「福田村」からの「青春ジャック」 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その2)

「福田村」からの「青春ジャック」 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その2)

昨日、井上淳一脚本、監督作品『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』のマスコミ試写会へ行ってきた。

と書き出しは同じだけど、これ「その2」です。
「その1」を読んでない方は、ぜひそちらからお読みください。
「好き」の熱量 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その1)

実は、この『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観る数日前に、私、やっと映画『福田村事件』を観たばかりなのです。

で、その衝撃の大きさを引きずったままに、この『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』試写会に臨みました。

そこで危惧していた事がひとつ。
この映画のキャスト、かなり『福田村事件』とかぶっているのです。
上にある画像に大きく写真入りで掲載されているメインキャスト4人のうち3人までが『福田村事件』でも主要な役を演じ、さらには、コムアイ、田中麗奈といった『福田村事件』で重要な役を演じた方々も出演しています。
『福田村事件』を観たばかりの、その残像が生々しく焼き付いている私は、はたして残像に引きずられずに、この映画を観る事が出来るのだろうか?という危惧。

映画がはじまってすぐに、そんな事は、全くの杞憂でしかない事を思い知る事になります。
誰が登場しても、『福田村事件』が頭をよぎるような事は全くありませんでした。

特に、若松監督役の井浦新は、『福田村事件』の澤田役を感じさせないどころか、井浦新であることすら感じないほど。
というか知らずにこの映画を観ていたら、最後まで井浦新だと思わないかも知れない。

シネマスコーレ木全支配人役の東出昌大は、確かに『福田村事件』の船頭によく似た顔立ちなのだけど、そこに宿っている人格が全く違い過ぎて、同じ人が演じているとは俄かには信じられないほど。

それは、コムアイも、田中麗奈も同じで、「『福田村事件』のあの人だ。」と考えるような事は、一瞬たりともありませんでした。

改めて、役者さんの力の凄さを思い知りました。
映画にかける思いや、集中力。本当に凄まじいものがあると感じるし、役作りについて真剣に考えて行動する事、それはやはり、そこに愛があるから、だと思うのです。

井上淳一役の杉田雷麟だけは、映画を観る以前にフライヤー画像などで『福田村事件』のあの子だ!と思ったけど、それは役作りがどうこうではなく、真っ直ぐな目が同じだったから。

メインキャスト4人のうち、唯一『福田村事件』に出ていなかった金本役の芋生悠がまた、とても表現力豊かで魅力的な役者さん。そして強い!

実は、この金本という子は実在の人物なのだろうか?という思いを持ちながら映画を観ていました。
というのは、この金本の存在、発言などに、映画『アジアの純真』(井上淳一脚本)の萌芽を感じたから。そして、それは『福田村事件』へとつながる思い、でもあるような気がして。
だとしたらその思いを植え付けたのは金本の存在?
いや、その思いが先にあって、金本という人物を生み出したの?
ただの青春物語ではなく、差別など井上淳一監督が感じている社会問題的なものを、この映画ではこういう形で表現してきたのかな、と。
それが、若き日に実際に経験した出来事なのか、この映画のために作られたエピソードなのか、それはどっちでもいいんだけど。

もしかしたら、そういう事も昨日買った「公式BOOK」に書かれているかも知れません。
読み応えたっぷりありそうな120ページ以上あるこの本、まだ井上監督の序文しか読んでいないので、とりあえず自分の感想を書き終わったら、じっくり読んでみるつもりです。

まったく的外れな感想を書いているかも知れないので、ちょっと読むのが怖いけど(笑)


(つづき)
PANTAさんを思う 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その3)

Dorutan


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