Category Archive : MUSIC

レコードを聴きながら

昨日から今日にかけて、なんとなくアナログ盤を集中的に聴きまくっていました。

最近はPCの前にいる事が多いので、音楽を聴くのはデスクトップ環境で、CDをリッピングしたものを聴くか、サブスク配信のものを聴くか……はっきり言って音楽を聴くというよりも、音楽を流しているという感じです。
そんな環境でも一応しっかりと音楽に向き合おうとする事もあるのだけど、どこか集中していない自分がいます。

で、たまにPCの前を離れて、アナログ盤を聴くと、しっかりとその音楽の世界に入り込むことが出来る。それだけではなくて、流れてくる音楽と共に色々な思いが浮かんだり、余計な事を考えたり、そういう時間がとても幸せ。

回転するレコード盤や、ジャケットを眺めながら流れる音に耳を傾けるという時間は、視覚的にも、聴覚的にも満たされるし、そこにおいしい紅茶やコーヒーがあれば、味覚も嗅覚も幸せ。

そんな、なんとも贅沢な時間を過ごしていました。
安上がりなのに贅沢。

そして、そんな時、感覚的に一気に過去に引き戻されて泣きそうになった瞬間があったので、ここに書き記しておこうと思います。

それは、昨日、ビートルズ関連のレコードを次から次へと色々と聴いていた時に起きた出来事。

『MAGICAL MYSTERY TOUR』というアルバム(LPレコード)。
これは中学生の時に、はじめてレコード屋さんで自分で買ったビートルズのアルバム。
2曲目に収められた「The Fool on the Hill」、この曲は、ビートルズの中で1,2を争う程大好きな曲。
当時の(今も)自分の心境、心情に寄り添ってくれるような歌詞に落涙した事は、1度や2度ではありません。

で、そんなアルバムのそんな曲を聴きながら、高校1年生の時のある瞬間が蘇ってきたのです。

それは、自分の部屋にはじめて、コンポーネントステレオがやってきた日。
プレーヤーは、テクニクスSL-1300、アンプはパイオニアSA-8800、スピーカーは・・・みたいな感じで揃えた、まあそれなりにいい感じのオーディオセット。

真ん中のラックにアンプ、チューナー、カセットデッキが収まり、一番上には、プレーヤーが置かれ、その左右にスピーカー。
狭い部屋になんとか収まったそのステレオで当時持っていた数少ないレコードの中から、初めにかけたのが『MAGICAL MYSTERY TOUR』。
1曲目の「MAGICAL MYSTERY TOUR」が流れた時から、その迫力に「うおっ!」とのけぞるように感動していたのですが、もっと大きな感動を覚えたのが、2曲目の「The Fool on the Hill」。

狭い部屋、ステレオの真正面、近距離で床に座る。
正面にはコンポが収められたオーディオラック、その左右にスピーカー。
スピーカーの左右何もない空間(いや左にベッド、右に本棚がある空間)にまで、ピアノやギター、リコーダーの印象的な音色が広がる。
そして、真ん中のオーディオラックの場所から、ポールの歌声が聴こえてきた。

「そこ音が出る場所じゃないじゃん!?」

驚きのあまり、オーディオラックに片耳を近づけてみたりなんだり、そこにポールが実際に存在するかのような、なんとも不思議な実像を感じたのです。虚像だけど。

(余談ですが、その瞬間から、自分の中で、オーディオ装置に求める物の優先度が、音色や迫力よりも音場の再現性になったように思う)

それまでモノーラルの卓上プレーヤーでレコードを聴いていた私には、その感覚がすごく不思議かつ感動的で忘れられない瞬間、忘れらない時間だったのです。
その時の感覚が、昨日蘇ってきました。

今は、当時よりは若干広い部屋で、真ん中にちょっと大きめのTVがあり、TV下のラックにコンポが収まり、その左右にスピーカーという環境で聴いているのですが、当時と同じように床に座り近距離でのリスニング。

すると、「The Fool on the Hill」で左右に広がる楽器の音、真ん中のTVの画面の、そのまた真ん中から聴こえてくるポールの歌声。

「ああ、この感じ」

一瞬にして、高校1年生の時のあの時、あの部屋、あの音の感覚が蘇ったのです。


この人生において色々な物を手に入れたり、手放したりしてきたけれど、このレコードを手放さなかった自分に感謝。

マーチが好き過ぎる

9月2日
上野の東京文化会館大ホールで開催された、陸上自衛隊東部方面音楽隊 第80回定期演奏会に行ってきました。


少し前に観た映画『異動辞令は音楽隊!』(警察音楽隊の話)の感想にも書いたのですが、私、警察や自衛隊の音楽隊が大好きです。
というか、吹奏楽、特にマーチが大好きで、大阪桐蔭や京都橘高校吹奏楽部の動画もふだんからよく見ています。

実は、今年のお正月に「マーチが好き過ぎる」というテーマでブログを書きかけていました。
きっかけは、NHK FMの番組『クラシックの迷宮』で「日本の“マーチ”で新年を祝う」というテーマの特集を聴いた事。

その前にも、2020年に「ホルンの音が好き過ぎる」というブログ記事を書いた時に、続編的に「マーチが好き過ぎる」ブログを書こうとしていました。

2度とも、書きたい事が多すぎて挫折したのですが……下書きは残っています。

今年のお正月に書きかけた下書きを少し引用すると、

1月7日放送のNHK FM『クラシックの迷宮』
「日本の“マーチ”で新年を祝う」というテーマでした。

「三百六十五歩のマーチ(カラオケ)」で始まり、水前寺清子の歌う「三百六十五歩のマーチ」で、終わるという、おおよそ「クラシック」の名を冠した番組らしくない(けど素晴らしい)選曲。
2曲目にかかったのが、宮川泰作曲「ゲバゲバ90分!」テーマ
本当に胸躍る素晴らしい選曲。
さらには「リボンのマーチ(「リポンの騎士」エンディングテーマ)」がかかり、「ビックX」の主題歌がかかる。

子供時代に胸躍らせた曲の数々。

と、ここまで書いた後に、子供時代に胸躍らせた曲がアレコレと浮かんできて収拾がつかなくなりました。

例えば、科特隊のテーマも、ウルトラ警備隊のテーマも、大好き過ぎるマーチ曲。
『シン・ゴジラ』で流れた時には、高まりすぎて落涙を禁じえなかった「怪獣大戦争マーチ」。
「サンダーバード・マーチ」に「ガメラ・マーチ」、『仮面の忍者 赤影』の「忍者マーチ」、『マグマ大使』のオープニング曲。
アニメや特撮物のテーマや挿入曲だけでも、枚挙に暇がないのに、スポーツテーマなど、胸躍り心高まる曲のなんと多いことか。

(この陸海空自衛隊の「怪獣大戦争マーチ」最高!)

同世代の方々はきっと、上にあげたような曲を聴けば、心高まること間違いないと思うのですが、「マーチが好き」と公言する人に出会った事はありません。
「ロックが好き」とか「フォークが好き」とか「ジャズが好き」とか「クラシックが好き」とか、そういう人は、たくさんいるけど「マーチが好き」という人は、今までに1人も出会っていないのです。
そんな中ですが、公言します「私、マーチが大好き」、むしろ「マーチが好き過ぎる」のです。
フォークやロックに出会う以前に、しっかりと心の奥に刻まれた音楽の形態、それは、マーチ。
自作曲を宅録する時にも、気づけばドラムの音はマーチ風。

私たちの年代には「マーチが好き」と意識していなくても、上記したような曲たちを聴くと自然と心高まる、そういう人は多いはず。
もしかしたら、もう少し前の世代や後の世代、平成生まれやZ世代などにはない、私たち世代(と言っても1960年前後10年ぐらいの広めの世代)だけの特色かも知れないな、と思います。
子供の頃、自然に耳にした素晴らしいマーチ曲の数々。

私は、細野晴臣(1947年生まれ)のラジオ番組をよく聴くのですが、細野さんは、フレッド・アステアなど1940年代50年代のスクリーン・ミュージックやその時代のポップミュージックが大好きでよく流します。
それらの曲を聴く時、その時代を体験していない私が聴いても、ノスタルジックな気分になり、うっとりします。はっきり言って好きです。
でも、やはり子供時代に聴いた音楽のような、心の高まりまでは感じない。細野さんにとって特別大好きな音楽は、自分にとって特別大好きというほどではないのです。
子供時代に聴き、心に染み込んだ音楽というのは、いくつになっても、いや、むしろ年を重ねれば重ねるほどに、特別な物になっていくような気がしています。私にとってのそれはマーチ。

そんな、マーチ好きの私がかねてから興味を持っていた、自衛隊音楽隊(今回は陸上自衛隊東部方面音楽隊)の定期演奏会に行ってきたというお話。
前置きが長すぎて、ただただ「マーチが好き過ぎる」話で終わってしまいました。

演奏会の事は、改めて書くかも書かないかも。

9月1日~2日の心もよう

9月1日
PANTAの献花式の日。
家庭の事情で参列は諦め、家で過ごす。

相変わらず、PANTAの死は受け止め切れていないのだけど、日々、何かとPANTAの事を考える時間が多くなっている。
献花式に行って、PANTAを通じて知り合った方々に会って、何かしらの言葉を交わしあえば、少しは死を実感として受け止められたのかな、とも考える。

9月2日
上野の東京文化会館大ホールにて、陸上自衛隊東部方面音楽隊 第80回定期演奏会を鑑賞。



演奏会の事はさておき、東京に行って帰ってくるだけで疲れます。
前日、渋谷でのPANTA献花式に行っていたら、この日の演奏会には、行けなかったかも。


陸自と言えば、PANTAさんと2人で行った、りっくんランド!(2018年)とか。
上野に来るのは、PANTAさんと一緒に水上音楽堂に来て以来(2019年)、とか。
ここでもPANTAさんの事を考えている私。
りっくんランドに行った時に、音楽隊が好きという話もしたので、もし、今も元気なら、PANTAさんを誘っていたと思うのだけど、残念ながらそれはかないませんでした。


とりあえず、気持ちをサクっと書きましたが、演奏会の事、上野の事など、気が向いたらもう少ししっかり書きたいと思います。が、書かないかも知れません。

(PANTAに敬称付けたり付けなかったりしているのはなんとなく)

PANTAさんとGoodstock Tokyo

いよいよ、あと1週間足らず!
今度の日曜日、8月6日は、どるたん+しゃあみん Goodstock Tokyoでのワンマン公演です。

思えばこのGoodstock Tokyoにはじめて訪れたのは、PANTAさんのお伴として。
その時に、店長(?)の新見さんを紹介していただき、ソロのデモ音源などを渡し、いつか出演させて欲しいと(苦手な)出演交渉をしたのでした。
その頃は、まだ、どるしゃあのデモ音源は、なかったのです。

それから、ほどなく出演の機会を得て、どるしゃあのワンマン公演シリーズがはじまりました。

その第1回目は、2017年10月18日。
これまたPANTAさんを通して知り合った、頭脳警察のドラマー樋口素之助がカホンでゲスト参加してくれました。

(どるしゃあ初ワンマン公演 with 樋口素之助)

この公演の後に、新見さんが書いてくれた感想があります。
自己PRや売り込みがまったくもって苦手な私たち、自分たちの音楽をどのように言葉で伝えてよいのかわかりません。そんな私たちにとって、この文章は本当にありがたくて、許可を得て、当時チラシに転載させてもらいました。
改めて、以下に転載いたします。


昨日のGoodstock Tokyoでライブは「どるたん+しゃあみん」
久しぶりにとんでもないユニットに出会ってしまった。

7月16日PANTAソロライブの時に「どるたん」を紹介され、昨日のライブが決まった。
音源をもらって聞いた時は一瞬引いた・・・。
理解できなかった。しかしPANTAさんの紹介。なにかあるはず。

そして昨日、初めに楽屋入りしてきた「しゃあみん」物腰が低くアー写のイメージとは違う。
先にチェロのサウンドチェック。
正直あまりチェロの音を知らないので、音響卓で試行錯誤。
そうこうしてると「素之助」も登場今月3回目。
続いて「どるたん」楽屋入り。ニコニコ入ってきた。
3人揃ったところで早速リハーサル。
始まった瞬間、今までに感じたことのないような世界観の音楽だった。
いや、1968~9年に初めて聴いた「五つの赤い風船」「早川義夫」や「浅川マキ」の時に感じたような音楽だ。
もちろん楽器も編成も歌も違うのだが、何か共通するものを感じた。

本番が始まって、お客さんの反応を見てると1曲めは様子見、2曲めには引き込まれて、3曲めではすっかり「どるたん+しゃあみん」の世界にハマってる。
決して上手いとか、美しいとか、メロディアスとか・・・ではなく、全く違う世界。
一歩間違うとお客さんはドン引きしてしまうのではないかと思えるようなステージ。
1部終了時には完全にお客さん全員を世界に引き込んでいた。もちろん私も。
休憩時に思わず「素之助」に2部から入って、ステージをぶち壊すなよって言ってしまうほど(笑)(素之助ごめん)
ステージ後半はそんな「素之助」が入り、音の厚みが増して緊張感があるが和やかでもあるライブになった。
最後はダブルアンコール・・・。

ライブハウスをやっててよかったと思える夜だった。

「どるたん+しゃあみん」「素之助」またステージお願いします!

2017.10.19 Goodstock Tokyo 新見知明


これ久しぶりに読んで思ったのは、もしかしてPANTAさんの紹介じゃなければ、出演出来なかったのではないだろうか!?という事。
新見さんですら「音源をもらって聞いた時は一瞬引いた・・・。理解できなかった。」って言ってるのだから。
ちなみに新見さんは、上の文中に登場する、「五つの赤い風船」や「早川義夫」のマネージャーをされていた方。
そんな方にも(一度聴いただけでは)理解できない音楽を私は作っているのでしょうか?
理解しづらいような音楽を作っている意識はなくて、気持ちのままにやっているだけなのですが・・・・・・

でも、その後今日に至るまで、しっかりとどるしゃあの活動を支えていただけるようになりました。
ワンマン公演も、8月6日で27回目になります。そんなGoodstock Tokyoとの縁を繋いでくれたPANTAさんは、7月7日に亡くなられてしまいました。
正直未だに実感として受け止められずにいる私ですが、8月6日は、PANTAさんへの思いを込めたステージにいたします。しっかりとPANTAさんに届くように、歌い、演奏いたします。

PANTAさん、私たちに特別な場をあたえていただきありがとうございます。

(PANTA with どるしゃあ 最初で最後の共演 2015年12月13日 小田原Route1)

よろしければ一緒に過ごしましょう。
よろしくお願いいたします。


2023年8月6日(日)

大岡山 Goodstock Tokyo

DORUTAN+SHARMIN : RECITAL SERIES Vol.27
(どるたん+しゃあみん ワンマン公演)

どるたん+しゃあみん ワンマン公演

どるたん+しゃあみんワンマン公演&有料配信ライブ

12:30開場 13:00開演(配信スタート)
前売り・予約 3,000円/当日 3,500円(税込み・ドリンク別)
配信視聴チケット 3,000円
有料配信詳細・チケット購入
https://www.staglee.com/events/7714/
http://www.goodstock-tokyo.com/

〒145-0062
東京都 大田区北千束3−20−8
スターバレーII B1F
03-6451-7396


心の落ちつき失せて

2023年7月7日
PANTAさんの訃報が届く。

それから1週間。

ずっと呆けている。

しっかりと受け止める事が出来ていないのだ。

いつもと同じように朝を向かえ。

大谷翔平の活躍とチーム状況に一喜一憂し。
オールスターゲームを楽しみ。
7月になって次々にはじまった新TVドラマやアニメを楽しみ。
NPBの結果に一喜一憂し。

そして、夜になったら寝る。

悲しみが全然湧いてこない。
そんな、どこかフワフワした精神状態で、この1週間を過ごしてきた。

その間、頭脳警察やPANTAの音源を聴き、それなりにジンとしたりはしたものの、よく分からない感覚。

今日は、午前中から、ギターを持ち出して、頭脳警察やPANTAの曲をあれこれ歌ってみた。
ふだん、色々な歌をカヴァーする時に、なんだか変な感情がこみ上げてきて、歌いながら泣くという事がよくある私なのだが、なぜか今日は、全くそんな瞬間は訪れなかった。

そのうちに「録画してYouTubeにでもあげてみるか!」と思い立ち、撮ったのがこれ。

頭脳警察「心の落ちつき失せて」

出来はともかく、PANTAさんはきっとチェックして、苦笑しつつも喜んでくれている。
そんな気がするのです。

PANTAさんから「どんどんカヴァーして。」と、よくいわれていたので。
それどころか、とんでもない無茶振りもされていました。

ひとつは「七月のムスターファ」
不思議軍のベース、ルイス稲毛とPANTAさんの会話。
ル「七月のムスターファすごいですね。最高です!」
P「じゃあ、君たちもやってよ。」

無理でしょ!!
あれは、PANTAさん以外に表現出来る人いない。

もうひとつは「落ち葉のささやき」のセリフ入りバージョン。
ど「セリフ入りはじめて聴きました!かっこよかった!!」
P「じゃあ、どるたんもやってよ。」

無理でしょ!!
あんなの出来るのPANTAさんだけですから。

というわけで、とりあえず歌なんか歌ってみましたが、相変わらず、心の落ちつき失せたままの私です。
いつか、しっかりと涙を流せる日がくるのでしょうか?


Al Kooper 『Act Like Nothing’s Wrong』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1976

Al Kooper 『Act Like Nothing's Wrong』
Al Kooper 『Act Like Nothing’s Wrong』

Al Kooper 『Act Like Nothing’s Wrong』
邦題は『倒錯の世界』

1976年、高校1年の時にほぼ発売と同時に購入したもの。
ジャケットデザインや邦題に惹かれて、まだアル・クーパーの音楽について何も知らない状態で、はじめて聴いたアル・クーパーがこれ。

のちに、時代を遡って『スーパー・セッション』や『フィルモアの奇蹟』、ボブ・ディランとの演奏、BST、数々のソロ・アルバム、など、アル・クーパーの音楽を聴き、特に『赤心の歌』や『紐育市(お前は女さ)』などのソロ・アルバムには、大きく心を揺さぶられてきた。

けれども、そのどれよりも、心に残っているのは、はじめて聴いたアル・クーパー。
このアルバム『倒錯の世界』は、間違いなく「私を形成している」音楽のひとつと言える。

このアルバムには、いくつかカヴァー曲も入っているのですが、日本語ライナーにはその辺全く触れていない(どころか、このアルバムについて触れていない)し、内ジャケットには、曲ごとの演奏者は書いてあるものの、作者は、レコードのレーベルに小さく書かれているのみ。
なので、買った当時は、その辺あまり分からぬままに聴いていたのだけど、A面2曲目の「恋のダイアモンドリング」、この曲が、シーナー&ロケッツの1stアルバム「#1」に入っていて、驚きました。

あとから調べて、ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズの演奏で、1965年に全米1位になった曲で、作者の1人にアル・クーパーがクレジットされている事を知りました。いわゆるセルフカヴァーですね。そういう事、ライナーに書いておいて欲しいと思ったりなんだり。

他のカヴァー曲も、原曲を知らないままに聴いてきたわけですが、調べるとR&B系の曲みたいです。
で、実は私、黒人のR&Bやソウル、ブルース等が若干苦手。(嫌いではなく積極的には聴いてこなかった)
別に人種の問題ではなくて、迫力とか?ねばっこさとか?声の太さとか?なんだかよく分からないけど音的な部分で、ちょと苦手な所があるのです。
ただ、白人がやっている黒人の音楽。
ストーンズがやっているブルース曲とか、ヴァン・モリソンなどのいわゆるブルーアイド・ソウルは大好きで、その辺、(白人がやっているから好きというわけではなく)自分でも理由は謎なのですが、とにかく、そういう傾向。

で、このアルバムも、いわゆるブルーアイド・ソウル的なフィーリングのアルバム。
それが私にはとても心地よい。

楽曲も印象的な曲が多くて、今でもだいたい全部、鼻歌で歌えるレベル。

なかでも、とにかく大好きな曲が、B面3曲目に収められた「Turn My Head Twords Home」
これは、この生涯で聴いてきた楽曲群の中でも上位に入るレベルの大好き度。

アル・クーパーの何が好きって、私はとにかく、声や歌い回しが大好き。
その声、歌い回しのゾクゾクするほどの良さが詰まっているのがこの曲。
出だしのキーボードと語りかけるような歌で、一瞬にしてゾクっと惹き込まれ、あとは、演奏の盛り上がりに心をゆだねる至福の時間。

このように、個人的に心を寄せているアルバムなのだけど、あまり評価は高くなくて、セールス的にもあまり良くなかったそうです。

アル・クーパーがのちにインタビューで「自分としてはとても自信をもっていたこのアルバムの評価が低かった事で、音楽業界でのやる気をなくして、この後、一時引退状態だった」的な事を語っていて、悲しくなりました。
と、同時に「私はちゃんと素晴らしさを分かっていたし、ものすごく高く評価していました。大好きなアルバムです。」と伝えたい、そんな気持ちになったのです。




※画像は自分のレコード

ULTRA SEVEN

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1967

「ULTRA SEVEN」(ウルトラセブン挿入歌)

以前、「ホルンの音が好き過ぎる」と題したブログ投稿で、ウルトラセブンの主題歌(特にホルンの音)が好き過ぎる話を書いた事があります。
しかし、ウルトラセブンに関しては、主題歌にとどまらず挿入歌やBGM全てがかっこよくて、たまらなく好きです。
まさに「私を形成している」音楽と言える、心の襞にしっかりと沁みこんでいる音楽達。

今回、取り上げる曲「ULTRA SEVEN」も、とにかくかっこいい!

吠えるような管(ホルン)の音とか、ゾクゾクするほどに大好き。

そして英語の歌詞のかっこよさたるや!

子供の頃には歌詞が全く分からず♪ワン・ツー・スリー・フォー♪ワン・ツー・スリー・フォー♪の後は、適当にゴニョゴニョと歌っていたものですが・・・

大きくなってから英語の歌詞を知った時の、感動!

1番が

♪Attack The hawkmissile Fighter-Seven♪

2番が

♪Strike The Eyeslugger Hero-Seven♪

この曲自体の良さ、アレンジ、さらに演奏、男声コーラス、とにかく全てにおいて、今聴いても、本気感がビシビシ伝わってきて心が震えます。

他に「ウルトラ警備隊の歌」も大好きなんだけど、きっといずれ、マーチが好き過ぎる件として取り上げそうな気がしています。


【追記】
と、ここまでは、コロナ禍ステイホーム中に他のSNSに書いた文章を若干修正したものですが、ここからは初出です。

このブログを書くにあたって、共有したYouTube動画を改めて観たのですが、その際、関連動画として出てきた動画、これがすごかった!!

まず、今回取り上げた曲「ULTRA SEVEN」

そして、以前「ホルンの音が好き過ぎる」で取り上げた主題歌

さらには上記、きっといずれ、マーチが好き過ぎる件として取り上げそうな気がしている「ウルトラ警備隊の歌」

素晴らし過ぎませんか?
フィルフィル(FILM SCORE PHILHARMONIC ORCHESTRA)

はっきり言って、号泣しました。
何度も。
とにかく楽曲が素晴らし過ぎる、好き過ぎるのはもちろんなのですが、演奏の熱量、歌や演奏に込められた「愛」みたいなものが、すごく伝わってきて、震えがくるほどに感動しました。

はじめて「冬木透 CONDUCTS ウルトラセブン」を観た時にも感動して涙が出ましたが、その時に勝るとも劣らない感動の大きさ。
というか涙の量だけで言えば、完全にフィルフィルが勝っています。


私、以前から「ウルトラセブン」関連のオーケストラ演奏やマーチングバンドの演奏など、YouTubeで見まくっていたのですが、これは今日まで知りませんでした。
油断していました。

他SNSでこの「ULTRA SEVEN」の事を書いたのが2020年5月頃。
このYouTube動画がアップされたのが、2020年10月。
タイミングのズレで、今まで知らなかったわけですが、本当に迂闊でした。
このオーケストラの演奏会に、絶対に行く!

最後、ちょっと投稿の趣旨と変わってしまいましたが、それもまたよし。



※画像はネット上から拝借
※過去のSNS投稿を編集及び大幅に加筆したものです

George Harrison 『Extra Texture』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1975

George Harrison 『Extra Texture』(1975年発売)
George Harrison 『Extra Texture』(1975年発売)

これまでこの「私を形成するもの」で、Ringo, Paul, John と元ビートルズのソロ作品を取り上げてきましたが、もちろん、この人を取り上げないわけにはいきません。

という事でジョージ・ハリスンのアルバム『ジョージ・ハリスン帝国』(とんでも邦題!)

これも発売日に買ったように記憶しています。
この前に出たアルバム『ダーク・ホース』も、当時、ラジオから流れる、シングル・カット曲の「ディン・ドン」が大好きだったから、発売時に欲しかったのですが、諸事情により断念。
なので、この『ジョージ・ハリスン帝国』が、初めて買ったジョージのソロアルバムになります。

午前中に学校を抜け出して買って来て、昼休みに放送室で聴くパターン。

しかし、この「私を形成するもの」で取り上げたPaulの『Venus and Mars』、Ringoの『Goodnight Vienna』、そしてJohnは以前取り上げたシングル「真夜中を突っ走れ」が入ったアルバム『Walls and Bridges』が、ほぼ1年の間にリリースされているという物凄さ。

もっと言えば、ジョージの

・Living In The Material World

・Dark Horse

・Extra Texture

リンゴの

・Ringo

・Goodnight Vienna

ポールの

・Red Rose Speedway

・Band on the Run

・Venus and Mars

ジョンの

・Mind Games

・Walls and Bridges

・Rock’n’ Roll

なんと!これだけのアルバムが、私が中学生の時にリリースされているのです。
(シングルヒット曲は、さらにたくさん)

ビートルズには間に合わなかったけど、本当にエキサイティングで幸せな、中学生時代を送る事が出来たと思っています。

さて、このアルバム。

1曲目はシングルヒットした「二人はアイ・ラヴ・ユー」(とんでも邦題!)

この曲を初めてラジオで聴いた時には、ジョンの「真夜中を突っ走れ」を初めて聴いた時に近い興奮を覚えました。

最高にかっこいい!大好き!

このアルバムからは、もう1曲「ギターは泣いている」という「While my guitar・・・」の続編的な曲がシングルカットされていますが、ジョージのギターはよく泣くというか、ジョージってギターを泣かせがち。

タイトルどおり泣きの名曲です。

他にも、バラード調のしっとりじっくり聴かせる名曲揃いで「答は最後に」「ウー・ベイビー、わかるかい」「悲しみの世界」・・・いや、もう全部大好き。

そして参加ミュージシャンがこれまたすごい。

『バングラデシュのコンサート』でも共演したレオン・ラッセルはじめ、ジョージ人脈勢ぞろいといった所(クラプトンは参加していません)。

買ったタイミングや、なんやかんやで、ジョージのアルバムの中では思い入れ度はこれが1番。

もし『ダーク・ホース』を先に買えていたら、ここで取り上げるのは『ダーク・ホース』になっていたかも知れないけど。

この2枚は、中学生時代に買えたので、聴き込み時間が長く、当時の空気感と一体となって記憶に刻まれている分、思い入れが度、高め。
聴いていると胸がキューとなる事がよくあるのです。

ちなみに『クラウド・ナイン』も違う意味で思い入れ度が高く胸がキューとなるアルバム。



※画像はネット上から拝借
※過去のブログ、SNS投稿からの抜粋編集です

John Lennon『IMAGINE』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1974

John Lennon 『Imagine』(1971年発売)

ビートルズに本格的に嵌ったのが、中学生の時。1974年頃。
ビートルズの曲を全曲聴きたい。全曲揃えたい。と思っていたその頃。
しかし、まだビートルズのLPを数枚しか持っていない状況で、手を出してしまった、初めてのビートルズ関連ソロアルバムがジョンの『イマジン』

おかげでその後、なかなかビートルズをコンプリ出来なくなってしまったわけですが・・・

まあ、素晴らしいアルバムだと思います。

すごく聴きまくりました。

曲も詞も(声も演奏も)大好きです。

中2の時に感じた事は、例えば「兵隊にはなりたくない」という歌の詞。

♪兵隊にはなりたくない、ママ、死にたくないんだ♪

すごくかっこいいと思いました。

こういう、ある種かっこ悪い事を正直に言葉に出来る感性がすごいなと思いました。
ハートにグサリと刺さりました。

「すごくハードなんだ、落ち込んじゃうんだ」と吐露する「It’s So Hard」も。

「私が欲しいのは真実だけ」と歌う「Give Me Some Truth」も。

とにかく、ストレートな言葉、ストレートな表現がとにかくかっこいい、と思いました。

「ジェラス・ガイ」や「オー・マイ・ラヴ」といった、美しいラヴソングも良いのですが、その頃の私は、むしろ、上記の曲達に惹かれていました。

「イマジン」という曲に対しては、その後の世界などを通して思う事は多々あるのですが「理想に向かう心は失くしてはいけない」という思いは今も強く持っています。

「イマジン」に描かれている理想の世界が正しいかどうかはともかく、まあ、その「正しい」が、誰にとっても正しいのか?とか、色々な事を考えてしまいつつも・・・盲信的な正しさではなく、軌道修正も出来る柔軟性を持ってとか、そんな感じでね。個人的にも理想を目指しています。今も。

とにもかくにも中2の心にぐっさりと刺さって、その後の考え方にも影響を及ぼしたアルバムである事は間違いありません。



※画像はネット上から拝借
※過去のブログ、SNS投稿からの抜粋編集です

Wings 『Venus and Mars』

私を形成しているもの

今の自分を形成する一部になっていると言えるほど印象に残る様々なものを「私を形成しているもの」としてとりあげていきます。他のSNSなどに投稿したものを加筆修正して再掲載しているものもあります。
※この下に書かれた年号は作品の発表年ではなく私がその作品に初めて触れた(と思われる)年。またはそのイベント、出来事を経験した年。
※ただの思い出話です。


1975

Wings 『Venus and Mars』(1975年発売)

初めて買ったPaul McCartneyのソロアルバムが『Venus and Mars』
(正確にはこのアルバムはソロアルバムではなくて、Wings名義なのですが)

確か発売日に買ったように記憶しています。

この時期、ポール(というかWings)の初来日公演が決まり、毎日、ラジオにかじりついて情報を追っていました。
(※文化放送でチケット情報が発表されると言われていた)

しかし、しばらくして(過去の薬物所持歴などが問題になり)来日中止に。

お詫びとしてテレビでWingsのメルボルン公演が放送されました。
冒頭でポールが「ごめん」と日本語で謝罪していたのをよく憶えています。

まあ、そんな印象に残る一騒動があり、あの頃の教室とか、自分の部屋の勉強机に置いたラジカセとか、そういった景色や空気感と一体になった忘れられないアルバム。

曲も、シングルヒットした「あの娘におせっかい」「ワインカラーの少女」「ヴィーナス・アンド・マース/ロック・ショー」とキャッチーな曲が多く、とても楽しめる内容。

他のメンバーがリード・ヴォーカルを取る曲もあり、バンドとしての活動を強調していた感じ。
特にジミー・マッカロクが歌う「メディシンジャー」は、とても印象に残っている。

そんな中でも「磁石屋とチタン男」という訳の分からないタイトルの(「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」の系譜に属するようなタイプの)曲が大好きです。

この曲については、Wikiにも書いてある「ジャマイカでの休暇中に購入して読んだコミックに誘発されて書かれた曲である。」という程度の漠然とした知識しかなかったのですが、最近偶然知った事があって、それは磁石屋。
『X-men』(マーベルコミックを映画化したもの)を初めてDVDで観ていた時に、マグニートという男が出てくるのです。

「え?これって!?もしかして磁石屋の事?そういえばコミックに出てくるキャラと言っていたような・・・」

正解でした!

45年も経ってから、こんな形で知る事実に軽くクラっとしました。

さっき調べ直したら、チタン男や(歌詞に出てくる)クリムゾン・ダイナモも、コミックの「アイアンマン」に登場するキャラクターみたいです。

そんな私は、今頃、(磁石屋たちが出てくる)マーベル映画に嵌りまくっています。

人生って面白い。



※画像はネット上から拝借
※過去のブログ、SNS投稿からの抜粋編集です