『異郷の詩』に登場する映画のエピソード
どるたん+しゃあみんの1stアルバム『異郷の詩』は、北イタリアの街を舞台にした歌だけで出来ています。
Milano, Breacia, Cremona, Veneziaなどなど
その歌詞の中には、映画のエピソードがいくつか登場します。
特に映画の題名などは歌いこんでいなくて、気がついた人にニヤリとしてもらえれば嬉しいな、というスタンスでいました。
ただ、たまに歌詞の解説が欲しい、詳しく知りたいというリクエストがあります。
これまでにも、若干リクエストに答えて、登場する固有名詞の説明などはしてきましたが、今回は、歌詞に登場する映画のエピソードを取り上げたいと思います。
「Caffè Florian」
ヴェネツィア(ベニス)のサンマルコ広場にある世界最古のカフェ「カフェ・フローリアン」を舞台にした歌。
この歌には、2つの映画のエピソードが登場します。
それでは、映画の題名とその部分の歌詞を
1つは『旅情』
昔見た古い映画の中で キャサリン・ヘップバーンが ここに座っていたね あれは1950年代の映画だけど 何も変わらぬ景色の中で ぼくはひとりこの席に座り 流れ行く時と人々の顔を眺めている 時の流れの外に佇むような ここはカフェ・フローリアン
もう1つは『ベニスに死す』
カフェの前ではピアニストが 『エリーゼのために』を演奏している ぼくは映画の中の世界に 迷い込んだような気になり 眩暈がした その曲は、古い映画の中で、 謎めいた美少年が奏でていた曲 あれはこの街を舞台にした映画だから 何も変わらぬ景色の中を あの頃と同じように今も あの少年が彷徨い歩く幻を見た 時の流れを超えて漂うような ここはカフェ・フローリアン
「Stazione」
ヴェネツィアを後にする際に、駅でオリエント急行に遭遇するエピソードが出てきます。
歌詞に出てくる映画は、もちろん『オリエント急行殺人事件』
駅へ入ると オリエントエクスプレスが ロンドンへと向かう 旅人を待っている あこがれていた オリエントエクスプレスに 巡り遭えた幸運に 心は高まっていく いつかこの豪華列車に乗って 旅をしたいと思っていた 子供の頃見た映画と 変わらぬその気高い姿 改めて心に刻む いつかこの列車に乗って 旅をしよう
「Museo」
たまたま辿り着いた美術館、ペギー・グッゲンハイム・コレクションで感じた事を歌にしています。
これには、具体的に映画の話は出てきませんが、映画『タイタニック』の中のエピソードを元にした部分があります。
悠久の時の流れに 閉じ込められた街の外れ 鮮烈な空気を招く 誇り高き一族の血よ La collezione Peggy Guggenheim
歌詞の中に出てくる「誇り高き一族の血よ」この部分。
タイタニックと運命を共にした紳士、正装して死に臨む、ベンジャミン・グッゲンハイムが、この美術館の創立者、ペギー・グッゲンハイムの父親なのです。
※この美術館の創立者、ペギー・グッゲンハイムも、『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』というドキュメンタリー映画になっています。
「Brescia」
Bresciaの街で出会った様々な出来事を歌っています。
この中に具体的な映画は出てきませんが、映画のエピソードがひとつ出てきます。
30年前の夏の夜は ひとりこの城に来て 心地よい風の中 野外映画を観た
Besciaの街を見下ろすように、丘の上の城(Castello di Brescia)があります。
実際にそこで映画を見た事はないのですが、地元の人に「夏になるとここ(城の中庭)にスクリーンを張って映画の上映会をやる」という話を聞きました。
残念ながら経験できませんでしたが、すごく印象に残っていて、いつかここで映画を観たいと思っていました。
以上、『異郷の詩』に登場する映画のエピソードでした。
CD『異郷の詩』特設サイトには全曲の歌詞などが掲載されています。
http://dorushar.com/cd1/
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