映画『残酷で異常』

映画『残酷で異常』

この映画『残酷で異常』は、昨年(配信で)観た映画の中で、まちがいなく「個人的面白さランキングTOP10」に入ります。

しかし、この映画、タイトルやポスター画像(?)を見ると、全く映画の良さも内容も伝えていなくて、今、考えても「なんでこの映画を観ようと思ったのか」と、不思議な気持ちになってしまいます。

『残酷で異常』
『残酷で異常』

まあ、タイトルは、ほぼ直訳(原題:Cruel and Unusual)なので、仕方無いとしても、この画像。
ただの映画の1シーンに、タイトル文字を載せただけ。「素人がWORDで作ったの?」というレベルの代物。
重ねて言いますが、映画の良さも内容も全然伝わらない。
「ホラーなのか?サスペンスなのか?それともサディスティックでグロい変態映画なのか?」

本当になんで観ようと思ったのか、今でも不思議(きっと時間が短いから寝る前にサクっと観られる、とかそんなレベル)ですが、とても楽しめる、良く練られ、丁寧に作られた映画でした。ごめんなさい。

(以下、内容に関する記述あり、重要なネタバレはなし)

倒れた妻に懸命に救命を試みる主人公エドガー、奮闘空しく妻は死に、自身も気を失う。突然気づくと妻は生きていてふつうの日常。夢だったのか?
また一瞬意識が飛ぶと、何やら収容施設のような建物の廊下に倒れるエドガー。
教室のような場所に入ると、身分も年齢もバラバラな人たちが座っている、どうやら殺人を犯した人達、そしてエドガーは妻を殺してこの施設にきたらしい。しかしエドガーには心当たりが無い。すると突然、日常に戻る。また意識を失い施設へ。その繰り返し。

「なにこれ!?永遠に繰り返す地獄的な場所?」

この感想はあながち外れではないのだけど、何度かループを繰り返すうちに、分かってくることがあり、施設で知り合った女性ドリスを無理矢理連れて、エドガーは施設を抜け出す。そこで・・・

ここからラストに向けての展開がなかなか奇妙で絶妙に面白い。
「ん?それでいいのか?」と考え込みつつ、不思議を受け入れ納得、それが良い。
ラストシーンでのエドガーがまた素晴らしく良い。

ハッピーエンドのようなバッドエンドのような何とも言えない鑑賞後感。
ある面ではハッピーエンド、ある面ではどうしようもないバッドエンド。
だが、それが良い。

そして、もうひとつこの映画の印象を深めている物、それは音楽。
アンジェロ・バダラメンティ的なムードを感じる。
何曲か挿入される歌ものが、また(バダラメンティ的でもあり)実に素晴らしく、場面を印象づけている。
(全然違うんだけど、あくまでもムード的に)Lou Reed『Berlin』を聴いた時のように、心象風景が浮かぶ音楽。

音楽に関しては、ほとんど情報がなくて(wikiには音楽:マーク・コーベンとだけ)、たぶん既存の物を使っていると思われる歌もの3曲の事を知りたかったので、エンドロールを止めて、メモ。
Spotifyで検索したしたところ、3曲ともあったので、自分用のプレイリスト「残酷で異常」を作ってその後ヘヴィロテしています。
3曲とも、知らないアーティストでしたが、音楽的にかなり好きなタイプ。
これは、かなりツボ。
どるしゃあ好きな人なら嵌ると思います。(全国推定3,000人の潜在的どるしゃあファンに届け!)

聴きたい人は、まず映画を観て、エンドロールで調べましょう。(いじわるじゃなくて、同じ楽しみを経験して欲しいから)


【追記】
この映画の曲が知りたくて検索してこのブログに辿り着く人が多いようです。
せっかく来てくれたのに申し訳ないので、やはり曲名を書いておきます。

エンドロール曲
「Sweet Tides」Thievery Corporation

他、劇中にかかる歌入りの曲

「I Get Low」Timber Timbre
「Only Thing That Shines」Shriekback



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