アコースティック音楽嗜好 ‐49‐

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珠玉の小品、隠れた名曲 その25

Mott The Hoopleの3枚目のアルバム、1971年に発売された『Wildlife』から、「Home Is Where I Want to Be」を取り上げます。

この曲が収められた『Wildlife』は、Mott The Hoopleが、グラムロックのバンドとしてブレイクする以前に発表された物で、ちょっと泥臭いアメリカンロック的な風味が漂うアルバムで、後のモットの煌びやかな雰囲気は全くありません。
私も、派手なモットから聴き始めたので、このアルバムを入手した時には、地味な印象しか受けなかったのですが、しばらく聴いているうちに、徐々にこのアルバムの空気感や、収められている曲の良さに惹かれはじめ、今では、モットのアルバムの中で一番針を落とすことが多いのがこのアルバム。

また、すべてのアルバムの中で、アコースティックギターが一番活躍しているのが、このアルバムかも知れません。
(グラム期のモットは、ほとんどアコースティックギターを使っていないので)

そんな事もあり、1曲目の「Whisky Woman」あたりは、「アコースティックギターがかっこいいロック」に取り上げたいと思ったり、2曲目の「Angel of Eighth Avenue」を「隠れた名曲」で取り上げようかと思ったり、4曲目「Waterlow」を「珠玉の小品」として紹介しようかと悩んだり、あれこれ迷うほどにアコースティックギターが活躍する良曲だらけなのです。

そんな中、迷った末に取り上げたのが、この 「Home Is Where I Want to Be」
あまり大仰なバラッドタイプではなく、湿っぽくもない、こういう軽快なアコースティックギターが効いた曲、大好きなのです。

アルペジオを弾いているのが、ミック・ラルフスで、カッティングがイアン・ハンターかな?などと想像しつつ聴くのも一興です。

この曲は、ミック・ラルフス作なのですが、改めて意識して聴くと、後のBad Companyでの曲作りやプレイとも共通するものを感じます。
(Bad Companyは、以前このブログでも取り上げました)

そしてアルバムを通して聴いていると、ミック・ラルフスにとっても、イアン・ハンターにとっても、より自らの音楽的ルーツや好みに近いのは、グラム期よりも、このアルバムの音なのではないかな?という気もしてきます。
だからこそ、私のような聴き手は、よりこのアルバムに惹かれるのかも知れません。


最後に、やっぱりもう1曲!
「珠玉の小品」として取り上げたいと思った曲「Waterlow」を。


Dorutan


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