映画の挿入歌(『ジョジョ・ラビット』編)
映画『ジョジョ・ラビット』の中で流れる音楽について書こうと思うのですが、まずはじめに、この映画に少しでも興味があって、まだ観ていない人は、この先は読まずに、まず映画を観てください。
これまで、このブログ内での私の投稿、特に映画挿入歌関連(MCU編、David Bowie編)に興味を持った方は、この先は読まずに映画を観る事を推奨します。
映画『ジョジョ・ラビット』観ましたか?
まだ、観ていないのに読み進んでしまった方には、もう少しだけ話しましょう。
これから書くのは、映画の内容や説明ではなく、ほぼ音楽の話。
冒頭で流れる音楽とラストシーンで流れる音楽。
特にラストシーンで流れる音楽。
私は、何も知らない状態でこの映画を観て、ラストシーン(~エンドロール)で、号泣しました。
大げさな表現ではなく、曲が流れている間中、泣き続けていました。
さて、2度目の警告です。
この先は、その音楽について書くので、私のように、まっさらな気持ちでラストシーンを味わいたいと思った方は、この先は読まずに、 『ジョジョ・ラビット』 を観て下さい。
この映画で描かれているのは、第2次世界大戦末期のドイツ。
ヒトラーを信奉する少年、実は反戦運動をしている母、母によって少年の家の屋根裏部屋に匿われているユダヤ人少女。
ただ、この映画の監督はタイカ・ワイティティ、ふつうに戦争映画、反戦映画として描かれているわけではなく、とにかく、色々とイカレている(褒め言葉)し、ぶっ飛んでいる。
しかし、そんなイカレた表現の中に通底しているのは、差別に反対し愛と平和を希求する心。
映画の冒頭で流れるのは、ビートルズ「抱きしめたい」のドイツ語ヴァージョン。
大好きな曲が流れて気持ちはノリノリなのだが、映像は、ナチスを信奉し、熱狂する群集のモノクロ映像。
ビートルズのドキュメンタリー映像などでおなじみなのは、ビートルズに熱狂する群集のモノクロ映像なのだけど、それがまんま戦時中のナチス映像に置き換わっている感じ。
最初から、一発ぶちかまされた感。
そしてラストシーン(はやっ!)
3度目の警告になりますが、まだ映画を観ていない方は、今からでも遅くないので、とにかく映画を観て下さい。(笑)
戦争が終わって、屋根裏から家の外に出た少女。
玄関先に少年と向かい合って立っている。
街のノイズの中から、自然に音楽が浮き立っていく。
この音は!このフレーズは!
少年と少女の体がリズムを刻み始める。
(もうこの辺りから涙が溢れます)
「Heores」!!いや「Helden」!!!
そう、David Bowie「Heroes」のドイツ語ヴァージョン「Helden」です。
戦争が終わったら何をしたい?との問いに「ダンス」と答えていた少女。
色々な事を経験した少年。(映画観てね)
Bowieのこの曲のパフォーマンスを知っている人なら、2人の動きにも涙せずにはいられないと思うのです。
そしてBowieのファンならこの曲の歌詞、この曲の意味を熟知していることでしょう。
ドイツ語の「Helden」を聴きながら、私の頭の中には英語の「Heroes」が流れ、さらに日本語に変換された言葉たちが流れています。
ラストシーンからエンドロール(その1)にうつり、この曲が終わるまでの間、涙が溢れ続けました。
2度目に観た時には、若干涙の量は減ったかも知れませんが、それでもやはり涙が溢れました。3度目も。
とにかくたまらんのです。
最高の映画だと思うのです。
そして愛と平和を思うのです。
オープニングとラストシーンの音楽だけに絞って書きましたが、他の挿入歌も全部素晴らしいので、映画自体もサントラ盤も超お薦め。
こちらタワレコのページ、曲の説明が少しだけ書かれています。(宣伝ではない)
https://tower.jp/article/feature_item/2020/01/08/0103
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