『大魔神』『妖怪百物語』を50年ぶりに観た
小学生時代に大好きだった映画『大魔神』と『妖怪百物語』がGyaoで無料公開されているのを見つけ、約50年ぶりに鑑賞。
子供の頃好きだったものを、大人になってから観ると、ちょっと物足りなかったり、がっかりしたりという事もありますが、これは、充分に大人の鑑賞にたえうる大傑作!と改めて感嘆しつつ、夢中で鑑賞いたしました。
『大魔神』は三部作で、『大魔神』『大魔神怒る』『大魔神逆襲』の3本があります。
今回、3本全部観たのですが、観終わってから調べてみると、3本すべてが1966年の公開になっています。春休み、夏休み、冬休みの公開というとんでもないスケジュール。
私は、これを全部、初公開時に都内の映画館で観ていて(5歳の時なので、しっかり憶えているわけではありませんが、3作とも家にパンフレットがあったので)、その後、地元の2番館にかかった時にも観に行っているはずです。小学3年生ぐらいの時にも映画館で観たような憶えがあるのだけど・・・確かな記憶ではありません。
そして当時、少年雑誌に図解特集が掲載されたのをなんとなく憶えていて、絵地図に、魔人が出てきた場所が描かれ、『逆襲』の魔人を雪魔人、『怒る』の魔人を水魔人(だったかな?)というように記してあったような気がしています。今となってはおぼろげな記憶ですが、そういう雑誌を食い入るように読んでいました。
とにかく大魔神大好きだったのですが、当時は、映画館で観る、テレビ放映時に観る、という2種類の方法でしか映画を観る事が出来ない時代。
テレビ放映時に何度か観た憶えもありますが、その後は一度も観ていません。
さすがにストーリー展開など、ほとんど憶えていないのですが、3本それぞれに特徴的な大魔人の登場シーンは、強く印象に残っていて、今回観た時にも、おお!これだ!!みたいな、ちょっとした興奮を味わいました。
3本とも、物語的には、悪い殿様(他悪人)に苦しめられている民衆(や良い殿様達)がいて、最後に大魔神が悪人を成敗するという単純な話ではあるのですが、3本それぞれによく練られた話で、それぞれに感動したり、感心したり。
特に『大魔神怒る』での、悪い殿様絶命シーンなど、実にうまいのです。見事な因果応報っぷり。
『大魔神逆襲』は、子供が魔人の山を越えて行く話で、その子役たちが実に味わい深くて好きです。
子供を主役にすえる事によって、映画を観る子供達も、映画の中の世界に入り込みやすくなるという配慮かも知れません。当時、夢中になった事を思い出しました。
そして、全てにおいて、真剣に作られた映画という印象。何か熱い物がスクリーン(今回はテレビ画面)を通して伝わってくるのです。
セットの作り込み、大勢の役者さんやエキストラさんの真剣なまなざし、見るもの全てに感動しました。
この映画達は、死ぬまでに何度か見返すと思います。
それは『妖怪百物語』も同じでした。
これも本当に大好きで、映画に登場する全ての妖怪の名前を(少年雑誌やパンフレットで)憶えて、絵に描いたりしていました。
これは小学生のときに、当時住んでいた飯能の映画館で観たはずで、映画館の近くにあった小さな玩具店で、妖怪のブロマイドを買った憶えがあります。
これも約50年ぶりに観たのですが、とてもしっかりと作られた映画で、やはり真剣な映画作りが伝わってくる物でした。
展開など憶えていない部分も多々ありましたが、いくつか印象的な場面はしっかりと心に残っていて、やはり、ちょっとした興奮を味わいました。
特にラストに至る百鬼夜行的シーンは、「一生忘れらない映画のシーン」のひとつです。
『大魔神』3部作、『妖怪百物語』どちらも、全く子供だましではない、しっかりとした時代劇、しっかりとした映画です。
今観ても良かった。というよりも、むしろ、今観たからこそ、感じ取る事が出来る物語の機微などもあり、改めてこれらの映画の素晴らしさを感じた次第。
『妖怪百物語』の続編、『妖怪大戦争』も近日中にGyaoで公開されるようなので、これもまた楽しみにしています。
転じて、「子供だまし」といえば、という話も最後にひとつ。
『大魔神』『妖怪大戦争』共に、大映の特撮映画なのですが、実は、もう1本、Gyaoで大映の特撮映画を観ました。
それは『宇宙怪獣ガメラ』
昭和~平成のガメラ映画の中で、ただ1本だけ観ていなかった映画です。
この映画の事は、これまで見落としていました。(なんとなく知ってはいた)
Gyaoの説明文には
全宇宙支配を目論む宇宙海賊ザノン号とギルゲは、ギャオス、バルゴン、ギロンら6大怪獣を地球に送り出し、都市を次々に破壊する。そのとき、宇宙の彼方から我等のガメラが帰ってきた……。「ガメラ対深海怪獣ジグラ」から実に9年ぶりに、ベテランスタッフが再集結したガメラ復活版!
と書いてあったので、さぞやすごいガメラ映画かと思って観たのが、大間違い。
6大怪獣との戦闘シーンは全て過去映画からの切り張り、それぞれに名シーンを取って来ているので、懐かしさはありましたが、ストーリー的に無理があり過ぎるし、撮り足した新しい映画部分は、まあ、言っちゃあなんですが、これぞ子供だまし、というような出来栄え。
マッハ文朱のユル格闘シーンがあるのが、女子プロレスファン的には嬉しいような嬉しくないようなそんな妙な気分だけが残りました。
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