PANTAさんを思う 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その3)

PANTAさんを思う 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その3)

昨日、井上淳一脚本、監督作品『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』のマスコミ試写会へ行ってきた。

と書き出しは同じだけど、これは「その3」です。
「好き」の熱量 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その1)
「福田村」からの「青春ジャック」 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を観て(その2)

その1、その2は、映画の感想的なブログでしたが、その3は思い出話。

試写会が終わっての帰り道、車を運転しながら考えていたのは、PANTAさんの事。
正確に言うと、試写会へ向かう車の中でも、PANTAさんの事ばかり考えていた。

PANTAさんが生きていたらきっと、一緒に試写会へと向かったのだろうな、と。
所沢のPANTAさんの家に、私の車を置き、2人でPANTAさんの愛車ルドルフ号に乗って。

コロナ前の何年かは、何度もそうやって東京へと向かった。
昨日は、同じ道をひとり、PANTAさんを思いながら車を走らせた。

何度か書いているけど、井上監督とはPANTAさんを通して知り合った。
2017年7月7日、長野の映画館、相生座 ロキシーでの映画『大地を受け継ぐ』の舞台挨拶へと3人で向かったのが最初の遭遇。(私は運転手として)

というか、あれ、7月7日だったのか・・・PANTAさんの命日じゃん。

その車中で、主に私は聞き役だったのだけど、井上さんの話を聞いていて、この人とは通じ合う部分がたくさんあるな、と感じていた。

この時は、確か翌日に長野の方々と何人かで松代大本営跡(松代象山地下壕)へ見学に行ったはず。



この年には、10月にも3人で長野ロキシーに行っていて、それは映画「いぬむこいり」のトークイベント&同日夜のインディア・ザ・ロックでのPANTAさん弾き語りLIVEのため。言うまでもなく、私は運転手(件ローディー的な人)として。

この時は、帰り道所沢インターを降りてから、PANTAさんの発案で急遽、鈴木書店へと向かった。
鈴木書店とは、PANTAさんが「さようなら世界夫人よ」を歌う前に、必ずと言っていいほど毎回MCで紹介する本屋さん。高校生の時、この本屋でたまたま手にしたヘルマン・ヘッセの詩集に載っていたのが「さようなら世界夫人よ」なのだ。

(ここから文体変えます)

そんな日本ロックの名曲生誕の地とも言える、特別な本屋さん。所沢鈴木書店の前に立ち、私も井上さんも興奮していました。

その頃と同じ場所に、あり続けた鈴木書店の姿に感動すら覚えていたのです。

しかし、それからほどなく、PANTAさんと2人で鈴木書店の前を通ったら、鈴木書店の姿は跡形もなく消えていました。
まるであの日の鈴木書店が幻だったかのように。
あの日、最後の姿を、私と井上さん、そしてPANTAさんに見せてくれたのでしょう。


この少し前には、私とPANTAさんは2人で韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観に行っています。
井上さんが絶賛していたから。
「井上さんが絶賛してましたよ。」「じゃあ観に行くか!」という感じで。

こんな風に、小さなエピソードはたくさんあるのだけど、映画と音楽が、PANTAさん井上さんとの結びつきを深めてくれた事は間違いありません。

そしてその結びつきによって、井上淳一脚本による唯一のピンク映画『ツンデレ娘 奥手な初体験』の音楽を私たち、どるたん+しゃあみんがやらせていただくという展開もあり、その『ツンデレ娘 奥手な初体験』の初号試写の日には、PANTAさんと井上淳一関連作品2本(もう1本は、井上淳一監督作品『誰がために憲法はある』)の試写会を梯子するという事もありました。
過去ブログ『PANTAさんと試写会梯子』参照


そんなPANTAさんが、この日、井上淳一脚本、監督による自伝的作品『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』の試写会にいないという現実。
一緒に観る事が出来なかったという寂しさ。

試写会終了後の帰り道、いつもPANTAさんと一緒に通った道を、1人で車を走らせながら考えていた事は、もしPANTAさんが一緒だったら、帰り道の車の中では、2人でバカ笑いしながら感想をあれこれと語り合ったのだろうな、という事。
絶対にPANTAさんは「井上監督役の雷麟くんは二枚目過ぎるだろ!」と言ってバカ笑いするはず。
(PANTAさんに限らずみんな言ってるけど)
そして役者さんひとりひとりの印象も語り合っているはず。
特に芋生悠さんの素晴らしさを力説していそう。
さらに、絶対に音楽の素晴らしさを語り合っているはず。こんな感じで。
「岳は良い音楽作ったなぁ」
「メロディはもちろんだけど、楽器のセレクトや音色が抜群ですよね」

そんな想像があまりにもリアルに頭に心に浮かんできて、ふいに涙が溢れ出しました。

実は、私、未だにPANTAさんの死を受け止め切れていなくて、しっかりと悲しんだり、泣いたり出来ていないのですが、たまに何かが心に触れ少しだけ涙が出るような事があります。


もしかしたらこの日、PANTAさんの死後、一番たくさん涙が出たかも知れません。
これ書いていて、またちょっと涙出たし。


最後に、PANTAさん、井上さんと3人で写っている写真がないので、(『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』での、井上さんの父親役)田中要次さんと4人で写っている写真を。『PANTAさんと試写会梯子』の時の写真です。

なんだか、私だけフライヤー持っていなくて、一番偉そうな・・・ごめんなさい。

Dorutan


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