月: 2024年1月

「絶対に負けられない戦い」

今夜、AFCアジアカップ決勝トーナメント1回戦、日本代表vsバーレーン代表の試合があります。
ところが、この試合、TVでの中継がありません。

予選3試合の中でも、地上波TV中継があったのは、2試合目のイラク戦だけ。

絶対に負けられない戦いがそこにはある
というお馴染みのキャッチフレーズで、負けても次がある試合を放送したのは、テレビ朝日。

そして、その試合、日本は負けました。
予選3試合のうち、唯一の負け試合です。
(テレ朝いう所の)「絶対に負けられない戦い」に負けちゃったんですけど。

まあでも、実際には絶対に負けられない戦いだったわけではなく、1試合負けても、予選リーグは突破出来て、今日の予選トーナメント1回戦を迎えるわけです。

そして、この試合、TV中継はなし。
ちなみに、今日勝てば、その後の日本代表の試合は、テレ朝が放映権を持っているそうです。
勝ち抜いている限り、準々決勝、準決勝、決勝(3位決定戦の場合もあるのかな?)まで3試合、テレ朝が中継できるそうです。

しかし!

今日のバーレーン戦で負けたら、すべてがパー!
「すべてがパー」なんて言い方、昭和な感じで申し訳ないんだけど、すべてがお終いなのです。

(小さく※日本進出時と)

きっと「負けたから放映権料払わなくていい」って話でもないと思うのです。
その日放送する番組も変わり、それにともないスポンサーから入る金額も変わってくるでしょう。
色々と大損です。たぶん。

本当の意味で今日こそが絶対に負けられない戦い
特に、テレ朝にとっては、今日こそが、何が何でも絶対に負けられない戦い

そしてそんな絶対に負けられない戦いをテレ朝は放送しない。放送出来ない。

私、試合の前に、悪い結果など想像しないタイプだし、なんなら考えないようにする、そういう人間なのですが、今日はちょっとだけ考えています。

もし負けたら、テレ朝にとって、これほどマヌケな話はないよね、と。
(予選リーグもマヌケだったけど)


(追記)

色々な事情があるのでしょう。
そんな中、何試合かでも放送していただける事はありがたいと思っています。
ただ絶対に負けられない戦いの安売りはやめた方がよいのでは?という気持ち。
あと、私にはDAZNで観る選択肢はないので、最近では、海外の違法性のない無料中継サイトを探して(若干の技を使って)観ています。こうなってくるとTV局の役割がどんどん無くなっていきますよ、という話。


2024年1月後半に観た映画

なんと今日で1月が終わり。こうやって半月に一回、この「観た映画」を更新するたびに、早い早いって思いながら、2024年もあっという間に終わるのでしょうね。しっかり生きていれば。
21日にどるしゃあのワンマン公演があったので、この期間、あまり映画を観ていないような気もしたけど、そうでもなかった、1月の後半です。


☆印は、映画に対する評価ではなく、あくまでも個人的な好き度ランク。
☆5つ=大好き、☆4つ=好き、☆3つ=ふつう、☆2つ=ちょっと苦手、☆1つ=苦手
という感じ。


2024年1月後半に観た映画
2024年1月後半に観た映画

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しゃあみん2月のライヴ予定

2024年 2月ライヴ予定

1日(木)
碑文谷APIA40
「毒林檎」(Cello)

4日(日)
新丸子アリアナコーヒー
「Feather stole」(Pf)

7日(水)
武蔵小山COOLSMILE-66
「青い蝶」(E.G)

11日(日)
小田急相模原エルトピート
「鏡花」(Vo.B)

18日(日)
碑文谷APIA40昼の部
「Mirror Storm」(Key.Pf)


2月は1日(木)いきなり初日から「毒林檎」でスタートです、中々ヘヴィーな始まり(笑)

そして、続けて4日(日)には氏家さんの企画に「Feather stole」で出演、新丸子のカフェ。
この日は自分のピアノ持ち込みます。
楽しみ♪

7日(水)は武蔵小山6GRAMS改めCOOLSMILE-66での「青い蝶」
青い蝶は色んな所でやりたいバンドですね。
本当に楽しい♪

そして11日(日)には、小田原相模原エルトピートの「鏡花」
ここでの鏡花はちょっと違う感じ(笑)
毎回色々試させてもらってます。

そして、エルトピートで試していた事の一つの成果がこの新バンド。
18日(日)碑文谷APIA40昼の部にてデビューする「Mirror Storm」(ミラーストーム)
VoにFeather stoleの数音さん。
ギターに鏡花、虚構のクレーン、阿呆の匙のソメちゃん。
ドラムはスピアメン、鏡花の篠原さん。
ベースは熊のジョン、青い蝶等のアキラくん。
そして、私はキーボードとピアノ弾きます。
もう、これは間違いないメンバー構成です。
私は初めてのショルダーキーボードに挑戦しますし、アレンジはもう、私の好きなもの詰め込んだオモチャの缶詰状態(笑)
楽しみです。

どうぞ、2月もよろしくお願いします!
響き合うロックサウンドを目指します。



シーナ&ロケッツ『真空パック』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1979

シーナ&ロケッツ『真空パック』(1979年発売)

このアルバムは発売直後に入手し、以後、今日までどれだけ聴いたか分からないほど聴いています。
間違いなく1番多く聴いているシーナ&ロケッツのアルバムなのだけど、ただ「私を形成しているもの」と考えた時に『#1』とどちらを選出するか、若干迷いました。

私が初めに買ったのは、『真空パック』で、当初これがデビューアルバムだと思っていたのですが、これを聴きまくっている時期、シーナ&ロケッツのライヴにも何度か通っていた頃、「実はもう1枚『#1』というアルバムが出ている。泉ピン子のレコードを出しているエルボンレコードという所から。」という情報を入手。

鮎川さんから直接聞いたのか、鮎川さん~(シーナ&ロケッツの追っかけをしていた)友達経由で聞いたのか、なんとなく鮎川さんの語り口が脳内再生されるので、直接聞いたのかも。

しかし、そのアルバムなかなか置いてあるレコード屋さんがない!のだけど・・・さほど探し回る事もなく、神保町の中古レコード屋さんでなんなく入手!レコードの神様ありがとう。

それからは『#1』も、『真空パック』と同じぐらいの頻度で聴くようになり、今では「あれ「涙のハイウェイ」はどっちに入っていたかな?」ぐらいの混乱を生じるほど。

とはいえ、この2枚のアルバム、音的にはまったく傾向が違います。
『#1』は、ストレートなパンクロックに近い音。
『真空パック』は、ご存知YMO参加で、テクノポップ的なサウンドとの絶妙な融合を見せている。
どちらもそれぞれに魅力ある音。

『#1』のストレートなロックこそ、これぞシーナ&ロケッツ!
という思いもあるのだけど、『真空パック』は、一聴しただけであの時代の空気が蘇る、そんな魔法を持っている、自分にとって特別なアルバム。
当時の風景や、友人と過ごした日々をも心の中のスクリーンに投影させる力を持っている。まさにあの時代の空気を『真空パック』したように。
超ポップでキャッチーなサウンド&メロディーなのに、聴いていると切なくなる、そんなアルバム。

やはり、「私を形成しているもの」として1枚選ぶなら『真空パック』に決定!
今朝(鮎川さんの一周忌ですね)は『真空パック』を聴いて、ちょっと泣きながらこれを書いています。


※画像はネット上から拝借

ENO『ANOTHER GREEN WORLD』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1976

ENO 「Another Green World」(1975年発売)

ENO 『Another Green World』(緑世界)(1975年発売)

ENOのアルバムで一番初めに買ったのがこれ。
1975年(中3の時)発売だけど、買ったのは少し経ってから。
Bowieの『Low』(1977年発売)より先に、こっちを聴いていたから、1976年頃に買ったのかな。

このアルバムは、すぐに好きになり、この音の世界に浸かり、買った当時かなり聴きまくりました。というか、ずーっと愛聴盤。
今でも、よく聴くアルバム。
ENOにとっては、3枚目のソロアルバム。
この後、遡って1st『Here Come the Warm Jets』、2nd『Taking Tiger Mountain』も聴いたし、その後のソロアルバムやコラボ作品なども継続的に聴いてきたけど、やっぱり一番好きで、一番聴き込んだのは、間違いなく、この『Another Green World』

全体を覆っている空気感がたまらなく好きです。
楽器の音色やメロディー、声、全部合わせた空気感。
『Another Green World』というタイトルや、ジャケット画像も、その空気感によく似合っていて素敵。大好き。

ゲスト参加のRobert Frippが実に良いギターを弾いています。
この方、色々な人の客演時に、とても印象的な演奏を残しているんですよね。
Peter HammillやBlondieやDavid Bowie、他にもたくさん。
このアルバムでは、「St. Elmo’s Fire」「Golden Hours」辺りのソロが、いかにもFripp節炸裂で最高。

このアルバムを聴いていると、何か心がすーっと平らになるような気がします。
「Everything Merges with the Night」なんて、もう癒され過ぎて涙が出てくるほど。

心が何かとささくれだっていた10代の頃に、出会えて本当に良かった、と思えるアルバム。


余談ですが10代の私にとって、ある種トランキライザー的役割りを持っていたアルバムが2枚あります。
それは、このENO『Another Green World』とLou Reedの『Coney Island Baby』

※コロナ禍巣籠り中に他SNSに投稿した物を加筆修正して転載したものです
※画像はネット上から拝借

T.REX『Dandy In The Underworld』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1977

T.REX『Dandy In The Underworld』
T.REX『Dandy In The Underworld』

T.REX『Dandy In The Underworld』(地下世界のダンディ)(1977年発売)

はじめてオンタイムで買ったT.REXのアルバムがこれ。(確か日本盤発売日に購入)
その時、私、高校2年生。

それまで、「Get It On」などのヒット曲は聴いた事があったけど、LPには手が出ませんでした。(他に聴きたいのがたくさんあったから)

だけど、このアルバムは、ミュージックライフに載った広告を見た瞬間に何かビビっときて、発売日に学校を抜け出して買いに行ったのを憶えている。

そのまま、家に帰りレコードに針を降ろす。
音が出た瞬間にゾクっときて嵌った。

部屋に広がる音に身を任せる。幽玄の世界をたゆたうような歌声に魅せられ惹き込まれていく。
それからしばらくの間、このレコードばかりを聴いていた。

そんな具合に、ずっぽりと「地下世界のダンディ」にはまっていた時期に、高校の修学旅行があった。
修学旅行初日の朝、東京駅のキオスクで買ったスポーツ新聞。
そこに見つけた、マーク・ボランの死亡記事。愕然。

初めてオンタイムで購入したT.REXのアルバムが、T.REX最後のアルバムになってしまった。

忘れらないレコード。


(この後、Tyrannosaurus RexT.REX沼へとズブズブと引き込まれていく私でした)


※コロナ禍巣籠り中に他SNSに投稿した物を編集、転載したものです
※画像はネット上から拝借

QUEEN 『Sheer Heart Attack』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1974

QUEEN 『Sheer Heart Atack』
QUEEN 『Sheer Heart Attack』

QUEEN 『Sheer Heart Attack』(1974年発売)

Queenにはまったきっかけは中2の時にラジオで聴いた「Killer Queen」
はじめて聴いた時から、妙に魅かれる物を感じていました。

あまりロックっぽくなく、かといって他に何か例えるような音楽もない、独自の世界。
特に、歌とギターの音色に他にはない魅力を感じていました。

中3になってから、この『Sheer Heart Attack』を手に入れてすっかり惚れ込んだ次第。

当時、Queen、KISS、Aerosmith、という3つのバンドが、(ML誌上等で)よく並び称されていたのですが、実は、私、Queen以外はほとんど聴いていません。
別に嫌いじゃないんだけど、なんとなく、ちゃんと聴かないまま今日に至ってしまいました。

さて、このアルバム、とてもバラエティーに富んでいて完成度の高いアルバムだと思います。
1曲目の「Brighton Rock」で、いきなり、めくるめくQueenワールドに連れて行かれます。ワクワク感半端ない!!
素っ頓狂な歌声とか、ギターワークとか大好き。

で、終わるとスッと「Killer Queen」がはじまるわけですよ。

この後のA面の流れも本当に秀逸。「Tenement Funster」~「Flick of the Wrist」~「Lily of the Valley」のメドレーは流れとしても美しいし、一つ一つの曲も全部好き。 

そして「Now I’m Here」で締める。完璧な流れ。

B面も好きだけど、A面だけ聴く機会の方が多いかも。

まあ、そんな風に大好きなアルバムなのですが、Queenで、一番多く聴いてきたのは『オペラ座の夜』かな。
まあ、はじめの4枚は、どれもかなり聴きこみました。

その後のアルバムも、なんとなく聴き続けてきましたが『オペラ座の夜』以後、『華麗なるレース』でちょっと気持ちが醒めちゃって、次に「おおっ!」と思ったアルバムは、なんと『イニュエンドウ』でした。

Queenは、ほとんど同時代を生きてきたバンドなのに、ライヴは全然経験していなくて、一度だけ観たのは、Queen + Paul Rodgersの横浜アリーナ。

それはそれでとても感動しましたが、フレディを一度も観ていない事は不覚という他ありません。



※コロナ禍巣籠り中に他SNSに投稿した物を編集、転載したものです
※画像はネット上から拝借

小澤征爾『ボクの音楽武者修行』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1976

小澤征爾著 「ボクの音楽武者修行」(新潮文庫 昭和57年初版)

※画像は自分の蔵書(ボロボロ)

今や伝説的な指揮者小澤征爾が、まだ駆け出しの指揮者だった時分に著した、若き日のヨーロッパ武者修行旅などのエッセイ。

この本は、何度も読みました。
大好きな本です。
はじめに読んだのは、高校生の頃、図書館で借りて。
後に文庫本で購入し、それからはふだんの電車移動中や入院中、海外に行く時などにもよく持ち歩いていました。


こんな事ってあるの!?というぐらいすごい話の連続。
しかも本当にあったすごい話。

小澤征爾が若い頃、ヨーロッパへと旅立ちます。
富士重工製の125ccスクーターと共に船で。

ほとんどノープランで出かけ、マルセイユからパリまでのスクーター旅、背中にはギターを背負って。

パリでたまたま知った指揮コンクール(ブザンソン国際指揮者コンクール)に出場。
そして優勝!

そこからは、あれよあれよと、シャルル・ミュンシュやバーンスタインとも邂逅。
さらにはカラヤンの弟子に!

語られるエピソード全てがあまりにもぶっ飛びすぎていて、ものすごく面白い。
しかも、ものすごい話なのに自慢話のような感触は全く感じられず、サラっと面白く読ませてくれるのは、人柄なのでしょう。

とにかく読後感が爽やか。

ずーっと後に、小澤征良(小澤征爾の娘)のエッセイ「おわらない夏」を読んだ時にも、全く同じような爽やかな気持ちになりました。

私は、人と自分を比べて、羨んだり妬んだりしない性質なのですが、これには、こんな環境に生まれたら面白かっただろうなぁ~と軽い憧憬のような気持ちは覚えました。

でも、いくら環境が整っていたとしても、これが出来たのは紛れも無く「小澤征爾」だったからこそ。

※コロナ禍巣籠り中に他SNSに投稿した物を編集、転載したものです

五味康祐 『西方の音』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1986

五味康祐 『西方の音』(1969年 新潮社)

※画像はネット上から拝借

中学生の頃、オーディオに興味を持ち、その後も、常に気になりつづけているオーディオの世界。
そしてオーディオへの興味から読んだのがこの本。
五味康祐 『西方の音』

いつ読んだのか正確な所は思い出せないのだけど、まあ25歳ぐらい1986年という事にしておきましょう。

古本で単行本を購入(箱入りのハードカヴァー版)、今は手元にないのでおぼろげな記憶に頼るしかないのだけど、かなり毒舌でベートーヴェンのピアノ協奏曲をこきおろしたりしている。
しかし、それは音楽に対する愛ゆえの毒舌。
だから、まったく嫌な気持ちにはならない。

一番、印象に残っているのは、タンノイのスピーカー、オートグラフを日本で初めて購入(個人で輸入)した話。

船便で届いたそれを見た時の大きな喜び、わくわくしながら音を出し、はじめて出た音に愕然とがっかり、しかし配線を間違えた事に気づき、ちゃんと出た音を聴いた時の喜び。
(これ記憶だけで書いているので、こういう表現じゃないし、間違えがあるかも知れません)

その大きな感情の浮き沈みに、こちらまでドキドキしながら読んだ事を鮮やかに憶えています。

そして、もうひとつ印象に残っているのは、娘さんがベーゼンドルファーのピアノを弾いていたという話。
ベーゼンドルファーというオーストリアのピアノメーカーの事は、この本を読んで初めて知り、それ以来とても気になっていました。

ある日、宮沢明子さんのモーツァルト・ピアノ・ソナタ集をCD屋さんで手にした時に、ベーゼンドルファーのピアノを使っているという事が(1つのセールスポイントとして)帯に書いてありました。

そこに興味を抱いて購入。
後に知ったのですが宮沢明子さんは有名なベーゼンドルファー使い。

さらにこの録音を担当したのが菅野沖彦氏。

オーディオ評論家としての菅野沖彦は、良く知っていたのですが、レコーディングエンジニアとしての菅野沖彦に触れるのはこれが初めて。

そのCDは愛聴盤になりましたが、その事に関しては、また別の話として。

オーディオへの興味から「西方の音」を読む→ベーゼンドルファーのピアノを知る→ベーゼンドルファーに関心を持ち、そのピアノを弾く宮沢明子のCDを購入→そのCDのエンジニアは菅野沖彦→菅野沖彦はオーディオ評論家としてかねてから良く知る存在

という感じで、オーディオを起点として、また旧知のオーディオの世界へ戻る、そんな面白い展開をもたらしてくれた本でもあります。

※コロナ禍巣籠り中に他SNSに投稿した物を編集、転載したものです

井上陽水 『陽水II センチメンタル』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1975

『陽水II センチメンタル』
『陽水II センチメンタル』

井上陽水 『陽水II センチメンタル』(1972年発売)

井上陽水は、中2の時、I君に録音してもらって初めてちゃんと聴きました。
I君にはお兄さんがいて、家には立派なコンポーネントステレオがあり、たまに遊びに行っては、レコードを聴かせてもらったり、聴きたいレコードを録音してもらったりしていたのです。

90分のカセットテープに2枚ずつ入れてもらった、陽水の初めの4枚のアルバム。
「断絶/センチメンタル」
「氷の世界/二色の独楽」

一気に4枚のアルバムを聴く事になったので、どのアルバムが一番という事もなく「すげぇ!すげぇ!」と全部同じように聴いていました。

ただ、その中で『陽水II センチメンタル』を取り上げようと思ったのは、言葉の感覚の鋭さ、ヤバさでガツンとやられた「東へ西へ」等について触れたいと思ったから。

井上陽水、もちろん、歌声、メロディー等すごいと感じるポイントはいっぱいありますが、当時まず衝撃を受けたのは、とにかく、言葉がヤバイ(キケンな意味で)!
怖いとすら感じていました。

♪満員、いつも満員、床に倒れた老婆が笑う♪(東へ西へ)
って、ゾッとしませんか?このイメージ。

♪満開、花は満開、君はうれしさあまって気がふれる♪(東へ西へ)
って、怖くありませんか?このイメージ。

頭の中にイメージが湧きまくるんですよ。なんなら上村一夫の絵で。

いやほんと、恐ろしい・・・

他にも

♪帽子を忘れた子供が道で 直射日光にやられて死んだ♪(かんかん照り)

♪バスの中はとても寒いけれど 君の嘘や偽り程じゃない♪(夜のバス)

♪列についていけない者に またくる春があるかどうかは 
誰も知らないただひたすらの 風まかせ♪(神無月にかこまれて)

などなどあげていったらキリがない、ちょっと邪悪で、斜めから斬りおろすような、下手したら後ろから斬りつけるような言葉達。(本人は斬りつけておいてニヤリと笑っている感じ)

イメージの嵐。

それが美しいメロディと、美しい音、一度聴いたら忘れられない声で、心に届くのだからたまったものではありません。

すっかりやられてしまった中学生時代の私。

邪悪じゃない歌もたくさんあるのですが(上記の歌達も邪悪というわけではない)、まさしく中2病真っ只中でしたから「気がふれる」とか、そういうイメージに弱かったのでしょう。

後の作品でも色々すごい言葉のイメージがあるけれど「娘がねじれる時」なんて、タイトルを見ただけで「え?やめて」って思いました。



※コロナ禍巣籠り中に他SNSに投稿した物を編集、転載したものです
※画像はネット上から拝借