日: 2024年11月2日

アコースティック音楽嗜好 ‐95‐

民謡、伝承曲からの影響

「Mike OldfieldとLes Penning, またはOmmadawnの時代」

Mike Oldfieldの初期三部作(Tubular Bells、Hargest Ridge、Ommadawn)の中で、「どれが一番好きか?」と問われた時に、私は『Hargest Ridge』と答える事が多いのだけど、それは、一番初めに買って聴き込んだアルバムだから、その音と共に浮かびあがる「あの頃」の空気感が加味された若干思い出補正が入った評価かも知れない。
純粋に楽曲の好き度を考えてみると、もしかしたら『Ommadawn』が一番好きかも。

その「一番好きかも」と思わせる決定的な要素があって、それはリコーダーのメロディーとその音色。
牧歌的かつ中世音楽の響きのような美しさに、とても心惹かれるのだ。

きっとMike Oldfieldも同じ思いを抱いていたようで、『Ommadawn』リリース後にリコーダーアンサンブル的な曲を数曲、シングルでリリースしている。
どれも、民謡、伝承曲のような曲調で、リコーダーがメインでギターとの合奏、曲によっては、それに打楽器、鍵盤楽器が加わった程度で演奏されたシンプルでかわいらしい愛すべき楽曲たち。

Mike Oldfield – Portsmouth

Mike Oldfield Argiers (Tradd Arr.)

『Ommadwan』はじめ、その時代のシングル曲でリコーダーを演奏していたのは、Les Penningというリコーダー奏者。
Mike Oldfieldの一時代の音に大きな貢献をした人物と言えるでしょう。

このLes Penningという人、これ以後、あまり名前を聞く事もなかったのですが、最近、なぜか目にする(耳にする)機会が増えています。

SpotifyにもLes Penning名義で、2枚のシングル(計4曲)があります。
Spotifyでは(2021)となっているけど、2枚とも1983年に発売されたもの。
この4曲、どれもがMike Oldfieldとの共演時を思わせるような曲ばかりで、Mike Oldfieldのファンが聴けば、「この演奏はもしやあの人!?」と感じる事間違いなし。

こういうものを聴くとMike OldfieldとLes Penningがお互いに良い影響を与え合っていたように感じ取れて嬉しくなります。


それとは別に最近YouTubeなどで目にするものは、Rob Reedとの共演で、Mike Oldfieldの曲をカヴァーしたものたち。
正直Rob Reedという人の事は良く知らないのですが、Mike Oldfieldフォロワーのような音楽活動をされている方かと(認識不足だったらごめんなさい)
Mike Oldfieldの曲を演奏したくて、そこに、ご本家で演奏していたリコーダー奏者Les Penningを引っ張り出したという図式かと思われます。

Argiers : Les Penning with Rob Reed

Cuckoo Song Les Penning Rob Reed

まさか2000年代も随分経ってから、こんな形でLes Penningの演奏を聴けるとは、そして演奏する姿を見る事が出来るとは、思いませんでした。

Les Penning and Rob Reed : In Dulci Jubilo

何年か前に、これを発見した時に、驚きと感動が押し寄せてきた事を今でも鮮明に思い出せます。
Rob Reedに感謝。



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