『ブラック・ウィドウ』からの『ファイティング・ファミリー』

『ブラック・ウィドウ』からの『ファイティング・ファミリー』

先日、映画『ブラック・ウィドウ』を観てきたのですが、それ以来、気になっていた事があります。

それは
「あの妹、どこかで見た事ある。」
「しかも、わりと最近(と言ってもここ数年の間)。」

妹と言うのは、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)の妹エレーナ役の女優。
映画(かドラマか何か)で、彼女の事を見ているはず、と強く感じたのです。
しかし「強く感じた」にも関わらず、それがどこでなのかが、浮かんでこない。
というモヤモヤとした状況。

ついほんの少し前にも、同じような事がありました。

それは『ウォーキング・デッド』でジュディスの役をしている子が、『ロキ』にロキの変異体(の少女時代)として出てきた時。
『女子高生の無駄づかい』で低所得Pの役をしていた人が、『青天を衝け』に土方歳三として出てきた時。
(その時のブログ『役者の名前を憶えない問題』

この2件は、少し悩んだ後にパっと閃いたのですが、今回は、数日間モヤりました。

そんなモヤりは、女優の名前を調べて、wikiなどでこれまでの出演作を見ればすぐに解消するのですが、「思い出すかも知れない事」は、なるべくすぐには検索しないようにしているのです。(自分で思い出した時のちょっとした達成感とボケ防止)
少しだけ頭の中に寝かせておくことに。

が、そのモヤは、数日前に思いがけない所で晴れました。
映画監督&脚本家の井上淳一さんが『狂猿』というドキュメンタリー映画について書かれた文章を読んでいた時。
この映画はプロレスラー葛西純を追った物なのですが、その文章の中に、ほんの少しだけ女子プロレスについて書かれていたのです。

「ん?女子プロレス?女子プロレス!女子プロレス!!」

「あの女子レスラー = ナターシャの妹か!?」と、(若干の?マークつきではありますが)閃きました。

閃いたのは映画『ファイティング・ファミリー』

思い出してみると「なぜすぐに分からないのか」と情けなくなるほどに同一人物なのですが、髪の毛の色が違ったり、着ている物が全く違ったりすると、なかなか難しい。
(これは、映画『十二人の死にたい子どもたち』を観た時に、エンドロールの名前を見るまで新田真剣佑に気づかなかった問題と同じ現象)
『役者の名前を憶えない問題』にも書きましたが、登場人物そのものとしてみてしまいがちなのです、私。

長くなりましたが、ここまでは前置き。

さて、この『ファイティング・ファミリー』運良くAmazonプライムビデオにあったので、もう一度観てみました。

イギリスの弱小家族経営地方プロレス団体(両親が団体代表権プロレスラー、兄もプロレスラー)で育った女の子がプロレスラーになり、アメリカの超大人気プロレス団体WWEで成功するまでの実録ドラマ。

実に素敵で面白い映画です。

イギリスでの場面は、見事にイギリス色の美しさ。
特に自然豊かな場所を撮影しているわけでもないのに、街かどの風景など全てがイギリス色。
これは、10代の頃に『小さな恋のメロディー』を観て以来、言い続けている、イギリス映画の色の深さと瑞々しさ、色の質感(特に緑と茶色)、その美しさの事。
しかし、これアメリカ映画なのに、イギリスで撮るとちゃんとイギリス色になるのね、と思ったら米英合作でした。

家族や仲間達との、ちょっとブラックなジョークを交えた会話も、実にイギリス的で面白い。(大好き)

それはさておき。

『ブラック・ウィドウ』を観てからの『ファイティング・ファミリー』は、なかなかに興味深い共通点がありました。

それはどちらも、家族の話であること。
そしてどちらも、フローレンス・ピュー(役者の名前やっと調べた)が、妹役。
そしてその家族は、どちらもぶっとんだ家族。
方やプロレス一家、方やスパイ一家(偽装家族だけど)。

そして、(『ブラック・ウィドウ』を観た後だからこそ)ちょっとぶっ飛んだのが、クライマックス。
主人公ペイジ(フローレンス・ピュー)がチャンピオンAJとの対戦シーンで、AJの必殺技につかまる、その卍固め的な必殺技の名前が、なんと「ブラック・ウィドウ」!
「おおっ!!ブラック・ウィドウ!」って、声出ました。

そんな思わぬ偶然の面白さに遭遇した事もあり、実に楽しめた二度目の『ファイティング・ファミリー』鑑賞。
そして、フローレンス・ピューしっかり憶えました。
すぐに調べなかったからこそ、よりしっかりと、その名前は私の心に刻まれました。
『ファイティング・ファミリー』でも、『ブラック・ウィドウ』でも、最高にかっこよかった!
次に会える日がとても楽しみです。

Dorutan


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