アコースティック音楽嗜好 ‐41‐
珠玉の小品、隠れた名曲 その20
Brian Eno と John Cale のコラボ・アルバム、1990年発売『Wrong Way Up』から「The River」
ENOは、Roxy Music、John Caleは、Velvet Undergroundと、どちらもグループ在籍時から、ソロキャリアと通して聴き続けてきたアーティストなので、このアルバムが発売された時には、飛びつくように購入しました。
このアルバム以前にも、2人は、それぞれのソロ・アルバムにゲスト参加したり、ケヴィン・エアーズやニコ達とのスーパー・セッション的なライヴ・アルバム『June 1, 1974』で競演したりと、この2人の間に生まれるケミストリーは承知していたので、2人でアルバムを作っていると知った時には、胸の高鳴りを覚えたものです。
たしか、初めに入手したのは、EU盤のアナログレコードだったと思います。
この曲は、レコードのラストを飾る曲。
(CDにはボーナス曲入りの物もあり、そのボーナス曲もまた素晴らしい)
アルバムは、ポップな曲調の物も多いけど、この2人ですから、ただのポップソングではなく、実験的、前衛的な側面もあり、一筋縄ではいかないポップソングといった感じ。
エレクトロニックな曲も多いので、「アコースティック音楽嗜好」には、似合わない気もしますが、この曲は、淡々としたリズムにアコースティック・ギター基調の曲。(※アコースティック・ギター風の音はオムニコードとの指摘あり。なるほど)
どこかカントリー・ソングを思わせる趣もあり、ENOの低い歌声が心の底に広がるように染み渡ります。
ゆったりとした川の流れを思わせるような曲調が、歌詞の世界を良くあらわしていて、それがまた、心に染みます。
「名曲」というタイプの曲ではないかも知れませんが、何度も聴きたくなる大好きな曲。
【どるたん】作詞、作曲、歌とギター担当