映画『ノマドランド』を観て『エターナルズ』を想う
『ノマドランド』をDisney+で鑑賞。
タイトルを観たときから、何となく観たいと思っていた映画。
そのタイトルから、漠然と想像していたのは、現代人の遊牧民的暮らしを描いたもの。
まあまあ、近い線でした。
この映画に関する基礎知識は、その程度しか持ち合わせていなかった私ですが、少し前に、この映画の監督が、MCU次回作(まもなく公開!)『エターナルズ』の監督と同じ人(クロエ・ジャオ監督)だという事を知り、「観たい度」が急上昇。
そんなタイミングで、 Disney+での配信が始まり早速鑑賞したしだい。
夫を病気で失い、住む家どころか街も(廃鉱的な形で)失い、ひとり車上生活をする、ちょっと高齢のひとりの女性。生活拠点はなく、短期労働で得た収入を手に、街を渡り歩くような生活。
そこで出会った、同じような境遇の人、生活拠点を持たない人達のコミューン的世界、などとの関わりで何を考え、どんな生き方を選んでいくのか、そんな女性の生き方を通して、こちらも、色々と考えてしまうのです。
生き方、そして死に方について。
まあ、幼い頃から、生き方も死に方もそれなりに考えて生きてきたので、さほど心境の変化はないし、むしろ間違っていないとの思いが強くなったのですが、うまいこと死ねればいいなとは思いました。(映画とはあまり関係なく勝手に思いを巡らせただけ)
私自身の年齢的にも「限りある、先の長くない人生をどう生きるか(社会との関わり、他者との関わり等)」という点では、とても考えるところがあり、寄り添える映画であった事に間違いありません。
この映画、役者の表現力や、風景、カメラワークの美しさなどに、惹きこまれるのですが、さらに音楽が素晴らしくて、ゆっくりと流れる風景と音楽だけで、涙が出そうになる瞬間が何度もありました。
シンプルで美しいピアノと、ヴァイオリン、チェロなどが絡む形の曲が多く、映像と相まって、すごく心の奥深いところにまで沁みこんでくるのです。
細かい部分にまで、とてもよく気が配られていて、非常に真摯に、丁寧に作られた映画だと感じました。
またいつか観直す日が必ずくると思います。
さて、前述したように、この映画を撮ったクロエ・ジャオ監督の作品『エターナルズ』が数日後(11月5日)には公開されます。
あらゆる意味で対極にあるようなふたつの映画。
方や老い先短いひとりの女性、方や永遠の生を生きる10人のスーパーヒーロー(まだ内容よく分かっていないので間違ってたらごめんなさい)
『エターナルズ』には特撮やCGを駆使した派手なアクションシーンも多くあるのかと思います。
『ノマドランド』には、アクションシーンなど一切なく、淡々と人生を描いています。
一体どうなるのでしょうか?
と言っても、まったく心配はしていなくて、むしろ期待感しかありません。
『ノマドランド』の感想として、「細かい部分にまで、とてもよく気が配られていて、非常に真摯に、丁寧に作られた映画」と書きましたが、『エターナルズ』も間違いなくそういう映画になると思っているからです。
そして、方や限りある生を通して、方や永遠の生を通して、観ている者に、生き方を問いかけてくるような気がしています。
ところで、対極にあるようなふたつの映画ではありますが、掲載した画像のトーンがとてもよく似ていると思いませんか?