新曲「混乱の街」のこと
2022年11月20日(日)Goodstock Tokyoどるたん+しゃあみんワンマン公演にて披露した2曲の新曲から、2曲目「混乱の街」の動画をYouTubeにアップいたしました。
当初、今回は2曲のうち「戦禍の街」のみ、動画と解説を公開するつもりだったのですが、もう1曲「混乱の街」にもリクエストをいただいたので、公開します。
新曲2曲のうち、1曲は、12月18日の川越大黒屋食堂でのライヴで、はじめて聴く人のためにお楽しみとして、とっておこうと思っていたのですが。
まあ、その日は、また新しい曲を披露出来るかと思います。
さて、この曲、雰囲気としてはアングラフォーク的というか、昭和40年代的というか、そういう感じがしませんか?
作っているうちに、なんとなくそんな空気感が出てきたので、わざとそちらに寄せていきました。
歌詞は
混乱の街 意味のない言葉が 街中に溢れ 顔のない人の群れが 通りを埋め尽くす 開かない扉が 人々を隔て 助けを求める声は 誰にも届かない 誰にも届かない 泣き叫ぶ人がいて 踊り続ける人がいる 慌てふためく人がいて 笑い続ける人がいる この街の名前は 渋谷 それとも 六本木 いいえ この街の名は 死人が集う 混乱の街 この街の名前は 新宿 それとも 池袋 いいえ この街の名は 死人が笑う 混乱の街 混乱 騒乱 淫乱 動乱 混乱の街 渾沌 混迷 困惑 困憊 混乱の街
「池袋」なんて、いまどきの歌にはあまり登場しない昭和な地名を入れてみたり、「いいえ・・・」なんて言い回しを使ってみたり。歌詞の最後にお経みたいに「混乱 騒乱 淫乱 動乱 混乱の街」と入れたのもちょっとアングラフォーク的?
わざとそんな小技を使いつつも、歌詞の視点は、2010年代に作った「スケッチ」や1980年代に作った「レミング」などと同じく、私が常に感じ続けてきた感覚。
この歌詞からイメージ出来るものは、人それぞれでよいと思います。
渋谷のハロウィンに集まる人々、観光地に押し寄せる外国人、国境の街に溢れる難民、などなど、集団が押し寄せる街。
ただ、私のイメージは難民的なものではなく衆愚。
この歌を書き始めた時期、歌詞もメロディーも土台が出来たタイミングで梨泰院ハロウィンの事故がありました。
~泣き叫ぶ人がいて 踊り続ける人がいる~
この辺の歌詞は既に出来ていたのですが、そのものズバリの場面をニュース報道で見て、梨泰院の事を歌っているようで嫌だなという気持ちになり、その時点で制作が一時中断しました。
その後、あえて歌詞の中に実際の地名、渋谷、六本木、新宿、池袋を登場させ、そのどこでもない、各人のイメージの中にある「混乱の街」という形にしてとりあえず完成。
そして言外に「私の好きな街をそんな混乱の街にしないで欲しい。」という気持ちと「私はそういう街には行きたくないな。」という気持ちを込めています。