The Rolling Stones『BLACK AND BLUE』
私を形成しているもの
今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。
1976
The Rolling Stones – BLACK AND BLUE [1976]
これが私のベスト・オブ・ストーンズ・アルバム。
というのも、初めてオンタイムで買ったストーンズのアルバムがこれなのです。
たしか、高校1年生の時で、それまでは、ストーンズは初期のベストしか持っていませんでした。
「サティスファクション」とか「テル・ミー」しか知らなかったわけです。
まあ「悲しみのアンジー」はヒット曲として知っていましたけど。
そんなガキが、いきなりこれを買ってしまったわけです。
正直な所、はじめは若干ですが「やっちまった・・・」感がありました。
このアルバム、とてもファンキーであったり、ディスコぽい事や、レゲエっぽい事をやっていたりするわけです。
「サティスファックション」や「ストリート・ファイティング・マン」みたいな骨太ロック的なものを、期待していたら変な声で「チョンワ!」なんて言っているのです、ミック・ジャガーが。
それは、当時の私にとっては、あまり馴染みのない、どちらかというと苦手な部類の音でした。
でも、その頃はLPを1枚買うというのは、本当に大変な事だったので、買ってしまったからには聴くわけです。何度でも。
幸い、シングルカットされた「愚か者の涙」は、当時ラジオでもよくかかっていて耳馴染みもあり、「悲しみのアンジー」と同じような感覚で聴く事が出来たし、それと同じような音作りの「メモリー・モーテル」というバラッドの大名曲も入っておりまして、その辺から徐々にね。
まあ「愚か者の涙」と「メモリー・モーテル」を聴くためにアルバムを通して聴いていたと言っても過言ではないかも知れません。その頃の私は。
買ってしまったアルバムがもったいないから、必ず通して聴くわけです。
不思議な事に当時は、時間がもったいないという感覚は全然なくて、あくまでもアルバムがもったいなかった。
すると、だんだんと耳にも心にも身体にも馴染んできたのです。
全ての曲が。
アルバム1枚通しての空気が。
で1番好きなストーンズのアルバムになったという次第。
だって、その頃、他にストーンズのオリジナル・アルバム持っていないので、当然ナンバー1。
その後、高校時代には「山羊の頭のスープ」や、キングから1500円で出た初期のアルバムも、買っていきましたが、ナンバー1の座は揺らぐ事はありませんでした。
あ、いや、ちょっとウソかも知れない。
正直に言うと「ベガーズ・バンケット」や「レット・イット・ブリード」あたりは、楽曲の「好き度」では上回っているかも知れませんが・・・
でもね、思い出というか、買った頃の空気感というか、なんというか。
そんな物がいっぱい詰まっているのです「BLACK AND BLUE」には。
いや、レコードに詰まっているわけではなく、聴くと色々な感覚が蘇るのか?
当時の部屋のレイアウトや、ステレオの音、そこで過ごした時間。
レコードを聴いていた時の気持ちや感覚が、すごく鮮烈に蘇ってくる。
そういうレコードは何枚かあるのですが、そのうちの1枚がこの「BLACK AND BLUE」なのです。