い映画の中で キャサリン・ヘップバーンが ここに座っていたね あれは1950年代の映画だけど 何も変わらぬ景色の中で ぼくはひとりこの席に座り 流れ行く時と人々の顔を眺めている 時の流れの外に佇むような ここはカフェ・フローリアン
もう1つは『ベニスに死す』
![](https://dorushar.com/wp-content/uploads/2021/09/ベニスに死す.jpg)
カフェの前ではピアニストが 『エリーゼのために』を演奏している ぼくは映画の中の世界に 迷い込んだような気になり 眩暈がした その曲は、古い映画の中で、 謎めいた美少年が奏でていた曲 あれはこの街を舞台にした映画だから 何も変わらぬ景色の中を あの頃と同じように今も あの少年が彷徨い歩く幻を見た 時の流れを超えて漂うような ここはカフェ・フローリアン
「Stazione」
ヴェネツィアを後にする際に、駅でオリエント急行に遭遇するエピソードが出てきます。
歌詞に出てくる映画は、もちろん『オリエント急行殺人事件』
![](https://dorushar.com/wp-content/uploads/2021/09/orientokyuukou-724x1024.jpg)
駅へ入ると オリエントエクスプレスが ロンドンへと向かう 旅人を待っている あこがれていた オリエントエクスプレスに 巡り遭えた幸運に 心は高まっていく いつかこの豪華列車に乗って 旅をしたいと思っていた 子供の頃見た映画と 変わらぬその気高い姿 改めて心に刻む いつかこの列車に乗って 旅をしよう
「Museo」
たまたま辿り着いた美術館、ペギー・グッゲンハイム・コレクションで感じた事を歌にしています。
これには、具体的に映画の話は出てきませんが、映画『タイタニック』の中のエピソードを元にした部分があります。
![](https://dorushar.com/wp-content/uploads/2021/09/115920_01.jpg)
悠久の時の流れに 閉じ込められた街の外れ 鮮烈な空気を招く 誇り高き一族の血よ La collezione Peggy Guggenheim
歌詞の中に出てくる「誇り高き一族の血よ」この部分。
タイタニックと運命を共にした紳士、正装して死に臨む、ベンジャミン・グッゲンハイムが、この美術館の創立者、ペギー・グッゲンハイムの父親なのです。
※この美術館の創立者、ペギー・グッゲンハイムも、『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』というドキュメンタリー映画になっています。
「Brescia」
Bresciaの街で出会った様々な出来事を歌っています。
この中に具体的な映画は出てきませんが、映画のエピソードがひとつ出てきます。
30年前の夏の夜は ひとりこの城に来て 心地よい風の中 野外映画を観た
Besciaの街を見下ろすように、丘の上の城(Castello di Brescia)があります。
実際にそこで映画を見た事はないのですが、地元の人に「夏になるとここ(城の中庭)にスクリーンを張って映画の上映会をやる」という話を聞きました。
残念ながら経験できませんでしたが、すごく印象に残っていて、いつかここで映画を観たいと思っていました。
![](https://dorushar.com/wp-content/uploads/2021/09/castello-1024x682.jpg)
以上、『異郷の詩』に登場する映画のエピソードでした。
CD『異郷の詩』特設サイトには全曲の歌詞などが掲載されています。
http://dorushar.com/cd1/
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