アコースティック音楽嗜好 ‐70‐

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珠玉の小品、隠れた名曲 その38

Roy Harper – Davey

Roy Harper 1970年発売の4thアルバム『Flat Baroque and Berserk』からの1曲

 Roy Harper - Flat Baroque and Berserk
Roy Harper – Flat Baroque and Berserk

このアルバムは、全編アコースティックギターの弾き語りが中心になっているアルバム。
そして、短めの曲も多く「珠玉の小品」として取り上げたい曲だらけ。
1分台の曲が、3曲も!

今朝、このアルバムを久しぶりに通して聴いてみて、改めて、良い曲、好きな曲がたくさん入ったアルバムだな、と感心した次第。

「アルバムを通して聴いた」と言ってもCDをリッピングしたFlac音源で聴いたのですが。
以前は、アナログ盤もCDも持っていたのに、今は音源データしか持っていません。
こういう音は、アナログ盤で聴き直したくなりますね。
と言っても買い直したりはしないと思うし、特に後悔みたいな感情もありません。終活的な意味もあって手放したので。

それはそれとして、良い曲の詰まったこのアルバムの中から「Davey」という曲を選んだのは、たった1分30秒ほどの中に私の好きな要素が詰まっているから。
導入部の2本のアコースティックギターの音色。スリーフィンガーのアルペジオに乗せてのスキャットで一瞬にしてこの世界に引き込まれます。音の響き、メロディー、声、すべてが私の琴線に触れるのです。郷愁をかきたてられるような感覚。
すぐに短い歌が始まり、その歌詞も私レベルの英語力でもなんとなく分かる、これまた郷愁をかきたてられるようなDaveyと私の物語。ただラストの一節だけがとても気になります。

We stood along times tide line
As he washed us both away

彼って誰?
戦争か時代か何かの暗喩なのか、実際の誰かなのか、波の比喩で実際に流されちゃったのか(そんなことはなさそうだけど)、みたいな。
そこまで語り終わると、曲がサッと終わってしまうのも、なんとなく好き。
一瞬感情を置き去りにされるのだけど、次の曲「East Of The Sun」が、のどかな感じで始まるのが、また良いのです。

この曲、アルバムの中で、B面2曲目というポジションがまた良い。
B面1曲目を飾る名曲「Another Day」の余韻の中から、立ち上がるアルペジオ。
そして1分30秒程度でサクっと終わると3曲目「East Of The Sun」の、のどかなギターとハーモニカ。
絶妙な立ち位置だと思います。

「Davey」を「珠玉の小品」として取り上げましたが、前述のとおり良い曲の詰まったアルバムです。興味のある方はぜひアルバムを通して聴いてみてください。




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