Kevin Ayersの思い出 その3

Kevin Ayersの思い出 その3

(「Kevin Ayersの思い出 その1」「Kevin Ayersの思い出 その2」のつづきです)

そんなKevin Ayersファンとしての日々をのほほんと過ごしていた私に、2013年のある日、届いた報せは、Kevinさんの訃報でした。
なんだか、呆然としてしまって、正直言って、その頃の記憶があまりありません。
あとから、亡くなった日が(私の誕生日の翌日である)2月18日だと知りました。

漠然とですが、Kevinさんは長生きしそうな気がしていたのです。
イビサ島や南仏で悠々自適な生活をしているとか、音楽は引退して料理人になりたいと言っているとか、かと思うと、2008年には最高に素敵なアルバム『The Unfairground』(15年ぶりのアルバム!)をリリースしたりと、まあ、とにかくマイペースにやりたい事をやって長生きする人、だと思っていたのです。

The Unfairground – Kevin Ayers

そんなわけで、Kevinさんの訃報に備える準備が全く出来ていなかったのですね、私。
『The Unfairground』は、大好きで、愛聴していたし、これからも、忘れた頃に、こういう素敵なアルバムが届くのだろうと思っていたのです。

しばらくボーっとしていたのですが、なんとなく部屋でギターを弾きながらボソボソ歌っていたら、Kevinさんの「Sweet Deceiver」ってこんな感じかしら?と、適当なコードにあわせて歌えるようになりました。気がついたら泣きながら歌ってた。
コピーしたわけではなくて、簡単なローコードにあわせて歌っただけなので、原曲とはキーもたぶんコードも違っているのですが、なんとなくいい感じかな、と思えたので、自分なりの哀悼の意を込めて、翌朝、録画してYouTubeにあげてみたのが、これ。

ルイス稲毛たちRolling Kootown Bandと一緒に演奏した思い出の曲だけど、その時は、私はヴォーカルだけだったので、弾き語りははじめて。

この頃は、ルイスと一緒に不思議軍というバンドを組んでいたので、悲しみを共有できる人が身近にいたのも、幸いでした。
ライヴも決まっていたので、何かKevinさんの曲をやろうと電話で打ち合わせをして、披露したのがこちら。私が、はじめて手に入れた、一番思い入れのあるKevinさんのアルバム『Sweet Deceiver』の中でも、1番好きな曲「City Waltz」

そんな感じで、勝手に追悼していたところ、近江八幡 酒游舘の西村さんから「追悼イベントをやらないか?」との話をいただき、もちろんふたつ返事で参加を決めました。

3月22日(金) ケヴィン・エアーズ追悼コンサート サケデリックスペース 酒游舘
18時30分開場 19時開演 前売3500円 当日4000円 (ドリンク付)
デイヴ・シンクレア、 ユミ・ハラ、どるたん, ルイス稲毛 & Simo-yang、林拓、富家大器

Kevinさんが亡くなったのが、2月18日(私たちが知ったのはそれから数日後)、ルイスと一緒に「City Waltz」を演奏したのが3月8日、滋賀県近江八幡 酒游舘での追悼コンサートが3月22日、と、ばたばたと色々決まって進んでいく感じが、とても心地よく、悲しみに沈む事無く充実した時間を過ごせたように思います。

この流れで「東京でもやりましょう!」という話になり、今度は私の企画で、渋谷La.mamaで追悼コンサートを行いました。

6月15日(土)
ケヴィン・エアーズ追悼コンサート
渋谷ラママ
18時00分開場 18:30時開演 前売4000円 当日4500円 (ドリンク別)
デイヴ・シンクレア、 ユミ・ハラ、吉田達也、不思議軍、 Simo-yang&ルイス稲毛

出演者のデイヴ・シンクレアとは、あのCaravanの、あのMatching Moleの、あのCamelにも参加した、Dave Sinclairさん。その偉大さは、しっかり存じ上げていたし、デイヴさんが参加しているレコードは何枚も持っていたし、そういうすごい人なのですが、特に緊張するでもなく、ふつうに過ごせました。
例によってサインはもらいそこねたけど、写真は誰かが撮ってくれました。
これ何度かネットにあげているけど、すごく好きな写真なのです。この仲間感(笑)

左からルイス稲毛、Dave Sinclair、どるたん

この2つの追悼イベントでの事、他の出演者の事など、色々話したい事もあるのだけれど、とりあえずそれはまた機会があれば。
Kevinさんのおかげで、とても充実した素晴らしい時間を過ごせました。

私は、特に学究的なファンではないので、Kevinさんに関する知識はそれほどなくて、ただただ音楽(と見た目と、伝え聞く人柄など)が、好きなだけの一ファンでしかないのですが、ずーっと好きでいつづけたら、デイヴさんのような特別な人と同じステージに立ててしまった、というお話。

さらにこの後も、2019年、Kevinさんの娘でありミュージシャンでもある、Galen Ayersさんが来日した時には、側面から少しだけお手伝いした事もあり、Galenさんに会えて、間近で歌を聴くことも出来たし、通訳の方とも新しい縁が繋がりました。

全部、Kevinさんのおかげです。

Dorutan


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